主人公たちは月を呼び殺したのか

高成坊主(takanaribozu)

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プロローグ

プロローグ、もしくは第一話

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―――ただ、手を伸ばした。

    『ただ生きたい』

そんな祈りが、この紫色に光る夜空に掠れていく。
暗い暗い森の中、木々の隙間から差し込む月光に輪郭を描き下げられる。
膝に感じる熱くも冷たい不思議な赤。

わからない
わからないよ

ただそうつぶやく。

「―――、――――!」

誰かが私を呼ぶ声がした。
安心お母さんの声が聞こえる。

「―――ぇ?」

カチャン

音が響く。
それと同時に目の前の人間お母さんの首が視界から消えた。
ぐしゃりと、目の前の体は倒れる。

――――なんで?

これ、夢?
そうだ、夢だ。夢だ。


夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ夢
夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢ゅ――――

「夢じゃないよ」



――――お姉ちゃん!!!」


暗闇に閃光がさす。

目が覚めた。
白いカーテンから差し込む日光が部屋を照らす。

窓から放たれる光は影を映し出し、自分の視界に映し出した。

ただ、手を伸ばしていた――――
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