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第2章
襲われている! 助けに行くぞ!
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しばらくして、腐れ貧乳とツルペタ少女の醜い争いは幕を閉じた。互いに深い傷を残して。
二人はない胸を押さえて、悲しそうにうつむいていた。そんなに落ち込むなら、最初からやるなよ。
俺としては静かになったからいいが、ずっと無言なのも何か落ち着かない。いつも、ロザリアがうるさくして、俺がツッコミを入れる流れが主流になってきたからだ。
「なぁ――」
「何よ……?」
励まそうとロザリアに声をかけたら、かなり低い声で聞き返してきた。ギロッとこちらを睨めつける様子は、まさに吸血鬼族の名にふさわしかった――じゃねぇ。そんな暢気なことを言っている場合じゃない。
ロザリアの目は俺を殺さんとばかりに睨めつけている。いや、比喩ではなく。ガチの方だ。これ以上、余計なことを言ったら、本気で殺されそうな気がする。
「いや、なんでもない……」
触らぬ神に祟りなし、だ。何事も自分の感覚がもっとも信頼できる。俺の警告ベルがうるさいほどに鳴っている。つまりは話しかけるなと言うことだ。うん、じゃあ、そうしよう。
結局、俺たちは何も話すことなく歩き続けていた。それも、約1時間……正直疲れてきた。
疲れを紛らすときは誰かと話すのがよかったりするが、今は逆効果になってしまう状態だ。1時間経った今でも、ロザリアたちの表情は暗いままだ。どれだけ気にしてんだよッ!
俺がレガリアで仕入れた情報によれば、次の街まで行くには、まだここから1時間弱かかる。うん、また同じ時間を過ごさなければならない。つらい……。
「ん? 誰かいるな?」
俺の張っている結界内に何者かの気配がした。結界といっても、防壁みたいなものではなく、魔力を察知するセンサーみたいなものだ。この結界は俺を中心に展開されるので、俺から結界内に誰かを入れた可能性もある。十中八九、そっちだろう。
だが、それだけで俺は警戒することはない。生き物なんて、たくさんいるからな。気になったのは、結界内に入った奴らが一歩も動かないからだ。
さらに、彼らの配置は数人の人間が二人か三人くらいを囲っている。まるで追い詰めるように。そして、俺はその配置に覚えがあった。
「盗賊か……」
この配置は街を移動している商人を盗賊が襲っている局面に非常に似ているのだ。もしかしたら、動けない奴らを囲って守っているのかもしれないが、その可能性は十分に低いだろう。
「二人とも、この先に盗賊に襲われている人がいる。助けに行くぞ」
俺は暗い表情のロザリアたちに声をかける。
いつもの俺なら、助けることなんてしないだろう。だって、面倒くさいから。だが、商人であれば、恩を売っておくことで、あとで楽になるほか、目的地が同じならば、一緒に連れて行ってくれるかもしれない。
何より、俺は話し相手が欲しい! この空気は精神的に悪い! これなら、レッドドラゴンと戦った方がマシだッ!
「……わかった」
「……助けに行きましょ」
二人は歩を進める速度を上げ、俺を抜かして行った。盗賊の元へ。
だが、俺はしっかりと見てしまった。ロザリアたちの表情が非常に危ないものになっていたことを――
「……大丈夫かなぁ……」
心配しながらも、俺は彼女たちの後を追いかけた。
そして俺たちは魔力源の元にたどり着いた。そこには予想通り、十人くらいの盗賊がナイフなどを突き立てて、商人らしき人たちを襲っていた。
その人質の中には、俺より少し下であろう少女もいた。年齢はロザリアより少し上くらいだろうか? 彼女は父親であろう人物に、怯えるように抱きついていた。
ふむ、ここは俺が囮になって、盗賊たちの注意が俺に向いている間に、ロザリアたちに人質の救出を頼むか。
俺よりロザリアたちを囮にした方が盗賊たちの注意は引けるだろうが、流石に俺の良心が女を囮にするのはどうかと言っている。やはりここは俺が囮になるしかない。
「二人とも、ここは俺が囮になるから、その間に人質を救出してくれ」
俺は振り返り、ロザリアたちに作戦の内容を伝えようと――
「――あれ?」
したが、そこには誰もいなかった。あれ? さっきまで一緒にいたはずなんだが?
「――って、何してんだああああぁぁぁぁ――ッ!」
俺は頭を抱えて叫んだ。なぜなら彼女たちは正面から、堂々と、盗賊たちの前に立っていたからだ。
いや、マジで何してんだよッ! それは一番やってはいけないだろ!
その理由は簡単だ。人質がいるということは、こちらは迂闊に動くことができない。だから俺は不意打ちを決めようとしていたのに……すべてが台無しだよッ!
当然、堂々と姿を現すとなるとどうなるか?
「おい、お前ら! どこから湧きやがった!」
「武器を捨てろ! こっちには人質がいるんだ! どうなってもいいのか!」
「おい見ろよ。あの子ら、めっちゃ可愛いぞ。うひひひひぃ」
「やってもいいよな! アニキッ!」
「ハァ、ハァ……尊い」
ほらみろ! 俺の予想通りだよ! 見事に人質を利用されているじゃないか! あと最後の奴。お前は何を言っている?
……仕方ない。ここは魔法を使うか。できるだけ体力は使いたくなかったが、あの馬鹿たちが先行したせいでやむを得なくなった。
そこで俺は比較的、殺傷能力が低い魔法を使うことにした。
「低電波――」
「邪魔」
「ブハァ――ッ!」
一人の盗賊が血をまき散らしながら、その場に倒れた。
おわかりだろう。俺は何もやっていない。手を下したのはロリ吸血鬼のロザリアちゃんだ。ロザリアは盗賊たちの脅しをものともせずに無表情で近づき、盗賊の目の前まで移動すると、一切の動作を悟られずに、自身の拳を男の顔面めがけて殴りつけたのだ。しかも、軽く身体強化の魔法をかけていたのも、俺は見逃さなかった。
「ぎゃああああぁぁぁぁ――ッ!」
またもや悲鳴が上がる。当然、その悲鳴は盗賊のものだ。俺は見てしまった。無表情で男のシンボルを蹴り上げていたアセロラの姿を。
いや、お前は魔術師だろ? しかも治癒専門の。君、俺のことを人外扱いしたのに、君もさらっと常人ではできないことをしてるよね? 俺でも流石に手加減するよ? 明らかに君、全力で蹴り上げていたよね? 蹴り上げられた男、漏らしてるけど、赤く見えるのは気のせいだよね?
「うわああああぁぁぁぁ――ッ!」
「た、助けてくれッ!」
「ハァ、ハァ、神よ……」
「「…………」」
男たちの絶叫が響く中、ロザリアたちは無表情のまま、一人一人、盗賊たちを蹂躙していく。その現場はまるで、力なき者が盗賊に襲われているようであった。あっ、そうだ。俺は助けに来たんだった。
待っていろ! 今助けに行くぞッ!
二人はない胸を押さえて、悲しそうにうつむいていた。そんなに落ち込むなら、最初からやるなよ。
俺としては静かになったからいいが、ずっと無言なのも何か落ち着かない。いつも、ロザリアがうるさくして、俺がツッコミを入れる流れが主流になってきたからだ。
「なぁ――」
「何よ……?」
励まそうとロザリアに声をかけたら、かなり低い声で聞き返してきた。ギロッとこちらを睨めつける様子は、まさに吸血鬼族の名にふさわしかった――じゃねぇ。そんな暢気なことを言っている場合じゃない。
ロザリアの目は俺を殺さんとばかりに睨めつけている。いや、比喩ではなく。ガチの方だ。これ以上、余計なことを言ったら、本気で殺されそうな気がする。
「いや、なんでもない……」
触らぬ神に祟りなし、だ。何事も自分の感覚がもっとも信頼できる。俺の警告ベルがうるさいほどに鳴っている。つまりは話しかけるなと言うことだ。うん、じゃあ、そうしよう。
結局、俺たちは何も話すことなく歩き続けていた。それも、約1時間……正直疲れてきた。
疲れを紛らすときは誰かと話すのがよかったりするが、今は逆効果になってしまう状態だ。1時間経った今でも、ロザリアたちの表情は暗いままだ。どれだけ気にしてんだよッ!
俺がレガリアで仕入れた情報によれば、次の街まで行くには、まだここから1時間弱かかる。うん、また同じ時間を過ごさなければならない。つらい……。
「ん? 誰かいるな?」
俺の張っている結界内に何者かの気配がした。結界といっても、防壁みたいなものではなく、魔力を察知するセンサーみたいなものだ。この結界は俺を中心に展開されるので、俺から結界内に誰かを入れた可能性もある。十中八九、そっちだろう。
だが、それだけで俺は警戒することはない。生き物なんて、たくさんいるからな。気になったのは、結界内に入った奴らが一歩も動かないからだ。
さらに、彼らの配置は数人の人間が二人か三人くらいを囲っている。まるで追い詰めるように。そして、俺はその配置に覚えがあった。
「盗賊か……」
この配置は街を移動している商人を盗賊が襲っている局面に非常に似ているのだ。もしかしたら、動けない奴らを囲って守っているのかもしれないが、その可能性は十分に低いだろう。
「二人とも、この先に盗賊に襲われている人がいる。助けに行くぞ」
俺は暗い表情のロザリアたちに声をかける。
いつもの俺なら、助けることなんてしないだろう。だって、面倒くさいから。だが、商人であれば、恩を売っておくことで、あとで楽になるほか、目的地が同じならば、一緒に連れて行ってくれるかもしれない。
何より、俺は話し相手が欲しい! この空気は精神的に悪い! これなら、レッドドラゴンと戦った方がマシだッ!
「……わかった」
「……助けに行きましょ」
二人は歩を進める速度を上げ、俺を抜かして行った。盗賊の元へ。
だが、俺はしっかりと見てしまった。ロザリアたちの表情が非常に危ないものになっていたことを――
「……大丈夫かなぁ……」
心配しながらも、俺は彼女たちの後を追いかけた。
そして俺たちは魔力源の元にたどり着いた。そこには予想通り、十人くらいの盗賊がナイフなどを突き立てて、商人らしき人たちを襲っていた。
その人質の中には、俺より少し下であろう少女もいた。年齢はロザリアより少し上くらいだろうか? 彼女は父親であろう人物に、怯えるように抱きついていた。
ふむ、ここは俺が囮になって、盗賊たちの注意が俺に向いている間に、ロザリアたちに人質の救出を頼むか。
俺よりロザリアたちを囮にした方が盗賊たちの注意は引けるだろうが、流石に俺の良心が女を囮にするのはどうかと言っている。やはりここは俺が囮になるしかない。
「二人とも、ここは俺が囮になるから、その間に人質を救出してくれ」
俺は振り返り、ロザリアたちに作戦の内容を伝えようと――
「――あれ?」
したが、そこには誰もいなかった。あれ? さっきまで一緒にいたはずなんだが?
「――って、何してんだああああぁぁぁぁ――ッ!」
俺は頭を抱えて叫んだ。なぜなら彼女たちは正面から、堂々と、盗賊たちの前に立っていたからだ。
いや、マジで何してんだよッ! それは一番やってはいけないだろ!
その理由は簡単だ。人質がいるということは、こちらは迂闊に動くことができない。だから俺は不意打ちを決めようとしていたのに……すべてが台無しだよッ!
当然、堂々と姿を現すとなるとどうなるか?
「おい、お前ら! どこから湧きやがった!」
「武器を捨てろ! こっちには人質がいるんだ! どうなってもいいのか!」
「おい見ろよ。あの子ら、めっちゃ可愛いぞ。うひひひひぃ」
「やってもいいよな! アニキッ!」
「ハァ、ハァ……尊い」
ほらみろ! 俺の予想通りだよ! 見事に人質を利用されているじゃないか! あと最後の奴。お前は何を言っている?
……仕方ない。ここは魔法を使うか。できるだけ体力は使いたくなかったが、あの馬鹿たちが先行したせいでやむを得なくなった。
そこで俺は比較的、殺傷能力が低い魔法を使うことにした。
「低電波――」
「邪魔」
「ブハァ――ッ!」
一人の盗賊が血をまき散らしながら、その場に倒れた。
おわかりだろう。俺は何もやっていない。手を下したのはロリ吸血鬼のロザリアちゃんだ。ロザリアは盗賊たちの脅しをものともせずに無表情で近づき、盗賊の目の前まで移動すると、一切の動作を悟られずに、自身の拳を男の顔面めがけて殴りつけたのだ。しかも、軽く身体強化の魔法をかけていたのも、俺は見逃さなかった。
「ぎゃああああぁぁぁぁ――ッ!」
またもや悲鳴が上がる。当然、その悲鳴は盗賊のものだ。俺は見てしまった。無表情で男のシンボルを蹴り上げていたアセロラの姿を。
いや、お前は魔術師だろ? しかも治癒専門の。君、俺のことを人外扱いしたのに、君もさらっと常人ではできないことをしてるよね? 俺でも流石に手加減するよ? 明らかに君、全力で蹴り上げていたよね? 蹴り上げられた男、漏らしてるけど、赤く見えるのは気のせいだよね?
「うわああああぁぁぁぁ――ッ!」
「た、助けてくれッ!」
「ハァ、ハァ、神よ……」
「「…………」」
男たちの絶叫が響く中、ロザリアたちは無表情のまま、一人一人、盗賊たちを蹂躙していく。その現場はまるで、力なき者が盗賊に襲われているようであった。あっ、そうだ。俺は助けに来たんだった。
待っていろ! 今助けに行くぞッ!
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