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招待状
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チチチチ…
雀の鳴き声と共に目を覚ますとふと昨晩の出来事が脳裏に浮かんだ。
蓮さんから抱き締められた時の感触がまだ残ってる…
大きく強ばった蓮の腕に優しく硝子物のように抱き締められた感触を思い出しふと頬が熱くなった。
それに、蓮さんのあんな顔初めてみた…
今まで見せた事のなかった辛く苦しそうな蓮の顔を思い出し気持ちが沈んでいると、タイミングよく携帯の着信音が鳴った。
プルルル…プルルル…
「誰だろう…?」
携帯画面を見ると見たこともない知らない番号が表示されており不安の中、悩んだ末に着信をオンにし耳に当てる。
「も、もしもし…?」
「昨晩お邪魔した…椿です」
「高坂さん!?」
驚いて声を上げすかさず口を塞ぎ辺りを見渡すと電話越しにいる椿に再度意識を向ける。
「ど、どうして番号知ってるんですか!?」
「ある知り合いにこの手のプロがいてね…それで美嶋さんに電話をかけさせてもらったんだ」
それって逆を言えば犯罪なんじゃ…
考える事が違いすぎる感覚に苦笑いを浮かべていると、椿は本題として話を切り出す。
「実は、今日美嶋さんにうちに見学に来てくれないかと思ってね…」
「見学…?何で俺が?」
「これは父の意向なんだが、兄さんの身近にいる近しい美嶋さんにうちのやっている事を知ってもらえれば兄さんに式典に来る事や絵を表に出す事を説得して貰えるのではと思ってね…」
「それは蓮さんのために俺を利用するという事ですか…?」
「裏を返せばそう言う事になるだろうね」
「お言葉ですが俺が蓮さんのお父さん方がしている事を知ったとしても蓮さんに説得する事は出来ません…したとしても決めるのは蓮さん本人です」
「それはこちらとしても承知の上だ…美嶋さんは単なる保険に過ぎないからね」
「保険…?」
「単なる種にすぎないという事だよ」
椿の言っている意味がよく分からず首を捻りつつもこの事が一か八かの賭けである事は分かった。
「分かりました…行きます」
「よかった…じゃあ、午前十時に家付近の交差点で待っているよ。目印は赤いポルシェだと思ってくれれば分かると思うから…」
「はい、分かりました…」
着信が切れ時計を見ると既に九時を回っており慌てて飛び起き支度を始めた。
*
ドタバタバタバタッ…
二階で慌ただしく聞こえる音にダイニングにて朝食を作っていた隆二は天井を見上げた。
「慌ただしな…何かあったのか?」
するとタイミングよく階段を駆け下りる音が聞こえダイニングのドアを開けた星那の姿があった。
「せな?何で女装してるんだ?」
星那の服装はいつもの男装しているTシャツと短パンではなく地毛と思われる黒く艶やかな長い髪にグレーのベレー帽を被り茶色のチェックのワンピースに赤いミニサイズの鞄を肩から掛け赤い口紅を基調としたメイクをしていた。
女装というかこれが素の星那なんだろうが…急にどうして?
ほとんど見れない女性の姿に見惚れつつも首を傾げる。
「えっとその…これから高坂さんに会いに行くのでちゃんとした服装がいいと思ったのですが男物にはなくて仕方なくベリーさんに貰った女装用でと」
「高坂って昨日会った蓮の弟か?」
「はい…その、蓮さんにはこの事言わないで貰えますか?」
「ああ…分かってる、蓮にはベリーさんの所にでも出かけたと伝えておく」
「ありがとうございます…」
そう言うと重々しい表情のままダイニングを出て行き高坂 椿の元へと向かって行った。
雀の鳴き声と共に目を覚ますとふと昨晩の出来事が脳裏に浮かんだ。
蓮さんから抱き締められた時の感触がまだ残ってる…
大きく強ばった蓮の腕に優しく硝子物のように抱き締められた感触を思い出しふと頬が熱くなった。
それに、蓮さんのあんな顔初めてみた…
今まで見せた事のなかった辛く苦しそうな蓮の顔を思い出し気持ちが沈んでいると、タイミングよく携帯の着信音が鳴った。
プルルル…プルルル…
「誰だろう…?」
携帯画面を見ると見たこともない知らない番号が表示されており不安の中、悩んだ末に着信をオンにし耳に当てる。
「も、もしもし…?」
「昨晩お邪魔した…椿です」
「高坂さん!?」
驚いて声を上げすかさず口を塞ぎ辺りを見渡すと電話越しにいる椿に再度意識を向ける。
「ど、どうして番号知ってるんですか!?」
「ある知り合いにこの手のプロがいてね…それで美嶋さんに電話をかけさせてもらったんだ」
それって逆を言えば犯罪なんじゃ…
考える事が違いすぎる感覚に苦笑いを浮かべていると、椿は本題として話を切り出す。
「実は、今日美嶋さんにうちに見学に来てくれないかと思ってね…」
「見学…?何で俺が?」
「これは父の意向なんだが、兄さんの身近にいる近しい美嶋さんにうちのやっている事を知ってもらえれば兄さんに式典に来る事や絵を表に出す事を説得して貰えるのではと思ってね…」
「それは蓮さんのために俺を利用するという事ですか…?」
「裏を返せばそう言う事になるだろうね」
「お言葉ですが俺が蓮さんのお父さん方がしている事を知ったとしても蓮さんに説得する事は出来ません…したとしても決めるのは蓮さん本人です」
「それはこちらとしても承知の上だ…美嶋さんは単なる保険に過ぎないからね」
「保険…?」
「単なる種にすぎないという事だよ」
椿の言っている意味がよく分からず首を捻りつつもこの事が一か八かの賭けである事は分かった。
「分かりました…行きます」
「よかった…じゃあ、午前十時に家付近の交差点で待っているよ。目印は赤いポルシェだと思ってくれれば分かると思うから…」
「はい、分かりました…」
着信が切れ時計を見ると既に九時を回っており慌てて飛び起き支度を始めた。
*
ドタバタバタバタッ…
二階で慌ただしく聞こえる音にダイニングにて朝食を作っていた隆二は天井を見上げた。
「慌ただしな…何かあったのか?」
するとタイミングよく階段を駆け下りる音が聞こえダイニングのドアを開けた星那の姿があった。
「せな?何で女装してるんだ?」
星那の服装はいつもの男装しているTシャツと短パンではなく地毛と思われる黒く艶やかな長い髪にグレーのベレー帽を被り茶色のチェックのワンピースに赤いミニサイズの鞄を肩から掛け赤い口紅を基調としたメイクをしていた。
女装というかこれが素の星那なんだろうが…急にどうして?
ほとんど見れない女性の姿に見惚れつつも首を傾げる。
「えっとその…これから高坂さんに会いに行くのでちゃんとした服装がいいと思ったのですが男物にはなくて仕方なくベリーさんに貰った女装用でと」
「高坂って昨日会った蓮の弟か?」
「はい…その、蓮さんにはこの事言わないで貰えますか?」
「ああ…分かってる、蓮にはベリーさんの所にでも出かけたと伝えておく」
「ありがとうございます…」
そう言うと重々しい表情のままダイニングを出て行き高坂 椿の元へと向かって行った。
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