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1章 ホラント村の農家の幼女
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「ちょっと~まちなさいよぉ~」
スヒァー自体を押しても引いても効果が無いことがわかった私は、彼らの前に回りこんで、麻袋を押さえ込もうとする。
麻袋の大きさはちょうど私と同じくらいの大きさ。横幅はかなり私の負けだけど、両手を使えば、抱きしめられるサイズだ。
「こうなったら、こうだからねぇ!」
なんか言葉遣いも幼児っぽい。心が体に引っ張られるというのはあるのかもしれない。元の世界にいた本当の私は、冷たくて人の感情が判らない変な子として扱われていた。友達は登美子だけで、あとは受動的に無視されていたような気がする。もしあの頃に、こんな言葉を言ったら、一瞬教室が静まりかえって、その後に登美子が爆笑、それに釣られてみなが爆笑する、微笑ましい瞬間が訪れたかもしれない。
でも、それはもう遠い場所の話だ。
寝て、起きたら元の場所って期待もなくは無いけど、そんな簡単な事じゃないとは思っている。
「でえい!」
スヒァー達が引っ張る麻袋にダイブする。ちょっと痛いけど、しっかり目測を過たず私は全身で麻袋をゲットしていた。すぐに両手両足で麻袋をがっちりホールドすると、いままでそれを運んでいたスヒァー達は迷惑そうに一回袋から離れる。でも餌の魅力には敵わないようで、麻袋を見捨ててどこかに行ったりはしない。
「むーむー」
スヒァー四匹の中から、きれいなマーブル模様を背中に纏った一匹が前に出てくる。たぶん四匹の中のリーダーだ。
「なによ!そんなムームーなんて可愛い鳴き声で威嚇のつもり?こっちだって食べ物がかかっているのよ、簡単に逃がすわけにはいかないわ」
よく見れば他の三匹よりマーブル模様のスヒァーは体が大きい気がする。めつきもどことなく厳しい。
でも、モンスターの様ではなく、あくまでも羊としては、だ。
だからちょびっとだけ怖いけど、逃げ出してしまうほどではない。なにより彼らを逃がすわけにはいかないんだ。
「むーむーむー」
先ほどよりも低く、苛立ちが含まれた鳴き声。それでも相変わらずその鳴き声はむーむーとしか聞こえず、私はビビらずにマーブル模様のスヒァーを睨み返す。
「なによっ、餌は私があげるんだからね、貴方達はさっさと柵に戻りなさい」
うつぶせの状態で、両手両足全部を使って麻袋を抱える私に、三匹のスヒァーは戸惑い、くるくると周囲を回り始まる。
リーダー格のマーブル模様のスヒァーは私の正面に立って、まだむーむー言ってる。
昔みた漫画では、こんな時は先に仕掛けた方が負けるとか言っていたけど、本当かな?
正直に言うと、今マーブル模様のスヒァーが突進してきたら、簡単につぶされちゃうのは私なんだけど・・・。
睨みあうこと数十秒。
ついに、その時はやってきた。
不機嫌に鳴き声をあげて、私を威嚇してきていたマーブル模様のスヒァーのリーダーは、私が一向に餌の入った麻袋からどかないことを悟ると、前足で地面をカリカリ、突進の準備動作に入った。さすがに私だってこの動作を見れば次に突進が来ると言うのは判る。映画で見た闘牛のシーンにそっくりだったからだ。
突進が来ることは判った。でも腹ばいの様な状態から私が出来る事は少ない。
でも、あの体重がかかった蹄が、すきっ腹のお腹を踏んできたら、とても痛いな~だけですむかどうか・・・。
「どどどど、どうしよう・・・」
良く異世界物語では戦いの描写もあったけど、ほとんどの転生者は棚ぼた的なスキルとか魔法で華麗に対処していた。
でも、私には何のスキルも無い。だれも私にそんな便利な物をくれなかった。敢えて言えば貰ったのはどうしようもない空腹感だけだ。こればかりは元の世界と大きく違う。
そんな混乱した私に対して、ついにスヒァーの突進が開始された。
「ひぁあっ」
運動神経がそんなに良くない私だったが、追い詰められたら最低限は動いてくれるらしい。直線的なスヒァーの突進に対して、私はそのままの姿勢で横に転がった・腹の下に重い麻袋を抱えていたのに、よくも出来たと思うけど、火事場の馬鹿力だと思う。
温和そうなスヒァーの蹄でも、迫ってくれば怖い。当たりまえじゃない、元の世界で私はこのスヒァー以上に温和だったんだから。
「むーむーむ」
うつぶせの状態から私は麻袋を抱えた姿勢のまま仰向け状態に。ずっしりとすきっ腹に麻袋が重い。
対してマーブル模様のスヒァーは、走り抜けた先でこちらに方向転換している。
あのもこもこした体が邪魔をして、小回りは効かないみたいだ。
「でも、ちょっとこれ、私も動けない・・・」
さっきはは火事場の馬鹿力で麻袋ごと回転したけど、今は力を入れても、うんともすんとも動けない。麻袋の下で潰れた蛙みたいになっている。
これで、またスヒァーが突進してきたら、今度こそ・・・。
「むーむ~」
「ひゃぁ~、誰か助けてよ~」
この世界に来て半日程度。元の世界に居た時には信じられない位の経験をした。
初めての餓え。草の味、睡眠成分のある根っこを食べて昏睡。そんでスヒァーとの決闘?
馬鹿の坂口に教えてやりたい、異世界はあんた程度が行った所で、生きていくだけで精一杯だぞって。
泣きたくないのに、涙が出てくる。
「くそぅっこんなんで泣いていられるか~」
火事場の馬鹿力パート2を期待して、全身の筋肉にスタートの合図を出す。
疲れきっているだろうし、元々少ない筋肉しか持ち合わせていないハルの体だけど、それでも、体は心の声を聞いてくれた。
少し離れた所から、突進を始めるスヒァー。
私はすばやく麻袋から抜け出し、すっと立ち上がると、麻袋を両手で頭の上に掲げるように持つ。馬鹿力パート2の発動だ。
バンザイの格好、手の上には麻袋。重さでふらふら体が揺れるけれど、この麻袋をスヒァーにぶつけちゃる!
「ええ~い」
「むー」
私の心の中では、精根尽きた互いの最後の必殺の技がぶつかる瞬間だった・・・、んだけど。
「何してるのハル?スヒァーと遊んでていいの?もうこんな時間だよ?」
暗がりから出てきた少年には、遊んでいるようにしか見えていなかった・・・。
「ユ、ユト、じゃなかった、ユルヘンくん?」
「なんだよクンって気持ち悪いなぁ、いつもユルヘン!って言ってたじゃないか?幼馴染なんだからさ」
「ユルヘン~」
数時間前に柵の中で一杯のスヒァーの世話をしていたユルヘン。見た目は私と変わらず小さくて細いのに、何故かすごく足が速くてビックリしたのを覚えている。
そんなユルヘンがいかにも平和そうな微笑と共に現れて、マーブル模様のスヒァーを片手で宥めている所を見たら、それまで我慢していた涙がぶわっと溢れてしまった。
「お、おい~大丈夫かいハル、やっぱり僕が手伝った方が良かったね、はいはい、落ちついて、これでも食べて」
食べてという言葉に現金にも、私の体は即座に反応してしまった。瞳にあふれていた涙は姿を消し、曲がりなりにも男の子を目の前にして、盛大に腹からゴゴゴーという音を響かせてしまう。
これで出てきたのが虫っぽい何かだったらどうしよう?と頭の隅で考えるが、本能は何でも口に入れられるなら是だ!と言っている。
「はい、干し豆と、これは取って置きの干し肉だよ」
ユルヘンの右手には緑色っぽい干した豆が数十粒、左手には赤茶色の干し肉の姿。思わずユルヘンと干し肉とに交互に感謝の祈りを捧げてしまいたくなる。祈り・・・知らないけど。
「ユルヘン、いいの?」
駄目だと言われても、手ごと噛み付きそうな気持ちを抑えて、なんとか人としての礼儀を守ろうと努力する私。やっぱりね、そこはさ、乙女の最後の一線よね。
「え、ハル、いつもそんな事聞かずに食べるじゃない、たまに僕の指まで噛んじゃったり・・・」
あはは~、この体の元の持ち主ハルちゃん、彼女に乙女のたしなみはなかった~。
まっまぁ、そうよね、だってまだ幼女だもん、ハルちゃんは。
「それって、いいよってことだよねユルヘン」
「あっああ、もちろんだよ今回は珍しく干し肉があったからハルは戸惑ったのかな?いいよ、お互いに大変な時は助け合うって約束したじゃないか」
「ありがとう、ユルヘン」
なんか、感動的な事をユルヘンが言っているのは判るんだけど、それに反応するほどの余裕は私にはなかった。
即座に、彼の両手にある食べ物に噛み付いていたからだ。一応、指とかは噛まないように注意しながらね。
スヒァー自体を押しても引いても効果が無いことがわかった私は、彼らの前に回りこんで、麻袋を押さえ込もうとする。
麻袋の大きさはちょうど私と同じくらいの大きさ。横幅はかなり私の負けだけど、両手を使えば、抱きしめられるサイズだ。
「こうなったら、こうだからねぇ!」
なんか言葉遣いも幼児っぽい。心が体に引っ張られるというのはあるのかもしれない。元の世界にいた本当の私は、冷たくて人の感情が判らない変な子として扱われていた。友達は登美子だけで、あとは受動的に無視されていたような気がする。もしあの頃に、こんな言葉を言ったら、一瞬教室が静まりかえって、その後に登美子が爆笑、それに釣られてみなが爆笑する、微笑ましい瞬間が訪れたかもしれない。
でも、それはもう遠い場所の話だ。
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「むーむー」
スヒァー四匹の中から、きれいなマーブル模様を背中に纏った一匹が前に出てくる。たぶん四匹の中のリーダーだ。
「なによ!そんなムームーなんて可愛い鳴き声で威嚇のつもり?こっちだって食べ物がかかっているのよ、簡単に逃がすわけにはいかないわ」
よく見れば他の三匹よりマーブル模様のスヒァーは体が大きい気がする。めつきもどことなく厳しい。
でも、モンスターの様ではなく、あくまでも羊としては、だ。
だからちょびっとだけ怖いけど、逃げ出してしまうほどではない。なにより彼らを逃がすわけにはいかないんだ。
「むーむーむー」
先ほどよりも低く、苛立ちが含まれた鳴き声。それでも相変わらずその鳴き声はむーむーとしか聞こえず、私はビビらずにマーブル模様のスヒァーを睨み返す。
「なによっ、餌は私があげるんだからね、貴方達はさっさと柵に戻りなさい」
うつぶせの状態で、両手両足全部を使って麻袋を抱える私に、三匹のスヒァーは戸惑い、くるくると周囲を回り始まる。
リーダー格のマーブル模様のスヒァーは私の正面に立って、まだむーむー言ってる。
昔みた漫画では、こんな時は先に仕掛けた方が負けるとか言っていたけど、本当かな?
正直に言うと、今マーブル模様のスヒァーが突進してきたら、簡単につぶされちゃうのは私なんだけど・・・。
睨みあうこと数十秒。
ついに、その時はやってきた。
不機嫌に鳴き声をあげて、私を威嚇してきていたマーブル模様のスヒァーのリーダーは、私が一向に餌の入った麻袋からどかないことを悟ると、前足で地面をカリカリ、突進の準備動作に入った。さすがに私だってこの動作を見れば次に突進が来ると言うのは判る。映画で見た闘牛のシーンにそっくりだったからだ。
突進が来ることは判った。でも腹ばいの様な状態から私が出来る事は少ない。
でも、あの体重がかかった蹄が、すきっ腹のお腹を踏んできたら、とても痛いな~だけですむかどうか・・・。
「どどどど、どうしよう・・・」
良く異世界物語では戦いの描写もあったけど、ほとんどの転生者は棚ぼた的なスキルとか魔法で華麗に対処していた。
でも、私には何のスキルも無い。だれも私にそんな便利な物をくれなかった。敢えて言えば貰ったのはどうしようもない空腹感だけだ。こればかりは元の世界と大きく違う。
そんな混乱した私に対して、ついにスヒァーの突進が開始された。
「ひぁあっ」
運動神経がそんなに良くない私だったが、追い詰められたら最低限は動いてくれるらしい。直線的なスヒァーの突進に対して、私はそのままの姿勢で横に転がった・腹の下に重い麻袋を抱えていたのに、よくも出来たと思うけど、火事場の馬鹿力だと思う。
温和そうなスヒァーの蹄でも、迫ってくれば怖い。当たりまえじゃない、元の世界で私はこのスヒァー以上に温和だったんだから。
「むーむーむ」
うつぶせの状態から私は麻袋を抱えた姿勢のまま仰向け状態に。ずっしりとすきっ腹に麻袋が重い。
対してマーブル模様のスヒァーは、走り抜けた先でこちらに方向転換している。
あのもこもこした体が邪魔をして、小回りは効かないみたいだ。
「でも、ちょっとこれ、私も動けない・・・」
さっきはは火事場の馬鹿力で麻袋ごと回転したけど、今は力を入れても、うんともすんとも動けない。麻袋の下で潰れた蛙みたいになっている。
これで、またスヒァーが突進してきたら、今度こそ・・・。
「むーむ~」
「ひゃぁ~、誰か助けてよ~」
この世界に来て半日程度。元の世界に居た時には信じられない位の経験をした。
初めての餓え。草の味、睡眠成分のある根っこを食べて昏睡。そんでスヒァーとの決闘?
馬鹿の坂口に教えてやりたい、異世界はあんた程度が行った所で、生きていくだけで精一杯だぞって。
泣きたくないのに、涙が出てくる。
「くそぅっこんなんで泣いていられるか~」
火事場の馬鹿力パート2を期待して、全身の筋肉にスタートの合図を出す。
疲れきっているだろうし、元々少ない筋肉しか持ち合わせていないハルの体だけど、それでも、体は心の声を聞いてくれた。
少し離れた所から、突進を始めるスヒァー。
私はすばやく麻袋から抜け出し、すっと立ち上がると、麻袋を両手で頭の上に掲げるように持つ。馬鹿力パート2の発動だ。
バンザイの格好、手の上には麻袋。重さでふらふら体が揺れるけれど、この麻袋をスヒァーにぶつけちゃる!
「ええ~い」
「むー」
私の心の中では、精根尽きた互いの最後の必殺の技がぶつかる瞬間だった・・・、んだけど。
「何してるのハル?スヒァーと遊んでていいの?もうこんな時間だよ?」
暗がりから出てきた少年には、遊んでいるようにしか見えていなかった・・・。
「ユ、ユト、じゃなかった、ユルヘンくん?」
「なんだよクンって気持ち悪いなぁ、いつもユルヘン!って言ってたじゃないか?幼馴染なんだからさ」
「ユルヘン~」
数時間前に柵の中で一杯のスヒァーの世話をしていたユルヘン。見た目は私と変わらず小さくて細いのに、何故かすごく足が速くてビックリしたのを覚えている。
そんなユルヘンがいかにも平和そうな微笑と共に現れて、マーブル模様のスヒァーを片手で宥めている所を見たら、それまで我慢していた涙がぶわっと溢れてしまった。
「お、おい~大丈夫かいハル、やっぱり僕が手伝った方が良かったね、はいはい、落ちついて、これでも食べて」
食べてという言葉に現金にも、私の体は即座に反応してしまった。瞳にあふれていた涙は姿を消し、曲がりなりにも男の子を目の前にして、盛大に腹からゴゴゴーという音を響かせてしまう。
これで出てきたのが虫っぽい何かだったらどうしよう?と頭の隅で考えるが、本能は何でも口に入れられるなら是だ!と言っている。
「はい、干し豆と、これは取って置きの干し肉だよ」
ユルヘンの右手には緑色っぽい干した豆が数十粒、左手には赤茶色の干し肉の姿。思わずユルヘンと干し肉とに交互に感謝の祈りを捧げてしまいたくなる。祈り・・・知らないけど。
「ユルヘン、いいの?」
駄目だと言われても、手ごと噛み付きそうな気持ちを抑えて、なんとか人としての礼儀を守ろうと努力する私。やっぱりね、そこはさ、乙女の最後の一線よね。
「え、ハル、いつもそんな事聞かずに食べるじゃない、たまに僕の指まで噛んじゃったり・・・」
あはは~、この体の元の持ち主ハルちゃん、彼女に乙女のたしなみはなかった~。
まっまぁ、そうよね、だってまだ幼女だもん、ハルちゃんは。
「それって、いいよってことだよねユルヘン」
「あっああ、もちろんだよ今回は珍しく干し肉があったからハルは戸惑ったのかな?いいよ、お互いに大変な時は助け合うって約束したじゃないか」
「ありがとう、ユルヘン」
なんか、感動的な事をユルヘンが言っているのは判るんだけど、それに反応するほどの余裕は私にはなかった。
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