23 / 34
7章 決戦前夜のモブ幼女
7-1
しおりを挟む
その日、ウイルズ・アインのロキュウスは、家族とともにいつもの草原の中に飛び出たような岩の上で、陽の光を浴びてのんびりとしていた。
雑食であるウイルズ・アインはその大きな体を維持するために起きている時間の半分は食事に当てる必要があるのだが、ロキュウスが寝そべる岩の周囲は彼らにとって栄養価の高い草ばかりであるため、この様な贅沢が許されている。
もちろん、同族の中にこの岩やその周囲の餌場を狙う者も多いが、そのすべてに対してロキュウスは勝利し、この場所を十年以上守り続けている。そのおかげで家族も増え、今では二匹の妻、十七匹の子供に恵まれ、いっぱしの群れの長となっている。
草原は平和で、ほかの種族が攻めてくる事も、ウイルズ・アインがどこかの土地を奪うような争いもなく、悲劇とは程遠い生活にロキュウスはこの時までは大変に満足していた。このまま子供たちが大きくなり、さらなる大きな群れとなっていくのを後ろから見守っていけるようになればいいなというのが、彼の願いであった。
しかしその願いは簡単に崩されてしまう。
きっかけは草原の端からかろうじて見える二速歩行の道具使いの町から上がる黒い煙だった。
その煙は風にのって草原まで届き、その何分の一かに降り注いだが、それでも草原中央のロキュウスの群れはまだ何もなく、安全だった。
異変がロキュウスの群れに届いたのは、町に黒い煙が上がって三日後。
草原の端にいた群れの幾つかが暴走を起こし、草原中央部に突進し始めたのだ。
彼らは半狂乱状態で、迎え撃つ数個の群れを駆逐し、取り込み、更なる大きな群れへと成長していった。
放置すれば確実に右舷中央部や、町とは反対方向にある群れも飲み込まれてしまうだろう。
ロキュウスと周辺の群れは簡単な協議を行い、二つの方法をとることにした。一つは暴走した群れを迎い撃つこと。一つは子供たちを草原を抜けた先に逃がす事だ。ロキュウスは周辺の群れから強者と認識されていたので、迎え撃つ側の代表として、八十の屈強なオスのウイルズ・アインを従え、残りの千近いウイルズ・アインを草原の先、森へと逃がす事にした・
ロキュウスが暴走した同族の群れを迎え撃つべく、いつもは寝そべってゆったりと時を過ごしていた岩の登る。
遥かな先には突進してくる相手があげる土煙は砂嵐の様に舞い上がり、恐怖で体がすくみそうになるが、それでも歴戦の勇者としてこの場にいるロキュウスは逃げる事など出来るわけもなく、正面をにらみつけながら、集った仲間たちに意識をつなぐ。一般には知られていないが、ウイルズ・アインは極短時間であれば同族に限り、意識を繋ぎ、その考えを他者に伝達することが出来る。同族だけの秘伝で、これが出来ないと同じ腹から生まれた子供でさえ、異物として排除してしまう。
―同族の突進を迎え撃つ勇者たち、我々の背後には愛すべき子供や妻がいる、仕方なくこの場にいる者は早々に背後に引き、妻たちを守る者となるように、それでも蹄を立て、暴走する者どもに鉄槌を加えようとするのであれば、我に続け、時を稼ぎ、やつらの牙から妻や子供を守るのだー
ロキュウスの意思に、賛同する意思が答えてくる。怯えがないわけではない、だがこの場に集う同族の者たちは誰も逃げることはせず、蹄で大地を掻き、戦意を高めている。
-よろしい、では指揮に従うように、いざ突撃!-
ロキュウスの意思に従い、第一弾の四十のウイルズ・アインが矢の様な隊形で敵に向かう。
-次っ!-
残りの半分の四十が二十づつの群れになり、左右に割れて突進してくる相手の側面に向かう。数が同数であれば正面が持ちこたえている間に、側面から攻撃を加えれば簡単に勝敗がつく。ある程度の知恵があるウイルズ・アインの群れだが、暴走している相手側は何も考えず、数と速度で圧倒する様な動きだ。
-敵の数は多いが、その中にはメスも子供混じっている、力は互角だー
ロキュウスは岩の上四つ足で雄雄しく立ち、第一弾の四十が敵の先頭にぶつかる寸前に左右に分かれるのが見えた。先頭の四十は二十づつに分かれて、側面を走る仲間に合流する。
-よしっ、いまだー
左右に割れた正面を走っていた群れは、それぞれが縄を引いている。ピンと張った縄が突進する敵の正面へと接触する。
オォォォン。
すさまじい鳴き声よ同時に、暴走していた相手の先頭が転倒し、そのすぐ背後を走る仲間を巻き込み大混乱に陥った。
先頭が停滞することにより、暴走していた敵の動きが遅くなる。作戦もなく速度と数のみに頼った敵は一気に弱体化する。
-かかれっー
左右に分かれていた仲間のウイルズ・アインたちが混乱している相手の左右から一気に突進していく。数は少ないが、一騎当千の仲間だ。すぐに敵の側面に突進、触れる相手を跳ね上げているのがわかる。
これで終わった。と、そう思ったロキュウスだったが、戦場の様子は一向にロキュウス側の勝利に終わらない。体勢は完全にロキュウス側に有利なのだが、敵の戦意は挫けていない。普通ここまでしっかりと勝敗が明らかな状況になれば、負けを悟って逃げるなりするのに、その気配がない。
-なぜだ?―
あがる土煙の向こう、めをこらしてロキュウスはその理由に気づいた。
ロキュウス側の一匹が二匹の敵を突き飛ばすと、その三倍のウイルズ・アインが周りを取り囲み、牙も角も使わずに、体ごとぶつかり圧死させていた。
一匹、また一匹とそうやってロキュウス側のウイルズ・アインが討ち取られている。相手の被害の方が多いのは見てすぐにわかるが、それでも総数が違う。こちらのウイルズ・アインのすべてが討ち取られても相手には半分の数が残る。
-皆、引けっ撤退だー
ロキュウスはいざという時の為に考えていた退路に味方を逃がすと、最後に自分も撤退することにした。
だが、逃げる味方を追おうとしていた敵も含めて、ロキュウスが動くと百匹くらいが対応して動き、彼の退路をふさいでしまった。
自分が身代わりになることで、残りの味方を逃すことができたと思えば安いものか・・・。
撤退することを諦めて、岩の上に端座するロキュウス。周囲は全て敵の状態で、真っ黒なじゅうたんを敷いたように見える。
しかし、至近で見るとこいつら、本当に同族なのか?
毛は泥や返り血でじっとりとしていて、触ればパキパキと音が出そうな位に汚らしく見える。体つきは総じて大きく、目は血走り、およそ理性というものが感じられない。一言で言って狂っているとしか見えない。
あれはっ!
視界の隅、あれは先ほど激突があった場所か?何か集団が群がっているのが見える。そこでは討ち取った仲間を八つ裂きにして貪り食う敵の姿があった。
雑食なので、食べて腹を壊すということもないが、ロキュウスが生きてきた今までで、同族を食う等見るのも聞くのも初めてだ。
われ等も、これまでか・・・。
あまりに衝撃的な場面を見て、自身の種族の終わりを感じたロキュウスが単騎で敵に突進し、十匹以上に傷を与えた後、先達と同じように、相手の腹の中に収まり、消化されてしまったのは、しばらく後の事だった。
雑食であるウイルズ・アインはその大きな体を維持するために起きている時間の半分は食事に当てる必要があるのだが、ロキュウスが寝そべる岩の周囲は彼らにとって栄養価の高い草ばかりであるため、この様な贅沢が許されている。
もちろん、同族の中にこの岩やその周囲の餌場を狙う者も多いが、そのすべてに対してロキュウスは勝利し、この場所を十年以上守り続けている。そのおかげで家族も増え、今では二匹の妻、十七匹の子供に恵まれ、いっぱしの群れの長となっている。
草原は平和で、ほかの種族が攻めてくる事も、ウイルズ・アインがどこかの土地を奪うような争いもなく、悲劇とは程遠い生活にロキュウスはこの時までは大変に満足していた。このまま子供たちが大きくなり、さらなる大きな群れとなっていくのを後ろから見守っていけるようになればいいなというのが、彼の願いであった。
しかしその願いは簡単に崩されてしまう。
きっかけは草原の端からかろうじて見える二速歩行の道具使いの町から上がる黒い煙だった。
その煙は風にのって草原まで届き、その何分の一かに降り注いだが、それでも草原中央のロキュウスの群れはまだ何もなく、安全だった。
異変がロキュウスの群れに届いたのは、町に黒い煙が上がって三日後。
草原の端にいた群れの幾つかが暴走を起こし、草原中央部に突進し始めたのだ。
彼らは半狂乱状態で、迎え撃つ数個の群れを駆逐し、取り込み、更なる大きな群れへと成長していった。
放置すれば確実に右舷中央部や、町とは反対方向にある群れも飲み込まれてしまうだろう。
ロキュウスと周辺の群れは簡単な協議を行い、二つの方法をとることにした。一つは暴走した群れを迎い撃つこと。一つは子供たちを草原を抜けた先に逃がす事だ。ロキュウスは周辺の群れから強者と認識されていたので、迎え撃つ側の代表として、八十の屈強なオスのウイルズ・アインを従え、残りの千近いウイルズ・アインを草原の先、森へと逃がす事にした・
ロキュウスが暴走した同族の群れを迎え撃つべく、いつもは寝そべってゆったりと時を過ごしていた岩の登る。
遥かな先には突進してくる相手があげる土煙は砂嵐の様に舞い上がり、恐怖で体がすくみそうになるが、それでも歴戦の勇者としてこの場にいるロキュウスは逃げる事など出来るわけもなく、正面をにらみつけながら、集った仲間たちに意識をつなぐ。一般には知られていないが、ウイルズ・アインは極短時間であれば同族に限り、意識を繋ぎ、その考えを他者に伝達することが出来る。同族だけの秘伝で、これが出来ないと同じ腹から生まれた子供でさえ、異物として排除してしまう。
―同族の突進を迎え撃つ勇者たち、我々の背後には愛すべき子供や妻がいる、仕方なくこの場にいる者は早々に背後に引き、妻たちを守る者となるように、それでも蹄を立て、暴走する者どもに鉄槌を加えようとするのであれば、我に続け、時を稼ぎ、やつらの牙から妻や子供を守るのだー
ロキュウスの意思に、賛同する意思が答えてくる。怯えがないわけではない、だがこの場に集う同族の者たちは誰も逃げることはせず、蹄で大地を掻き、戦意を高めている。
-よろしい、では指揮に従うように、いざ突撃!-
ロキュウスの意思に従い、第一弾の四十のウイルズ・アインが矢の様な隊形で敵に向かう。
-次っ!-
残りの半分の四十が二十づつの群れになり、左右に割れて突進してくる相手の側面に向かう。数が同数であれば正面が持ちこたえている間に、側面から攻撃を加えれば簡単に勝敗がつく。ある程度の知恵があるウイルズ・アインの群れだが、暴走している相手側は何も考えず、数と速度で圧倒する様な動きだ。
-敵の数は多いが、その中にはメスも子供混じっている、力は互角だー
ロキュウスは岩の上四つ足で雄雄しく立ち、第一弾の四十が敵の先頭にぶつかる寸前に左右に分かれるのが見えた。先頭の四十は二十づつに分かれて、側面を走る仲間に合流する。
-よしっ、いまだー
左右に割れた正面を走っていた群れは、それぞれが縄を引いている。ピンと張った縄が突進する敵の正面へと接触する。
オォォォン。
すさまじい鳴き声よ同時に、暴走していた相手の先頭が転倒し、そのすぐ背後を走る仲間を巻き込み大混乱に陥った。
先頭が停滞することにより、暴走していた敵の動きが遅くなる。作戦もなく速度と数のみに頼った敵は一気に弱体化する。
-かかれっー
左右に分かれていた仲間のウイルズ・アインたちが混乱している相手の左右から一気に突進していく。数は少ないが、一騎当千の仲間だ。すぐに敵の側面に突進、触れる相手を跳ね上げているのがわかる。
これで終わった。と、そう思ったロキュウスだったが、戦場の様子は一向にロキュウス側の勝利に終わらない。体勢は完全にロキュウス側に有利なのだが、敵の戦意は挫けていない。普通ここまでしっかりと勝敗が明らかな状況になれば、負けを悟って逃げるなりするのに、その気配がない。
-なぜだ?―
あがる土煙の向こう、めをこらしてロキュウスはその理由に気づいた。
ロキュウス側の一匹が二匹の敵を突き飛ばすと、その三倍のウイルズ・アインが周りを取り囲み、牙も角も使わずに、体ごとぶつかり圧死させていた。
一匹、また一匹とそうやってロキュウス側のウイルズ・アインが討ち取られている。相手の被害の方が多いのは見てすぐにわかるが、それでも総数が違う。こちらのウイルズ・アインのすべてが討ち取られても相手には半分の数が残る。
-皆、引けっ撤退だー
ロキュウスはいざという時の為に考えていた退路に味方を逃がすと、最後に自分も撤退することにした。
だが、逃げる味方を追おうとしていた敵も含めて、ロキュウスが動くと百匹くらいが対応して動き、彼の退路をふさいでしまった。
自分が身代わりになることで、残りの味方を逃すことができたと思えば安いものか・・・。
撤退することを諦めて、岩の上に端座するロキュウス。周囲は全て敵の状態で、真っ黒なじゅうたんを敷いたように見える。
しかし、至近で見るとこいつら、本当に同族なのか?
毛は泥や返り血でじっとりとしていて、触ればパキパキと音が出そうな位に汚らしく見える。体つきは総じて大きく、目は血走り、およそ理性というものが感じられない。一言で言って狂っているとしか見えない。
あれはっ!
視界の隅、あれは先ほど激突があった場所か?何か集団が群がっているのが見える。そこでは討ち取った仲間を八つ裂きにして貪り食う敵の姿があった。
雑食なので、食べて腹を壊すということもないが、ロキュウスが生きてきた今までで、同族を食う等見るのも聞くのも初めてだ。
われ等も、これまでか・・・。
あまりに衝撃的な場面を見て、自身の種族の終わりを感じたロキュウスが単騎で敵に突進し、十匹以上に傷を与えた後、先達と同じように、相手の腹の中に収まり、消化されてしまったのは、しばらく後の事だった。
0
あなたにおすすめの小説
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる