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アフター・アフター・レイン・トーク
アフター・アフター・レイン・トーク<CLXXXIX>
しおりを挟む「キスしたくなっちゃった?♡♡」
彼は膝をつき、少し身体を起こした。
「……いつもしたいよ?♡ 君といるときは……」
近付いた顔からも、まっすぐ射抜く瞳からも、逃げずに答えた。
「好き?♡♡」
満足げに細められた目尻の先には天然の跳ね上げラインができていて、笑い皺さえも味方につけてしまうひとがこの世に存在していることをはじめて知った。
「好き……♡♡」
「よく言えました♡」
ちゅっ、と音を立てて重なった唇は、名残惜しそうにゆっくりゆっくり離れていった。
「…………しばらくのあいだ、このかわいい唇が寂しくなっちゃうかもしれないけど、きみの大事なところ舐めさせてくれる?♡♡ できれば、舐めるだけじゃなくて……♡ そこから出てるお汁も啜りたいなぁと思ってるんだけど……♡♡」
(啜る…………!? わたしから出てくるのが、彼の綺麗な指に付いて汚しちゃうのも申し訳ないと思ってるのに……! ……というか、『出てる』って……)
下着のなかの様子を透視したかのような物言いに疑問を抱いて、ふと気付く。
(…………腰浮かせてればよかったのに、完全に乗っけちゃってた……♡♡ 触られてないのに、すごいことになっちゃってるの、彼にはもうわかっちゃってるってことだよね……?♡♡)
彼の腹部には、下着のちょうど湿った部分が接地している。
色の変わり具合で懸念どおりのことが起きているかどうか確かめることはおろか、いまさら腰を浮かせて彼に下着のなかの状態がばれないように取り繕うこともできない。
「ダメ……かな?♡♡」
なにも言えないでいるわたしに、彼が再度問いかけてきた。
「でも、そんなところ……汚いよ……?♡」
「お風呂入ってきたのに汚いの?♡♡」
「え……♡ どうしてお風呂入ってきたって知ってるの……?♡ わたし、君に言ったっけ?」
「言われてはないけど、シャンプーの匂いでわかるよ♡♡ 絶対朝入ってきてるよね?♡ 夜入って、ここまでしっかり匂い残ることないと思うし♡」
髪をひと房掬った彼は、瞼を閉じて香りを確かめ、戻す前にキスを落としていった。
「君の言ったとおり、朝起きて、すぐ沸かして入ってきたけど…………♡♡ でも、お風呂のあと、何回かお手洗い行っちゃってるし……♡ トイレットペーパーじゃ、全部の汚れ拭き取れてないよね……?」
「なるほどね。…………じゃあ、発想の転換をしてみようか?♡ きみは俺のコレを『舐めたい』って思ったことない?♡」
彼は先ほどまでしていたようにわたしの手を握り、股間まで導いた。
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