三千世界の鴉なんて殺さなくても、我々は朝を迎えられる

片喰 一歌

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DESTINY CHAIN

DESTINY CHAIN<XX>

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「…………あ。ごめん、言ったそばからあれなんだけど……ちょっとだけ待ってもらっていいかな?」

「うん?」
 
「なにかあったら…………というか、きみがかわいすぎて俺が暴走しちゃったら困るから、これ先に着けておくね」

 すぐに包み込んでもらえると思っていたけれど、彼は小さな袋から避妊具を取り出した。
 
(なんにも言ってなくても、着けてくれるひとなんだ……♡♡ というか、着けるってことは……最後までしちゃう…………ってこと……だよね?♡)

 わたしはいちばん奥まで届くという彼のモノを直視する勇気がなくて、俯いて影になった目元を見ていた。

「…………よし! これで安心だね。……あ、きみにも確認してもらったほうがいいか。そのほうが安心できると思うし」

「え!?」

「着けてるところ、見てなかったでしょ? ……恥ずかしかったのか、俺に見惚れてたのかはわからないけど。俺のほうでも破れてないかしっかり確認したけど、ダブルチェックは大事じゃない? 破れてたら、被害被るのはきみのほうなんだしさ、しつこいくらい確認してもらって構わないよ。俺は」

 驚いて飛びのきそうになったわたしの手首をきゅっと掴み、彼は真剣に諭してきた。

「そ、そうだね……! 確かに、本当にそう…………!」

「緊張してる? もし見たくなかったら、触って確かめるとかでもいいよ? 俺のほうで、かわいい爪が当たらないように注意しておくし。……本当は、おめめとおてての両方で確かめてもらうのがいちばんいいと思うんだけど、俺もきっちりチェックしたし、あんまり無理強いもしたくないしね」

「待って。触るのは…………もっと恥ずかしい……かも。だから…………いまから、見ます……!」

 宣言して、視線を少しずつ下げていく。

「どうぞ♡♡」

(………………どうしよう。いまからこれが、わたしのなかに挿入はいるの…………!? 元カレの倍くらいあるんじゃないかなぁ……。いちばん奥には絶対届くと思うけど、全部れてあげられないかも……)

 避妊具が破損していないか確認しなくてはならないのだけれど、わたしはかわいい顔に似つかわしくないサイズのソレに釘付けになってしまった。

「大丈夫そう?」

「あ……えっと、うん。ゴム大丈夫そう……」

「『』?」
 
「うん……♡ 君の…………君が言ってたことを疑ってたわけじゃないんだけど、想像してたよりおっきくて、全部挿れてあげられるかなぁ……って……♡♡」

「そういうことか♡ 全部挿れさせてもらえたら嬉しいし、いずれは……とは思ってるけど、きみが気持ちいいと思えるところまでで大丈夫だよ♡♡ 俺はこうやって…………♡♡ 直接、肌と肌で触れ合って、ぎゅーってしてるだけでも十分幸せだから♡」

 及び腰のわたしににじり寄った彼が、長い腕を回してきた。

 抱き寄せる腕に普段ほどのぬくもりはなく、わたしも彼をあたためてあげたいと思った。
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