475 / 489
DESTINY CHAIN
DESTINY CHAIN<XXVII>
しおりを挟む「うーん? …………確かに、少し冷たいね? だけど、それでも俺は、やっぱりきみのほうが心配だなぁ……。男のカラダの一部を除いて、基本的には人間の身体ってあっためておいたほうがいいでしょ。冬限定じゃなくて、オールシーズン。――――で、女の子なんて特に、全身冷やさないほうがいいはずだし…………。なのに、こんなに冷たくなっちゃって…………。きみも、こんなに冷え冷えしてると、落ち着かないんじゃない? ……よければ、俺にあっためさせてもらえないかな?♡♡」
その光景を見ても、なんとも思わなかったのだろうか。
微笑を湛えた彼は、至って紳士的な――――王子様然とした提案をしているように思える。
(あっためるって、どうやって?♡ やっぱり、彼ので塞いでくれたり……?♡♡ 気になるなら訊けばいいだけってわかってるけど、それ以外考えられないことをわざわざ訊くのもなぁ……)
際限なく湧き上がる疑問符を無視して、すぅっと息を吸った。
「……た、確かに、あったかくはなると思うけど……♡ あったかいとか通り越して、熱出ちゃいそう……というか…………♡♡」
「なるほどね?♡ ……でも、いまのきみの身体、たぶんきみが思ってるより全体的に冷えちゃってるから、熱出ちゃうくらいでちょうどいいんじゃないかなって気もするんだけど♡」
肘から下を滑り降りた手には、下心が燻っている気がした。
「そ…………っ、それは……えぇと…………♡♡」
丸め込まれる気配を感じ、身を固くしたけれど、手遅れだということはわかっていた。
わたしにはもう纏うものもないし、彼より回る頭も、彼より優れた力も、はじめから持ち合わせてはいないのだから。
「…………ん?♡ なに?♡ ……あぁ、お口も寒くなっちゃった?♡♡ それなら、俺があっためてあげるね……♡♡」
口をぱくぱくさせていると、ちょうど口を閉じたタイミングで整った唇が重なった。
「…………どう?♡♡ 少しは俺の熱、分けてあげられてるといいんだけど♡♡」
「ここは…………寒い……というか、寂しかっただけだけど…………。でも、嬉しい……♡♡ 君とちゅーするの好き♡♡」
恐ろしささえ感じるほどの美貌が離れたあと、まだぬくもりの残る唇に指で触れた。
「俺も好きだよ♡♡ きみとちゅーするの♡♡ いっぱいしてるのに、ちっとも飽きる気配ないし、もう趣味のひとつって言ってもいいかもってくらい♡ ……でも、ちゅーするのが好きだからこそ、別のスキンシップにも興味あるんだよね……♡♡」
情欲の種火を移された唇は、さらに深い交わりを求めて自ら熱を発していた。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる