三千世界の鴉なんて殺さなくても、我々は朝を迎えられる

片喰 一歌

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DESTINY CHAIN

DESTINY CHAIN<LXVII>

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「あ…………ったね。一箇所だけ……。触ってもらってなくて、キスも……してもらってないところ……♡」

 遠ざかっていた、お尻の冷たい感覚が戻ってくる。

 もちろん、それは変わらずずっとそこにあったはずだけれど、愛の言葉を交わして、何度も何度も口付けを交わしているうちに、忘れ去られてしまっていた。

(わたしがびしょびしょになっちゃってるのも、いろんなところにキスしてもらったからで…………♡)

 『滂沱の涙』なんて表現がしっくりきそうなほどに、そこから透明な蜜が溢れ出しているのは、彼の愛撫に感じてしまったから。

 彼の愛撫から彼の愛情をこれでもかと感じて、歓喜に満ち溢れてしまったから。

「うん♡ 最後のお楽しみに、とっておいたんだ。もしきみが嫌だったり恥ずかしかったりしたら、今日はやめておこうかなって思ってるんだけど…………。俺は全部触らせてほしいし、キスもしたいと思ってるよ。どんな感触で、どんな味がして、どんな反応をするのか。全部知りたい。きみの全身にも、俺のこと覚えてほしい。例外なく気持ちよくしてあげたいし、愛してあげたい……とも思ってる。きみが許してくれるならね」

「…………まだ君にキス……してもらってないところ……なんだけど。朝、お風呂入って洗ってきたけど、洗った意味なくなるくらい、すごいことになっちゃってるよ。トイレはまだ行ってないけど……。わたしは、正直に言えば、綺麗じゃなくなっちゃってると思ってるんだけど、それでも……それでも『キスしたい』って思ってくれる?」

「もちろん。きみのカラダに、汚いところなんてあるはずないと思ってるし♡ …………いや、どうなんだろうな。自分で言ってて、ちょっと自信なくなってきたな。もしかしたら、俺が気付いてないだけで、心のどこかでは『汚い』と思っちゃってるかもしれない。……けど、そのうえで、『汚いところも含めて愛したい』と思ってるのかも♡♡ たぶん、愛ってそういう感情だよね。綺麗じゃないところも、よくないところも全部全部ひっくるめて、『愛しい』って思う気持ち。一部を切り取るんじゃなくて、どんなところも『大切なきみの一部』として大切に想う気持ち。……まぁ、俺がどう思ってるにしてもさ、きみの一番大事で……それから、素直でかわいくて、俺を受け入れてくれるところにキスしたいなと思ってるのは、ほんとだから♡♡ 今日の記憶、全部吹っ飛んじゃいそうなくらい恥ずかしいかもしれないけど、キスさせてくれたら、俺はすごく嬉しいよ……♡ 俺にとって、口はきみに愛を伝えるための器官だから♡♡」

  胸の奥からも、お腹の奥からも、あたたかいものが広がって、染み出して、彼を見つめるふたつの瞳が潤み、彼を受け入れるために開いた花弁からは、またも透明な蜜が滴った。
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