yours-夢の罪過-

片喰 一歌

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恋人遊戯

恋人遊戯<135>

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「うぁ……っ♡♡ そうだけど、急に締めるとか……♡ どんだけ欲求不満だったんだよ、紗世ちゃん♡♡」

 男が乳首への愛撫に反応するのはなんとなく格好が付かない――という変な理由で一度は耐えた情けない声が、いとも容易く引き出された。

(今の女の子みたいな声、本当に俺が? あんな声出しといて余裕ぶるとか必死すぎて笑えるんだけど、紗世ちゃんはシンプルに嬉しいって顔してないか? ……このコのツボ、わかるようでわかんないかんたんそうでむずかしいなあ。本人自覚してないだけで結構Sなんじゃないか……? まあなんでもいいか。さっきの女々しい声にも引いてはないみたいだし、紗世ちゃんの懐の深さに感謝しとこう)
 
 声の主が自分だと認識するや否や、羞恥心が許容量を超えて脳みそが処理落ちした。
 
「やっぱり♡ 人間の身体って急所だらけだけど、男の人はここ攻撃されるとめちゃめちゃ弱いもんね……?♡♡」

 俺の煽りを華麗にスルーした彼女は、尻を揉みながら膣内を段階的に締めた。

「ぅぐ…………っ♡♡」

 早漏の謗りを免れるために一切の動きを止めて耐えていたというのに、小さく柔い手に大殿筋を圧迫されるごとに、性器全体を包まれるごとに、神経回路に直接微弱な電流を流されているような感覚に陥って、常人より遥かに優れているはずの脳みそがますます使い物にならなくなっていく気がした。

(悔しいくらい可愛いな。……好きだよ。誰に仕込まれたんだか知らないけど、憎らしいくらい気持ちいいし)
 
 自分オトコの右手など恋人代わりにするにはやはり無骨すぎたということだろうか。あるいは、恋や愛を侮っていた罰とでもいうのだろうか。

「気持ちいい?♡♡ 千尋くん……♡♡ わたしはすっごく気持ちいいんだけど……♡」

 囁いた彼女が誇張ではなく天使に見えて、目を擦った。

「はは…………っ♡ 俺もめっちゃくちゃ気持ちいいよ……♡ ヨすぎて一瞬天国見えた♡♡」

「ほんと?♡♡ 嬉しい……♡ 我慢しないでいつでもイっていいからね?♡♡」

 彼女は臀部を引き寄せつつ固定した。

「ありがと♡」

「ん……っ♡ でも、私のが先にイっちゃうかも……♡♡」

(紗世ちゃんエロすぎだろ♡♡ やっば…………♡♡)

 マットレスの反動を利用して腰を動かす姿は、天使にしては淫靡すぎた。

「どっちが先とかいいから、そっちこそ我慢しないでイけって♡ 力抜けちゃったら交替すればいいだけなんだから♡♡ ところで――――これって快楽責め的なやつ?♡」 

「んー……。どうだろ?♡ さっきのはちょっと傷付いたから、言ってもらった通りやり返そうと思ってたんだけど、やってるうちに私も気持ちよくなっちゃって……♡♡」
 
「『急所狙うな』が『狙ってくれ』って振りに聞こえた?」

「ううん?♡ 最初からおちんちん狙おうなんて思ってなかったから、そんなに固くならないけいかいしないで?♡ 千尋くんの、私の膣内ナカ挿入はいっちゃってるから出来ないし、蹴ったり抓ったりして痛めつけるより擦ったり突いたりしてもらうほうが好きだもん♡♡」

 今のは、上から覆い被さっているにもかかわらず主導権を預けたままの俺への遠回しなおねだりだろうか。
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