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第三章 美少女と異世界生活
リハビリ
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リハビリを兼ねて少し家の周りを散歩しだすようになる。
何日か歩き回るようになるとミライアが週に一回の村に買い出しから帰ってきた次の日の朝、靴を出してきた。
「クジ様、靴を買ってきましたがいかがでしょうか?」
ブーツ型の靴で試しに履いてみると、ちょうどよい大きさだった。
「お、ミラ、なかなか良いよ」
俺はミライアをミラと呼ぶようになっていた。
「でも、なんで靴?」
「ええ、前から履かれている靴だと石入ってしまわれていたのでしょ?ですからブーツをと思いまして」
気が利く。
確かに砂利道にビジネスシューズは合わない。
砂利が良く入ってしまい歩きにくかった。
「すごいね、サイズも丁度いいよ」
「はい、毎夜見ていましたから」
ん?そんな関係にはなっていないのだけどな?夜な夜な気になって見に来ていたの心配性なのかな?
「ありがとう、これで村にも行けるかな」
「えっ、と、どこかに行かれますか?」
「行く当てはないから旅とは言わないけど村くらいには行けるようにしないとね」
「え、御用があるなら私に申し付けて下されば」
「ははは、そんなにそんなに何でも甘えてはいられないよ、流石にここで一生を過ごすにはミラの迷惑になるでしょ」
「とんでもない、私はクジ様に一生を捧げます」
「うん、気持ちだけでありがとう、ミラも年頃の女の子なんだから俺になんか囚われていないで恋をして結婚してって、うん、ごめん、こういうのってセクハラだよね」
「セクハラって何ですか?すみません言葉わからなくて」
「うん、気にしないで、ただ俺が一人暮らしできるように少しずつ準備をしたいってだけだから」
「あのクジ様、私クジ様に言わなければならないことが、謝らなければならないことがありまして、その~」
「ん?」
ミラの話を聞こうとすると、玄関の戸を叩く音が聞こえた。
ドンドンドン
『クジマサムネ殿はおられるか?』
「はい、今、開けます」
と、ミラが戸を開けると村長の隣にいた人物がそこにいた。
「お~いらしたか、少しようがあってまいりました、村長代理ケンと申します。クジマサムネ様にギルドまで御同行してもらってよいでしょうか?体調も回復してきているとミラから聞いたので」
「村?ギルド?」
「はい、馬車を待たせてありますので」
「えっと、俺、なんか悪いこととかしましたっけ?」
「とんでもございません、そのようなことではないのですが」
「ここに帰ってこれますか?」
「はい、ももちろんにございます」
ずいぶんと丁寧に話すんだなこの人、少し気にはなるが同行してあげよう。
これもリハビリと思って。
「着替えますね」
「あの~クジ様」
ミラは何か大事なことを言いたいのであろうが待たせてあるという馬車に悪いのでミラの話は今夜にしよう。
「ミラ話の続きは今夜でいいかな、ちょっと行ってくるね」
転生したときのビジネススーツに着替え刀をズボンの牛革のベルトに挿し込む。
挿しずらいから帯刀ベルトとか買おう、こないだ貰ったお金はミラに全額預けてあるから新たに引き出せばよいか、服とかも買おう、ここではミラの用意したガウンのような服で過ごしたけど外用が何枚か必要だしな。
「ついでに買い物もしてくるから少し遅くなるかもしれないけど帰ってくるからね」
そう言って俺は家を出た。
ミラの寂しげな表情とどこか青白い表情が気にはなったが、きっと心配しての事なのだろう。
「行ってきます」
馬車は畑の先に待たせてありそれに乗った。
何日か歩き回るようになるとミライアが週に一回の村に買い出しから帰ってきた次の日の朝、靴を出してきた。
「クジ様、靴を買ってきましたがいかがでしょうか?」
ブーツ型の靴で試しに履いてみると、ちょうどよい大きさだった。
「お、ミラ、なかなか良いよ」
俺はミライアをミラと呼ぶようになっていた。
「でも、なんで靴?」
「ええ、前から履かれている靴だと石入ってしまわれていたのでしょ?ですからブーツをと思いまして」
気が利く。
確かに砂利道にビジネスシューズは合わない。
砂利が良く入ってしまい歩きにくかった。
「すごいね、サイズも丁度いいよ」
「はい、毎夜見ていましたから」
ん?そんな関係にはなっていないのだけどな?夜な夜な気になって見に来ていたの心配性なのかな?
「ありがとう、これで村にも行けるかな」
「えっ、と、どこかに行かれますか?」
「行く当てはないから旅とは言わないけど村くらいには行けるようにしないとね」
「え、御用があるなら私に申し付けて下されば」
「ははは、そんなにそんなに何でも甘えてはいられないよ、流石にここで一生を過ごすにはミラの迷惑になるでしょ」
「とんでもない、私はクジ様に一生を捧げます」
「うん、気持ちだけでありがとう、ミラも年頃の女の子なんだから俺になんか囚われていないで恋をして結婚してって、うん、ごめん、こういうのってセクハラだよね」
「セクハラって何ですか?すみません言葉わからなくて」
「うん、気にしないで、ただ俺が一人暮らしできるように少しずつ準備をしたいってだけだから」
「あのクジ様、私クジ様に言わなければならないことが、謝らなければならないことがありまして、その~」
「ん?」
ミラの話を聞こうとすると、玄関の戸を叩く音が聞こえた。
ドンドンドン
『クジマサムネ殿はおられるか?』
「はい、今、開けます」
と、ミラが戸を開けると村長の隣にいた人物がそこにいた。
「お~いらしたか、少しようがあってまいりました、村長代理ケンと申します。クジマサムネ様にギルドまで御同行してもらってよいでしょうか?体調も回復してきているとミラから聞いたので」
「村?ギルド?」
「はい、馬車を待たせてありますので」
「えっと、俺、なんか悪いこととかしましたっけ?」
「とんでもございません、そのようなことではないのですが」
「ここに帰ってこれますか?」
「はい、ももちろんにございます」
ずいぶんと丁寧に話すんだなこの人、少し気にはなるが同行してあげよう。
これもリハビリと思って。
「着替えますね」
「あの~クジ様」
ミラは何か大事なことを言いたいのであろうが待たせてあるという馬車に悪いのでミラの話は今夜にしよう。
「ミラ話の続きは今夜でいいかな、ちょっと行ってくるね」
転生したときのビジネススーツに着替え刀をズボンの牛革のベルトに挿し込む。
挿しずらいから帯刀ベルトとか買おう、こないだ貰ったお金はミラに全額預けてあるから新たに引き出せばよいか、服とかも買おう、ここではミラの用意したガウンのような服で過ごしたけど外用が何枚か必要だしな。
「ついでに買い物もしてくるから少し遅くなるかもしれないけど帰ってくるからね」
そう言って俺は家を出た。
ミラの寂しげな表情とどこか青白い表情が気にはなったが、きっと心配しての事なのだろう。
「行ってきます」
馬車は畑の先に待たせてありそれに乗った。
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