32 / 88
第五章 美魔女と異世界生活
魔方陣
しおりを挟む
次の日の朝、起きるとすでにミラはいなくハイトンがお風呂を鼻歌を歌いながら洗っていた。
「おはよう」
「あ!おはようございます、今、朝食の準備しますね」
「自分でやるから良いよ、それよりミラは?」
従者として、主にやらせるわけには行かないとハイトンはお風呂洗いを途中にして台所にパタパタと駆けて行く。
朝食の準備をしながら、
「ミラちゃんは、昨夜言ってた魔法の先生のとこに行くと言って朝早く日が上る前に出ましたよ」
この二人は何時から起きているのだろう。
ハイトンがカリカリに焼いたラスクに樹液から作ったシロップをかけて、野菜をスティック状に切ったものと豆のポタージュスープを出してくれた。
元々は蜂蜜が使われていたが、あまり食が進まない俺にミラが気が付き、樹液から作ったシロップに変わった。
メープルシロップは大好きだ。両方好きな人にはわからないだろうが蜂蜜の微かに残る花の臭いがどうも好きにはなれない。
カリカリにドロドロしたシロップは相性が良く食が進むが最後に皿にシロップが残ってしまう。
そのシロップをもったいないので、お茶を皿に少し移してスプーンで溶かして飲む。
マナー的にはどうなのだろうかとは思うが、食べるのを見ているミラやハイトンは特に嫌な顔をしないので問題ないだろう。
ミラとハイトンの食事?一緒に食べないのかって?いや、別に主従の関係上俺が先とかは、やらないようにと命じてある。朝起きた順に食べている。俺、朝遅いし。
今日はミラがいなく二人っきりで嬉しいのか、やたら鼻歌混じりのハイトン。
結構、上手く奏でるので耳障りにはならない。
朝食を食べ終えると、俺は裏庭の椅子に座りボーっとするまさにスローライフ、うん、隠居生活みたいだな、ははは。一応、病気療養中なんだよ、俺が飲んでいるお茶は二人が飲むものとは別の煎じ薬に近いお茶だし。
お昼は、泉で冷したトマトと胡瓜と干し肉の細かくした物が乗っている冷やしパスタで干し肉の塩分が丁度良い。
ハイトンと対面して食べると、目が合うハイトンは、たまにむせっていた。ゆっくり食べなさい。
また、裏庭の椅子に座り微睡むと、太陽は低くなっている、うん、スローライフ、療養生活、隠居生活ってより終末生活みたいだな。
ハイトンが夕飯の仕度をしている頃、ミラが帰ってきた。
「ただいま、帰りました」
「おかえりなさい」
「御主人様、先生、バイト来てくれるそうです、なんか暇すぎて干からびかかってたみたいで、二つ返事でOK出ましたよ」
「へぇー、それは良かった、で、その先生は王都から通うの?王都そこそこ遠いんでしょ?」
「村から出ている定期馬車でだいたい、王都まで4時間かかりますよ、でも、先生なら大丈夫です。これがあるから」
そう言って、ミラは背中に丸めて担いでいた分厚い布状な物を広げた。大きさはだいたい、1×1メートルの正方形で模様が描かれていた。お祖母ちゃんの家にあったなぁ~と感想を洩らしてしまいそうになるような柄。まるで絨毯みたいだ。
それを台所から覗くハイトンはどことなく悲しげで複雑そうな目で見ていた。
「どうした?ハイトン」
「はい、それドラゴンの皮ですよね?」
はっ!と口を押さえるミラ。
「大丈夫です、気にしないで下さい、邪龍族の皮ですよね、きっと」
そう言って、ハイトンは夕飯の仕度を続けたが、このあと出てきた料理は不味かった。動揺したのね。
「ミラ、これは?」
「空間転移魔法の魔法陣です、空間転移魔法にはいくつか種類があって行った事ない場所には術者専用に描いた魔法陣を設置する方法もあるんですよ、まぁ~空間転移魔法は高等魔法なのでマスター出来る人は少ないですが」
「へぇー、なるほどなかなか便利だねこれ」
「はい、でも、これ高価なドラゴンの皮に描かないとならなくて」
「ドラゴンの皮じゃないと駄目なの?」
「はい、ドラゴンの持つ生命エネルギーを利用して魔法陣のパワーを増大させているので」
だから、マジックアイテムに使うから高値で買い取るわけか。
「んで、ここからその先生が転移して出てくるんだね?」
「はい、明後日の昼から来てもらい事になりましたから」
魔女かぁ~どんなんだろう、黒猫連れているねかな?箒はもっているのかな?少し楽しみだ。
「おはよう」
「あ!おはようございます、今、朝食の準備しますね」
「自分でやるから良いよ、それよりミラは?」
従者として、主にやらせるわけには行かないとハイトンはお風呂洗いを途中にして台所にパタパタと駆けて行く。
朝食の準備をしながら、
「ミラちゃんは、昨夜言ってた魔法の先生のとこに行くと言って朝早く日が上る前に出ましたよ」
この二人は何時から起きているのだろう。
ハイトンがカリカリに焼いたラスクに樹液から作ったシロップをかけて、野菜をスティック状に切ったものと豆のポタージュスープを出してくれた。
元々は蜂蜜が使われていたが、あまり食が進まない俺にミラが気が付き、樹液から作ったシロップに変わった。
メープルシロップは大好きだ。両方好きな人にはわからないだろうが蜂蜜の微かに残る花の臭いがどうも好きにはなれない。
カリカリにドロドロしたシロップは相性が良く食が進むが最後に皿にシロップが残ってしまう。
そのシロップをもったいないので、お茶を皿に少し移してスプーンで溶かして飲む。
マナー的にはどうなのだろうかとは思うが、食べるのを見ているミラやハイトンは特に嫌な顔をしないので問題ないだろう。
ミラとハイトンの食事?一緒に食べないのかって?いや、別に主従の関係上俺が先とかは、やらないようにと命じてある。朝起きた順に食べている。俺、朝遅いし。
今日はミラがいなく二人っきりで嬉しいのか、やたら鼻歌混じりのハイトン。
結構、上手く奏でるので耳障りにはならない。
朝食を食べ終えると、俺は裏庭の椅子に座りボーっとするまさにスローライフ、うん、隠居生活みたいだな、ははは。一応、病気療養中なんだよ、俺が飲んでいるお茶は二人が飲むものとは別の煎じ薬に近いお茶だし。
お昼は、泉で冷したトマトと胡瓜と干し肉の細かくした物が乗っている冷やしパスタで干し肉の塩分が丁度良い。
ハイトンと対面して食べると、目が合うハイトンは、たまにむせっていた。ゆっくり食べなさい。
また、裏庭の椅子に座り微睡むと、太陽は低くなっている、うん、スローライフ、療養生活、隠居生活ってより終末生活みたいだな。
ハイトンが夕飯の仕度をしている頃、ミラが帰ってきた。
「ただいま、帰りました」
「おかえりなさい」
「御主人様、先生、バイト来てくれるそうです、なんか暇すぎて干からびかかってたみたいで、二つ返事でOK出ましたよ」
「へぇー、それは良かった、で、その先生は王都から通うの?王都そこそこ遠いんでしょ?」
「村から出ている定期馬車でだいたい、王都まで4時間かかりますよ、でも、先生なら大丈夫です。これがあるから」
そう言って、ミラは背中に丸めて担いでいた分厚い布状な物を広げた。大きさはだいたい、1×1メートルの正方形で模様が描かれていた。お祖母ちゃんの家にあったなぁ~と感想を洩らしてしまいそうになるような柄。まるで絨毯みたいだ。
それを台所から覗くハイトンはどことなく悲しげで複雑そうな目で見ていた。
「どうした?ハイトン」
「はい、それドラゴンの皮ですよね?」
はっ!と口を押さえるミラ。
「大丈夫です、気にしないで下さい、邪龍族の皮ですよね、きっと」
そう言って、ハイトンは夕飯の仕度を続けたが、このあと出てきた料理は不味かった。動揺したのね。
「ミラ、これは?」
「空間転移魔法の魔法陣です、空間転移魔法にはいくつか種類があって行った事ない場所には術者専用に描いた魔法陣を設置する方法もあるんですよ、まぁ~空間転移魔法は高等魔法なのでマスター出来る人は少ないですが」
「へぇー、なるほどなかなか便利だねこれ」
「はい、でも、これ高価なドラゴンの皮に描かないとならなくて」
「ドラゴンの皮じゃないと駄目なの?」
「はい、ドラゴンの持つ生命エネルギーを利用して魔法陣のパワーを増大させているので」
だから、マジックアイテムに使うから高値で買い取るわけか。
「んで、ここからその先生が転移して出てくるんだね?」
「はい、明後日の昼から来てもらい事になりましたから」
魔女かぁ~どんなんだろう、黒猫連れているねかな?箒はもっているのかな?少し楽しみだ。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
推しの幸せをお願いしたら異世界に飛ばされた件について
あかね
恋愛
いつも推しは不遇で、現在の推しの死亡フラグを年末の雑誌で立てられたので、新年に神社で推しの幸せをお願いしたら、翌日異世界に飛ばされた話。無事、推しとは会えましたが、同居とか無理じゃないですか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる