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第七章 公爵の異世界生活

増築、築城

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「なんか、ちっさいわね」

雪が降る直前の肌のピリピリとする季節に、増築は完成した。
鯱をハイトンが、ドラゴンの形態になり乗せてくれた。
俺は、飛べないのかって?
飛べるよ、ただ、鯱を持って飛べと言われてもね、基本的体力は人並みですから、んな重いの持てないから。

完成を聞き付けて来たシュルリー王女の感想は「ちっさいわね」だ。
ん~、大きな天守建てても住む人数増やす予定ないし。
大きな天守って住んだ人あまりいないんだよね。
普通は本丸御殿とかに住むわけだし。

「二階の一部屋空いてるわよね、あそこ私の部屋にするわよ」

高慢ちきチンチクリン王女何言ってるの?
二階の空いてる部屋は、客間にしようと思ってたのに勝手に荷物運びいれた。

「え!ペチャパイ、住むの?」

「ペチャパイって誰のことかしら?私は成長中よ!」

グフェッ、痛い、蹴られた。

「住まないわよ、別荘にしてあげるだけよ」

ん~結局泊まるの確定かい。

「一応、主君なんだから少しは敬いなさいよね、私に冷たくない?」

ははは、このチンチクリン娘、何言ってるかな。
ミラはシュルリー王女と話す事はないが何処と無く懐かしい日を見るような目をしている。

「ミラ、あんたの主人に少し貴方の爪の垢でも煎じて飲ませたらどうなのよ」

ミラ手作り調合煎じ薬飲んでる俺には笑えないんですけど。
やはり、ミラとシュルリー王女はなんか関係あるんだね、プルートー先生は同期生とはチラッと言ってたけど。

「あなたの、爪の垢飲ませれば少しは媚びへつらうんじゃなくて?」

なんか、悪口に聞こえたので頭を鷲掴みにした。

「離しなさいよ」

「遊びに来るのも泊まるのも構わないけど、ここでは仲良くすること」

「お父様みたいなこと言わないでよね」

シュルリー王女は顔を少し赤くして怒っていた。
ファザコン娘、少しはバッサル法王の言うこと聞けよ。
チンチクリンペチャパイだけど顔は良いんだから。
悪役気取ってるけどその澄んだ瞳は嘘ついてない綺麗な瞳だ。

「私と政宗ちゃんの熱く燃えるためのベッドはどこかしら?」

プルートー先生、燃えませんから。
新築を目の前にして燃えるとか、不吉な事、言わないでよね。

「先生は泊まるなら旧宅ですよ」

「ギャフン」

初めて聞いた、ギャフンって言う人。
先生が泊まったらドアをゴーレムで封鎖しよう。
なにしでかすかわからない。

旧宅は少しだけ手直しをしてもらい隙間風がないようにはして貰った。
ミラ思いでの家は大事にしてあげたい。

増築した家の三階に上ると眺めがよく、平地が広がっていた。
なかなか良い眺めだな。
これが一面俺の物って実感出来ないな。
小さな小さな日本式城郭に近い家は完成した。
総工費、30億ライトワールゴールド。
意外に高かった。
職人スキル保持者を雇ったのが一番高かったらしい。

今年は増築だけで一年が過ぎてしまった。
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