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父、龍之介との交信2

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しかし、岩柱は特別光ったり龍之介の声が聞こえてくるわけでもなかった。
虚しく夜空、星空を見上げる正忠、自分は不思議な事、奇怪な事をしている無意味な事をしているのではないかと溜息を吐き、突っ伏した。サラリ-マンがトイレの鏡に両手を付き悩む自分を見つめるかのように、岩柱に両手をつき目をつぶり、そして、また大きく溜息を吐いた。

「はぁ~」

「ん、なんだこの大きな溜息は?ん?もしかして正忠か?」

「え?ん?は?」

正忠は聞こえてくるくる知っている声、懐かしい声に周りを見渡すがその姿は見えない。
静寂の森であった。


「正忠、私の声がわからぬのか?」

「やはり父上様でございますか?どのようにして話しておられるのですか?」

「どのようにも何も、正忠の大きなため息が宇宙戦艦の中に突如流れて戦艦内には笑いが起きているわい、正忠こそどうやってうしんしているのだ?」


「はい、今、父上様が以前おっしゃられていた御岩神社の山頂の岩柱に触れて話しております」

「おおそうか、やはりあの岩の柱はそのような機能があったか、触れて声が聞こえるなら骨伝導で話していると思われるな」

岩の柱はオ-パ-ツ、骨伝導システムを持った通信システムであった。
龍之介は念のため、何かしらの通信などないか受信システムを地球にアンテナを合わせていた。
古代遺跡マニアであったからこその龍之介の発想であった。

「正忠、何かあったのか?」

「いや、父上様の御帰りがあまりに遅いので正長兄上様と心配していたのですよ、お元気なら良いのです、兄上様からは、こちらの事は心配せず、大丈夫ですと伝言を言付かっております」

「そうか、そうか、いや~調印式が終われば帰るつもりであったのだが、宇宙外生命体との交戦になってな、今、宇宙惑星同盟軍、軍最高指揮官連合艦隊司令長官として戦っており少しばかり忙しいのよ」

「は?父上様?宇宙外に生命体?宇宙惑星同盟軍、軍最高指揮官連合艦隊司令長官?聞きたいところが多すぎるんですが、もう父上様の敵は私には理解できないところに行ってしまわれていますよ、まるで神話の世界」

「そうなのだ、その為6月中に私から連絡をしたり、地球に戻ってしまうと、歴史・時代劇小説ではなくなってしまうから出られなかったのだよ、カテゴリーエラ-になってしまうからな」

「父上様、ますます何を申されているのかよくわからないのですが?」

「はははっ、まぁ気にするな、こちらの話ぞ、で、急ぎで戻る必要はないのだな?」

「はい、地球の事は私達兄弟にお任せください」


「では、何かあればまたそこから連絡してまいれ、第一声がため息では戦艦内の兵の士気に係わるからな」

「はい、気を付けます、では、また」

正忠は静かに岩柱から手を放すと声は聞こえなくなっていた。
龍之介が調印式だけで帰るはずもないと誰もが想像できたが軍の最重役という役職で、戦っているなどと正忠は驚きと呆れの間と言う少し複雑な感情に浸りながら満点の星空をにやけながら眺めていた。

「あはははは、はははははははっ、父上様は誠に計り知れぬお方よの」

大声で一人鎮まる山頂で笑っていた。
その声が聞こえた、飛行船艦艦隊幕府お目付け役、正忠側近として働いていた荒木又右衛門が近づいてき。
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