同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第一六四話 煩悩退散!パンツと青春の滝修行(後編)

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 滝修行、開始から15分。
 冷水が身体を叩き、神経がヒリつく。
 目を閉じ、煩悩を手放す……はずだった。

 だが。

(パンツが消えない……! 脳裏に貼りついて離れない……っ)

 脳内ヒロインズが笑いながらパンツを差し出してくる。
 滝の音がかき消せないほど強烈な妄想が押し寄せる。

 そして、そのとき——

「ふぅ……やっぱり、ここの滝は効くわね」

 涼しげな声と共に、背後から現れたのは——

 水戸学園の国語教師、姫川紗月(ひめかわ さつき)先生だった。

 年齢は二十代後半。
 黒髪ロングで眼鏡をかけた、知性派美人。
 だが、今日の彼女は白装束一枚で、滝に入っていた。

 滝の水で濡れたその衣は——

 肌にぴったりと張り付き、豊満な胸元が輪郭ごと透けていた。

(え、ちょ……ちょっと待って!?)

 そのサイズ感、明らかにFカップ超。
 そして滝に濡れた布越しに浮かぶ曲線美。
 下半身に視線を落とせば——うっすらと下着のラインまで……。

(ちがう! 見るな俺!! 修行に来てるんだぞ!?)

「……あら、真壁くん? こんなところで会うなんて奇遇ね」

「ひゃいっ!? せ、先生!? な、な、なにしてるんですかこんなところで……っ」

「んふふ……春休みで心が少し、疲れててね。俗世のストレスを落としに来たの。あなたこそ?」

「ぼ、僕はその……煩悩の……清めを……っ」

 その言葉を聞いた瞬間、姫川先生は悪戯っぽく微笑んだ。

「ふぅん……じゃあ、見てはいけないものも、見えちゃってるかしら?」

「えっ、あっ、いや、それはっ!!」

 先生は涼しげに、再び滝に背を向けて歩いていく。

 そして、もう一撃。

 滝に打たれながら、軽く髪をかき上げて——

「男子って、意外とスケスケに弱いのよね?」

(うおおおおおおおおおおおお!?!?!?!?!?!?)

 その瞬間、俺の中で新たな扉が開いた。

(パ、パンツじゃない……! 布越しの! 透け! 見えそうで見えない! スケスケこそが至高……っ!!)

 滝の轟音が、天からの警鐘のように鳴り響く中——
 俺の中で“新たな煩悩”が、ゆっくりと芽吹いてしまった。

 こうして俺の滝修行は——
 スケスケ性癖開眼という最悪の結末で幕を閉じた。

(つづく)

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