同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第一六五話 月曜の朝と、煩悩ふたたび──見られてはいけないモノ(前編)

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滝修行から一夜明けた月曜日。
 春の空気はどこかすっきりとしていて、学校へ向かう足取りも軽……くはなかった。

 理由は一つ。

 スケスケに目覚めてしまったことである。

 パンツに対する執着は抑えられた……たぶん。
 だが新たな煩悩、「布越しにうっすら見えるラインへの執着」が生まれてしまったのだ。

 そんな自分を責めながら登校して、教室に入った、その瞬間だった。

「おはよう、真壁くん。昨日は、ちゃんと心、清められたかしら?」

 ——その声。

 教壇の前に立っていたのは、滝修行場で遭遇した国語教師・姫川紗月先生だった。

 白衣を脱いだ今日は、スーツスタイル。
 それでも、形の良すぎる胸はしっかりと布の上から主張していて。

(やばい……このフォルム、シルエット、記憶が蘇る……)

 しかも姫川先生は、教室内を移動しながら、まっすぐ俺の席の前に来た。

「そういえば、真壁くん。あのときの“目線”、とても正直だったわね?」

「せ、せんせい!? や、やめてくださいって……っ」

 耳元で囁かれただけで、背筋がゾクッとする。
 そして——

(うわあああ!? 立ってる!! なんでだよ俺の馬鹿ああああああ!!)

 制服の中で、確実に“反応”してしまった自分を、全力で無視しようとした……そのときだった。

「……観察対象、下半身に異常反応あり。記録項目追加」

 静かな声。
 すぐ隣の席から、ノートを構えたひよりが、スッと呟いた。

「い、いや! 違うんだ! これは生理現象であって!」

「記録に『自己弁護:生理現象』と注釈。観察継続」

 絶望した。

 その日、俺は午前の授業すべてを机で下半身を隠しながら過ごすことになった。

(スケスケも……布の誘惑も……俺を許してくれないのか……)

 滝修行の効果は、ゼロだった。

 むしろ、悪化している。

(つづく)

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