同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第一六六話 闇部活始動──“観察報告書”が招く波紋

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放課後。
 学園の一角、使われなくなった資料室。

 そこに集う少女たちがいた。

 部活動届けは未提出。
 活動内容は不明。
 その実態は、誰も知らない——

 非公認・闇部活『真壁弘弥を愛する会』。

 会長:碧純。
 副会長:すみれ。
 幹事:ひより。
 特別参謀:ユナ。
 名誉賛助会員:瑠衣&イザベラ(出席率はランダム)。

「……では本日の議題。“ひよりちゃんによる、観察報告”の開示と共有を行います」

 碧純の一言に、静かなざわめきが走る。
 ひよりは、スッと分厚いノートを取り出した。

「本日、1限~3限までの対象者の行動および身体反応について、以下に記録しました」

 全員、前のめり。

「観察対象:真壁弘弥。
 時間:9:04~9:07。
 状態:姫川紗月教諭の接近により、顔面紅潮。
 呼吸:浅く、短い。
 姿勢:不自然な前傾保持。
 下半身:机下にて、ズボンの生地膨らみ確認。
 ※二次元の“煩悩曲線”に極めて一致」

「お兄ちゃん……そこまで……」

「煩悩、再発どころか進化してるわね」(すみれ)

「性癖:衣服スケスケ嗜好に変異可能性。追加調査を要する」(ひより)

「……師匠……いや、今や“伝説の変態”として崇めるべきかも」(ユナ)

「でもでも、それって逆に言えば“素直”ってことじゃない? 人間味あるっていうか」(瑠衣)

「いいえ。これは戦争です」(イザベラ)

「次に彼が、教師に惹かれるような兆候を見せたら——排除するしか、ないわね」(碧純)

 その場の空気が一気に冷える。

「次回の会合までに、“弘弥お兄ちゃん再教育作戦”の案を提出してもらいます」

 ヒロインたちの目が燃えていた。
 観察記録は、もはやただのメモではない。
 戦略資料だった。

 そして、その裏ではまだ——弘弥本人は何も知らずに、学園の空気が変わっていくことに気づいていなかった。

(つづく)
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