同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第一九九話 東京遭遇──久遠美月と再会の女プロデューサー

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 東京駅から地下鉄を乗り継ぎ、出版社近くの喫茶店にたどり着いた俺は、あたりを見回し、ようやく息をついた。

(ここまで誰にも気づかれてない、よな……?)

 妙な気配もない。
 尾行感もない。

(よし、このまま無事に……)

 そんな淡い希望を抱いて店に入った、その瞬間だった。

 店内の奥、打ち合わせ用のボックス席。
 そこに座っていたのは——

 小柄なスーツ姿の女性と、どこかで見たことのある豊満ボディの美女。

(……久遠?)

「お待たせしました、真壁先生」

 立ち上がってにっこりと微笑んだのは、俺の現担当編集・久遠 美月だった。

「久遠さん! なんだ、今日は直接だったんですね」

「たまには顔見てやらないと、暴走するかと思って」

 そう言って彼女が隣を指さす。

「そしてこちらが、前にもお話したプロデューサーの——」

「氷室です。またお会いできて光栄です、真壁先生♡」

 氷室プロデューサーが、深いスリット入りのスカートで優雅にお辞儀する。

「今日は“映像化”の具体的な話をしに来ました。もちろん、先生の執筆環境やご要望を最大限に尊重したいと思ってます」

 久遠がタブレットを取り出し、企画書を見せる。

(うわ……本格的……)

 そのとき、店の外のベンチに張り付いていたルナが、ヒロインたちにささやいた。

「ちょっ……あの編集っぽい女の子……中学生じゃない?」

「いや、妙に落ち着きすぎてる……でも弘弥くんとタメ口……」(すみれ)

「子連れ? 隠し子? それとも……援助交際!?」(碧純)

「記録開始」(ひより)

「ちょっと、弘弥くんが……捕まる前に止めなきゃ!」(瑠衣)
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