同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第一九八話 書籍打ち合わせ(?)──尾行、始動

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 ある金曜日の朝、俺はリビングで荷物をまとめながら宣言した。

「今日は東京の編集部と打ち合わせがあるから、夜まで帰らない」

 その瞬間、ヒロインたちの反応がピクリと変わった。

「え~っ、珍しいじゃん。いつもはリモートじゃなかったっけ?」(ルナ)

「……不自然ですね。このタイミングで都内出張……観察対象の行動に異常あり」(ひより)

「弘弥くんの様子、ちょっと浮ついてる気がします」(すみれ)

「私も、なんか変な予感がする……」(碧純)

 全員の視線が、完全に“疑いの目”になっている。

「お、おいおい! 本当に打ち合わせだってば!」

「へ~? じゃあ、念のため……私たちで後をつけてみようか♡」

 ルナの一言で、闇の決意が生まれた。

「観察部隊、出動準備」(ひより)

「各自、変装と録音機材の用意を」(すみれ)

「さつまいもと干し芋と、こっそり尾行スナックも必要ね」(瑠衣)

「誰が行く? いや、むしろ全員で行く?」(碧純)

「……私は尾行なんて無粋な真似はしないけど……せめて“護衛”くらいにはなるかもね」(りあ)

 全員が、妙に張り切った表情で、俺の行動を注視していた。

 俺は汗をにじませながら、無理やり笑みを作る。

「だ、だから本当に仕事なんだって……ほら、スーツだし……」

 だが彼女たちの目は鋭かった。

「スーツなのに、香水つけてる」(ひより)

「眉毛、いつもより整ってる」(すみれ)

「耳の後ろまで剃ってある……デート仕様だな」(碧純)

「こ、これは、身だしなみだよ!? 印象って大事だし!」

「ふぅん。じゃあ、東京駅で別れたあと、何をするのか教えて?」(ルナ)

「……だから、それは、編集さんとランチしながら打ち合わせを——」

「その編集、女性?」(全員)

 問い詰めの声が揃う。

「ひ、ひとまず行ってきますっ!!」

 俺はそそくさと靴を履き、逃げるように玄関を出た。

 だが。

「追尾開始。観察モード、アクティブ」(ひより)

「弘弥様の浮気現場、しっかり見届けましょう♡」(すみれ)

「うちの兄に女がいたら、許さんからね」(碧純)

「弘弥くんの好み、現地調査よっ!」(ルナ)

「新刊に出てくる女キャラ、最近やけにリアルだと思ったら……」(瑠衣)

「こっそり……見届けてあげる」(りあ)

 こうして、ヒロインたちは変装し、それぞれの“東京尾行計画”を始動させた。

 果たして、編集打ち合わせの真実とは……?

(つづく)

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