252 / 630
第二三六話「パンツと素肌と、選ばれる夜」
しおりを挟む
──そして、夢精は訪れる。
「……ぬくもり、だいすき……弘弥くんの……」
その声が、耳元で囁かれた瞬間──俺は目を覚ました。
──ホテルの一室。宮内庁関連の会談を終え、くたくたになった俺はベッドに崩れ落ち、そのまま眠ってしまった。
けれど。
明らかに、これは“いつもの朝”じゃなかった。
右腕に何か、柔らかくて温かいものが絡みついている。
いや、柔らかいどころか──直接、肌が触れてる……。
「っ……」
恐る恐る目を向けると。
そこには、全裸の碧純がいた。
真っ白な素肌。肩からなだらかに流れる背中の曲線。
汗ばんだ頬。すこし乱れた黒髪。そして……俺の腕に巻きつく、裸の碧純。
「ひっ……っ!!!」
一気に心拍数が跳ね上がる。
「まっ──まままままままま待て落ち着け真壁弘弥、冷静になれこれはたぶん夢だ絶対夢だ! これは明晰夢ってやつで、現実じゃあり得ない、全裸で添い寝なんて──」
「ん……むにゃ……お兄ちゃん……」
言った──!
妹ポジで“お兄ちゃん”って言った!!
これはアウト!ダメ!100万アウトォ!!
だが、俺の混乱は、まだ序章に過ぎなかった。
「弘弥くん、こっち側はちょっと狭いから──ひより、もうちょっと寄って」
「了解。平均添い寝距離、37cmを24cmに変更。密着モード、発動」
「ねえねえ、おっぱい当たってない? あえて当ててるんだけど♡」
「貴方、起きてるでしょう? 反応が……ふふ、かわいい」
「……弘弥くん、服、着てないよね?」
「そっちが言う!?」
──目を開けて、俺はようやく状況を“視認”した。
ベッドの左右に──ヒロインたち全員集合していた。
しかも、
・碧純 → 全裸、俺の腕にぴったり抱きつき中。
・すみれ → パジャマの胸元、全開。もはや見えてる。
・りあ → 下着姿。透けレース。
・ひより → 謎のパジャマジャケットのみ。下はない。
・ルナ → 上着だけでノーパンノーブラ。「寝る時はこう♡」
・イザベラ →王族用ナイトドレス。スリットが太もも上部まで開いている。
・エレノア → ランジェリーオンリー。「戦闘服ですわ♡」
「全員、何してるのおおおおおおおお!!?」
「え? “夢精させ隊”結成式だけど?」
「やめてぇぇええええっ!! なんかガチっぽい名前つけるのやめて!!」
──その後の記憶は曖昧だ。
大量の体温。柔肌。香り。
誰かの太もも。誰かの谷間。誰かの吐息。誰かの──舌。
「……やぁ……すき……すき、だよぉ……」
その声に、俺の意識は、白く溶けた。
◆ ◆ ◆
──そして、朝。
「……ッあ」
目が覚めた瞬間、下腹部に違和感。
布団の中。誰かの髪が、俺の腹に当たっている。
右手はなぜか、何かを握っている。
左手は誰かの太ももに絡んでいる。
「…………お」
──
「お、おお、おおおお……っ……おぉぉぉおおぉぉぉっ!!!!!!!」
──夢精した。
【観察記録:夢精イベント、第一種緊急警報】
【記録者:一ノ瀬ひより(現場目撃済)】
「ひろや……くん……それ、だ、だ、だれに……したの……?」
全裸碧純の顔が、真っ赤を通り越して青ざめていた。
「わ、わたしじゃ……なかったの……?」
「これ、わたしの……じゃないわ。濃度的に」
「観察してるのやめてぇぇぇええ!!」
「匂いは……弘弥くんの、でも……すっごく濃くて……ふ、服が……だめだ……濡れちゃって……」
「みんなその場で実況すんなああああああ!!!!!」
◆ ◆ ◆
──その後。
洗濯係・すみれ。
脱水係・ひより。
補助・イザベラ。
記録班・りあ。
クレーム班・ルナ。
復讐班・碧純(棒持って追いかけてくる)
ラブ、ギャグ、エロス、修羅場、国家機密、全部ごっちゃの、**最悪で最高の“夢精の朝”**がこうして幕を開けた。
「……ぬくもり、だいすき……弘弥くんの……」
その声が、耳元で囁かれた瞬間──俺は目を覚ました。
──ホテルの一室。宮内庁関連の会談を終え、くたくたになった俺はベッドに崩れ落ち、そのまま眠ってしまった。
けれど。
明らかに、これは“いつもの朝”じゃなかった。
右腕に何か、柔らかくて温かいものが絡みついている。
いや、柔らかいどころか──直接、肌が触れてる……。
「っ……」
恐る恐る目を向けると。
そこには、全裸の碧純がいた。
真っ白な素肌。肩からなだらかに流れる背中の曲線。
汗ばんだ頬。すこし乱れた黒髪。そして……俺の腕に巻きつく、裸の碧純。
「ひっ……っ!!!」
一気に心拍数が跳ね上がる。
「まっ──まままままままま待て落ち着け真壁弘弥、冷静になれこれはたぶん夢だ絶対夢だ! これは明晰夢ってやつで、現実じゃあり得ない、全裸で添い寝なんて──」
「ん……むにゃ……お兄ちゃん……」
言った──!
妹ポジで“お兄ちゃん”って言った!!
これはアウト!ダメ!100万アウトォ!!
だが、俺の混乱は、まだ序章に過ぎなかった。
「弘弥くん、こっち側はちょっと狭いから──ひより、もうちょっと寄って」
「了解。平均添い寝距離、37cmを24cmに変更。密着モード、発動」
「ねえねえ、おっぱい当たってない? あえて当ててるんだけど♡」
「貴方、起きてるでしょう? 反応が……ふふ、かわいい」
「……弘弥くん、服、着てないよね?」
「そっちが言う!?」
──目を開けて、俺はようやく状況を“視認”した。
ベッドの左右に──ヒロインたち全員集合していた。
しかも、
・碧純 → 全裸、俺の腕にぴったり抱きつき中。
・すみれ → パジャマの胸元、全開。もはや見えてる。
・りあ → 下着姿。透けレース。
・ひより → 謎のパジャマジャケットのみ。下はない。
・ルナ → 上着だけでノーパンノーブラ。「寝る時はこう♡」
・イザベラ →王族用ナイトドレス。スリットが太もも上部まで開いている。
・エレノア → ランジェリーオンリー。「戦闘服ですわ♡」
「全員、何してるのおおおおおおおお!!?」
「え? “夢精させ隊”結成式だけど?」
「やめてぇぇええええっ!! なんかガチっぽい名前つけるのやめて!!」
──その後の記憶は曖昧だ。
大量の体温。柔肌。香り。
誰かの太もも。誰かの谷間。誰かの吐息。誰かの──舌。
「……やぁ……すき……すき、だよぉ……」
その声に、俺の意識は、白く溶けた。
◆ ◆ ◆
──そして、朝。
「……ッあ」
目が覚めた瞬間、下腹部に違和感。
布団の中。誰かの髪が、俺の腹に当たっている。
右手はなぜか、何かを握っている。
左手は誰かの太ももに絡んでいる。
「…………お」
──
「お、おお、おおおお……っ……おぉぉぉおおぉぉぉっ!!!!!!!」
──夢精した。
【観察記録:夢精イベント、第一種緊急警報】
【記録者:一ノ瀬ひより(現場目撃済)】
「ひろや……くん……それ、だ、だ、だれに……したの……?」
全裸碧純の顔が、真っ赤を通り越して青ざめていた。
「わ、わたしじゃ……なかったの……?」
「これ、わたしの……じゃないわ。濃度的に」
「観察してるのやめてぇぇぇええ!!」
「匂いは……弘弥くんの、でも……すっごく濃くて……ふ、服が……だめだ……濡れちゃって……」
「みんなその場で実況すんなああああああ!!!!!」
◆ ◆ ◆
──その後。
洗濯係・すみれ。
脱水係・ひより。
補助・イザベラ。
記録班・りあ。
クレーム班・ルナ。
復讐班・碧純(棒持って追いかけてくる)
ラブ、ギャグ、エロス、修羅場、国家機密、全部ごっちゃの、**最悪で最高の“夢精の朝”**がこうして幕を開けた。
0
あなたにおすすめの小説
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる