同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第二三六話「パンツと素肌と、選ばれる夜」

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──そして、夢精は訪れる。

 

「……ぬくもり、だいすき……弘弥くんの……」

 

その声が、耳元で囁かれた瞬間──俺は目を覚ました。

 

──ホテルの一室。宮内庁関連の会談を終え、くたくたになった俺はベッドに崩れ落ち、そのまま眠ってしまった。

 

けれど。

 

明らかに、これは“いつもの朝”じゃなかった。

 

右腕に何か、柔らかくて温かいものが絡みついている。
いや、柔らかいどころか──直接、肌が触れてる……。

 

「っ……」

 

恐る恐る目を向けると。

 

そこには、全裸の碧純がいた。

 

真っ白な素肌。肩からなだらかに流れる背中の曲線。
汗ばんだ頬。すこし乱れた黒髪。そして……俺の腕に巻きつく、裸の碧純。

 

「ひっ……っ!!!」

 

一気に心拍数が跳ね上がる。

 

「まっ──まままままままま待て落ち着け真壁弘弥、冷静になれこれはたぶん夢だ絶対夢だ! これは明晰夢ってやつで、現実じゃあり得ない、全裸で添い寝なんて──」

 

「ん……むにゃ……お兄ちゃん……」

 

言った──!

妹ポジで“お兄ちゃん”って言った!!

これはアウト!ダメ!100万アウトォ!!

 

だが、俺の混乱は、まだ序章に過ぎなかった。

 

「弘弥くん、こっち側はちょっと狭いから──ひより、もうちょっと寄って」

 

「了解。平均添い寝距離、37cmを24cmに変更。密着モード、発動」

 

「ねえねえ、おっぱい当たってない? あえて当ててるんだけど♡」

 

「貴方、起きてるでしょう? 反応が……ふふ、かわいい」

 

「……弘弥くん、服、着てないよね?」

 

「そっちが言う!?」

 

──目を開けて、俺はようやく状況を“視認”した。

ベッドの左右に──ヒロインたち全員集合していた。

しかも、

 

・碧純 → 全裸、俺の腕にぴったり抱きつき中。
・すみれ → パジャマの胸元、全開。もはや見えてる。
・りあ → 下着姿。透けレース。
・ひより → 謎のパジャマジャケットのみ。下はない。
・ルナ → 上着だけでノーパンノーブラ。「寝る時はこう♡」
・イザベラ →王族用ナイトドレス。スリットが太もも上部まで開いている。
・エレノア → ランジェリーオンリー。「戦闘服ですわ♡」

 

「全員、何してるのおおおおおおおお!!?」

 

「え? “夢精させ隊”結成式だけど?」

 

「やめてぇぇええええっ!! なんかガチっぽい名前つけるのやめて!!」

 

 

──その後の記憶は曖昧だ。

 

大量の体温。柔肌。香り。

誰かの太もも。誰かの谷間。誰かの吐息。誰かの──舌。

 

「……やぁ……すき……すき、だよぉ……」

 

その声に、俺の意識は、白く溶けた。

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

──そして、朝。

 

「……ッあ」

 

目が覚めた瞬間、下腹部に違和感。

布団の中。誰かの髪が、俺の腹に当たっている。

右手はなぜか、何かを握っている。

左手は誰かの太ももに絡んでいる。

 

「…………お」

 

 

──

 

 

「お、おお、おおおお……っ……おぉぉぉおおぉぉぉっ!!!!!!!」

 

 

──夢精した。

 

 

【観察記録:夢精イベント、第一種緊急警報】
【記録者:一ノ瀬ひより(現場目撃済)】

 

「ひろや……くん……それ、だ、だ、だれに……したの……?」

 

全裸碧純の顔が、真っ赤を通り越して青ざめていた。

 

「わ、わたしじゃ……なかったの……?」

 

「これ、わたしの……じゃないわ。濃度的に」

 

「観察してるのやめてぇぇぇええ!!」

 

「匂いは……弘弥くんの、でも……すっごく濃くて……ふ、服が……だめだ……濡れちゃって……」

 

「みんなその場で実況すんなああああああ!!!!!」

 

 

◆ ◆ ◆

 

──その後。

 

洗濯係・すみれ。
脱水係・ひより。
補助・イザベラ。
記録班・りあ。
クレーム班・ルナ。
復讐班・碧純(棒持って追いかけてくる)

 

ラブ、ギャグ、エロス、修羅場、国家機密、全部ごっちゃの、**最悪で最高の“夢精の朝”**がこうして幕を開けた。
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