同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

第二五四話 「ギャルの好奇心は止まらない──朝からエッチでドタバタで！」

──朝。

それは静かに、しかし確実に、“立っていた”。

　

「……んふぁ……？」

　

ルナが目覚めた瞬間、隣で寝ている弘弥の“異変”に気づいた。

　

下腹部のあたり──
布団の中に、明らかにある“膨らみ”。

そして、弘弥はまだぐっすり夢の中。

　

「えっ……まじで……おはよう朝立ち……？」

　

ルナは思わず、ニヤッと笑った。

ギャル特有の軽快さとノリで、そっと布団の上から指先をのせる。

　

「おおっ、めっちゃ元気……すっご……」

　

弘弥の寝顔を横目に、ニタニタが止まらない。

　

「ねぇねぇ……弘弥、朝からこーんなに立てるなんてさぁ……エッチすぎない？♡」

　

　

◆　◆　◆

　

その時──

　

「ん……ぁ……朝……？」

　

弘弥がゆっくりと目を開け、隣にいるルナと、
そして自分の下腹部にそっと触れていた手を見て──

　

「──ぎゃああああああああああああッッ！！？？」

　

バサァァッ！！！

　

布団を抱え込みながら、壁際まで後ずさる。

　

「ルナァ！？！？　なに触ってんの！？　ていうか、なんで見るの！？　なんで実況してんの！？」

　

「だって……めっちゃ立ってたんだもん♡ 反応しちゃうでしょ～？ 弘弥のなら♡」

　

「“弘弥のなら”とか言うなぁぁぁああああああ！！！！」

　

　

◆　◆　◆

　

そして、タイミング悪く部屋のドアが開いた。

「ちょっと、今の声なに──っ！？」

　

最初に飛び込んできたのは、碧純。

「──弘弥！？　なにその……っ、状況！！？　ルナさん、あんた、何してたの！！？」

　

「いや、何もしてないってば～。ただ見てた＆触ってみただけ♡」

　

「十分アウトだろそれ！！　ていうか触ってるって言ったよね今！！？」

　

「“朝の弘弥”観察日記♡　あたし、つけちゃおっかな～？」

　

「ひ、弘弥……わたし、これ以上“妹ポジ”で我慢できる気がしない……」

　

碧純が震えながら顔を赤らめて言った。

　

　

◆　◆　◆

　

さらに――

「観察対象に異常発生！？ 記録対象！！」

一ノ瀬ひよりがノート片手に飛び込んでくる。

　

「角度……42度。硬度……最大級。記録開始──」

　

「ひよりぃぃぃぃィィィィ！？　なにを記録する気だああああああ！！」

　

　

「だって、“朝の弘弥”って一日で最も数値安定してる時間帯なんだよ？ 逃せないよね」

　

「逃してぇぇぇ！！　逃がしてぇぇえええ！！！」

　

　

◆　◆　◆

　

すみれもドアの外からひょこっと顔を出す。

「ど、どうしたの……？ さっきから声が……って、あ……！」

　

目が合う。

そして彼女の視線が、布団の中に吸い寄せられて──

　

「──ご、ごめんなさいっっ！！！」

　

ドアがバタンと閉まった。

その直後、「すみれさーん！？」と俺が呼んでも、彼女は二度と現れなかった。

　

　

◆　◆　◆

　

その後。

キングサイズベッドからヒロインたちは追い出され、
部屋の中心に、呆れ顔の碧純が立っていた。

　

「弘弥。今日から、“パジャマ義務制度”導入するからね」

　

「ごめん……ほんと……ごめん……」

　

「ルナさんも、“朝観察禁止”！！ ひよりも！！」

　

「えー！？　弘弥の成長記録とか、超気になるのにぃ～～～」

　

「やめろォォォォォォ！！！」