同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第三二一話 「最凶修羅場突入──物理攻撃型ヒロイン vs ヤンデレ連合」

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 講堂裏の床に、俺は座り込んでいた。

 その目の前で、来栖ゆら(※物理攻撃型地雷ヒロイン)が金属バットをゆっくり振っている。

「弘弥くんってさ、昔から優柔不断だよね?
 でも、わたしはいいと思うんだよ? そういう“守りたい男子”感。萌えるし」

「お、おう……ありがと……?(たぶん命の危険ある)」

「だからね──**“守るために壊す”**の、わたし」

「その思想やばすぎるよ!?」

 ガン!

 すぐ横のパイプ椅子がぶっ飛ぶ。

「怖がらなくていいよ~? 弘弥くんには一切手出ししないって、ちゃんと決めてるの。
 そのかわり──他の女が近づいたら、一人ずつ排除するね♡」

(殺されるのは俺じゃない、ヒロインたち……!?)

 ◆ ◆ ◆

 その頃──屋上。

 あゆむ、りあ、ルナ、そして中二病の瑠衣が“暗号めいたラブレター”を解析していた。

「“来たよ 死ぬまで一緒だね♡”って、弘弥お兄ちゃんの周囲に撒かれてた。
 この字体、わたし見たことある……!」

 りあがつぶやく。

「来栖……ゆら。中学で同じ学年だったやつ」

「え、それ誰?」

「問題児。“他人のスマホをGPSで逆探知した”とか、
 “好きな男子の家のベランダに無言で座ってた”とか……」

「ガチだ!ガチ地雷だ!!」

 ルナが目を見開く。

「つーかそれ、弘弥……今、危ないんじゃ……」

「急行しましょう」

 瑠衣がマントを翻し、すでに詠唱を始めていた。

 ◆ ◆ ◆

 ──そして、講堂の扉が破られる。

「あんた誰ぇぇぇぇぇぇぇええ!?」

 怒声とともに飛び込んできたのはルナ。
 その背後から、りあ、あゆむ、そして詠唱完了状態の瑠衣が続く。

 来栖ゆらは、バットを静かに下ろし──にっこり笑った。

「あっ、初めまして♡ 弘弥くんの婚約者です」

「ハアアアアアアア!?!?!?」

 ルナが叫んだ。

「弘弥は私の兄妹候補だし!」

「いいえ、婚約はわたしとだけ成立してます」

「してねぇよ! 勝手に脳内で挙式すな!」

「ふふ……この世界はもうすぐ、“夫婦戦争”に変わるのよ」

 その瞬間──

 金属バット vs ギャルバッグ vs ナイフ(※りあの趣味) vs くすぐり魔法(※瑠衣) vs 裁縫ハサミ(※あゆむ)

 女子高生たちによる非合法異種格闘技大会、開幕。

 ◆ ◆ ◆

 その中央で、俺はただ座っていた。

 頭を抱えながら。

(……俺、いつラブコメ主人公辞められるんだろう)

 ──しかし、どんなヒロインよりも強い想いを抱えた者が、
 最後に“正妻”を名乗るのだと、まだ知らない。
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