同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第三三五話 「つくばエクスプレスで東京へ!アニメ試写会、夢と現実のドタバタ旅」

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 ──朝、つくば駅。

 俺は緊張と不安と――そして“なぜか”ワクワクで満ちていた。

「さて……行くか」

 今日はついに、俺の作品のアニメ完成試写会。
 会場は東京、秋葉原。
 そして移動手段は──

「つくばエクスプレス(TX)、快速秋葉原行き、発車しまーす」

 TX。
 茨城と東京を結ぶ夢の直通特急。

「弘弥くーん、切符忘れてない~?」

「チケット控え、再確認した? はい、念のための予備も」

「あと、おむつは持ってる?」

「いらないからな!? それ前の話だからな!!」

 周囲を取り囲むのは、お馴染みのハーレムヒロイン6人。

 ホームの乗客たちがチラチラとこちらを見ている。

(うん……この空間、完全にリア充爆発枠だな……)

 ◆ ◆ ◆

 TX車内。午前9時32分、快速。

「わ~い! TX、初めて乗ったっス~!」

 ルナがテンション高めに車内広告を眺めながら騒ぐ。

「静かにね。通勤時間帯を過ぎたとはいえ、他の乗客もいるんだから」

 すみれが注意しつつも、どこか楽しそうに車窓を眺めている。

「弘弥……秋葉原に着いたら、先にお手洗い行きたい」

 りあが唐突に個人スケジュールを語り始める。

「なぜ今言うのか……」

「わたしは“車内恋愛実験”として、弘弥と膝枕していいか検討中」

「ひより!? ここ電車だからな!?やめてくれ!?」

「揺れを利用した“偶然倒れこみ式抱きつき”も実施可能ですね」

「おまえらちょっと静かにしようか……マジで目立ってるぞ……!」

 ◆ ◆ ◆

 車内では、

 ・ルナ→弘弥の肩に頭を乗せてくる
 ・すみれ→お弁当チェック(食べ物の香りに弱い)
 ・あゆむ→スマホで“アニメ業界の闇”を検索
 ・りあ→弘弥の袖口を無言で握る
 ・瑠衣→「TXの揺れ、魔力高い」と窓に呪文を描いている

 車内ドタバタは、もはや“慣れ”を超えて“日常”と化していた。

(でも――悪くない。むしろ、俺にとっての“特等席”だ)

 ◆ ◆ ◆

 そして、秋葉原駅に到着。

「さぁ、真壁弘弥先生。プロ作家としての出番よ」

 久遠美月編集が改札の向こうで手を振っていた。

「行こう、“俺の物語”がアニメになる世界へ」

 ドアが開く。
 東京の喧騒が、まっすぐこちらに吹き込んできた。

 ──俺は今、夢の舞台に向かっている。
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