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第三三七話 「舞台裏の出会い──憧れの声優さんがそこにいた」
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試写会本番を終え、拍手と熱気が残るホールの裏側。
俺――真壁弘弥は、案内された控室の前で、ひとつ深呼吸した。
(大丈夫……今日はうまくいった……完璧だった……!)
スタッフとの簡単な挨拶と写真撮影も終え、
あとはリラックスしながらアフター交流会に臨むだけ――だった、はず。
「失礼しまーす。あっ、はじめましてっ!」
ふわっとドアが開き、
その声が、空気を一変させた。
「あ……」
立っていたのは――
俺の推し声優。アニメのメインヒロイン役、天羽しの。
ツインテールにリボン、キラキラの瞳。
雑誌の中でしか見たことなかった、その姿が……現実になって目の前に。
「ど、どうも……真壁です……」
「えっ! ええええええ!? あの真壁弘弥先生!? 本物!?!?」
両手を口に当てて、目をキラッキラさせてる彼女。
(うわっ! なにこの反応!? アイドルじゃなくて、こっちがオタクになってる気分!!)
◆ ◆ ◆
「ええええ……先生って、こんな若かったんですか!?
もっとこう、仙人みたいな人かと思ってました!」
「それはそれで失礼じゃない!?!?」
「いやでも、あのセリフ、あの一行、あの告白シーン……もう……最高でしたぁぁぁ!!」
「やばいやばいやばい、尊死するっ……!!」
興奮する天羽しのさんは、俺の手を取ってブンブン振りながら叫んだ。
「ほんっと感動しましたっ! こんな作品のヒロイン演じられて……もう、私、幸せで死にそうです!」
「う、うわ……こっちが死にそうだよ……」
(好きな声優が、自分の作品のヒロインを演じて、
その声で「幸せ」って言ってくれてる……尊い……尊すぎる……!)
◆ ◆ ◆
「でも、でもっ……ひとつだけ……ちょっとだけ、気になることが」
「え?」
しのさんが顔を近づけ、小声でささやいた。
「……ヒロインのパンツ、あれ絶対“作者の趣味”ですよね?」
「違います違いますちがいますからぁああああ!!!!!」
「でもあのピンクのリボン付きって……絶対狙ってると思ったんですよね~?
うちの演出さん、微妙に“こだわりありすぎ”って言ってたし……」
「そのこだわりは制作チームのアドリブでぇぇぇ!!(たぶん)」
◆ ◆ ◆
そこへ、バンッと扉が開く。
「……あの、弘弥。ちょっと話があるんだけど?」
現れたのは、すみれ、ルナ、りあ、あゆむ、ひより、瑠衣の6人。
全員が、ニコニコしているが――
目が笑っていない。
「なーんか、“声優さん”と盛り上がってたね?」
「“先生って若いんですね”って言われて照れてたね?」
「“パンツのこだわり”で盛り上がってたね?」
「“推しに会えて良かった”って、口から溢れかけてたね?」
「……ログ、残ってるから」
「逃げ場、ないよ?」
「俺、なんでこんなに囲まれてるのぉぉぉぉおおおお!!」
◆ ◆ ◆
その後――
控室は、“作品を愛する声優”と、“現実のヒロイン”たちによる、
静かなバチバチ修羅場と化した。
「せ、せんせいっ……ほんとにご自愛ください……っ!」
と去り際に天羽しのさんが笑って手を振ってくれたのが、
この日の、唯一の癒しだった。
俺――真壁弘弥は、案内された控室の前で、ひとつ深呼吸した。
(大丈夫……今日はうまくいった……完璧だった……!)
スタッフとの簡単な挨拶と写真撮影も終え、
あとはリラックスしながらアフター交流会に臨むだけ――だった、はず。
「失礼しまーす。あっ、はじめましてっ!」
ふわっとドアが開き、
その声が、空気を一変させた。
「あ……」
立っていたのは――
俺の推し声優。アニメのメインヒロイン役、天羽しの。
ツインテールにリボン、キラキラの瞳。
雑誌の中でしか見たことなかった、その姿が……現実になって目の前に。
「ど、どうも……真壁です……」
「えっ! ええええええ!? あの真壁弘弥先生!? 本物!?!?」
両手を口に当てて、目をキラッキラさせてる彼女。
(うわっ! なにこの反応!? アイドルじゃなくて、こっちがオタクになってる気分!!)
◆ ◆ ◆
「ええええ……先生って、こんな若かったんですか!?
もっとこう、仙人みたいな人かと思ってました!」
「それはそれで失礼じゃない!?!?」
「いやでも、あのセリフ、あの一行、あの告白シーン……もう……最高でしたぁぁぁ!!」
「やばいやばいやばい、尊死するっ……!!」
興奮する天羽しのさんは、俺の手を取ってブンブン振りながら叫んだ。
「ほんっと感動しましたっ! こんな作品のヒロイン演じられて……もう、私、幸せで死にそうです!」
「う、うわ……こっちが死にそうだよ……」
(好きな声優が、自分の作品のヒロインを演じて、
その声で「幸せ」って言ってくれてる……尊い……尊すぎる……!)
◆ ◆ ◆
「でも、でもっ……ひとつだけ……ちょっとだけ、気になることが」
「え?」
しのさんが顔を近づけ、小声でささやいた。
「……ヒロインのパンツ、あれ絶対“作者の趣味”ですよね?」
「違います違いますちがいますからぁああああ!!!!!」
「でもあのピンクのリボン付きって……絶対狙ってると思ったんですよね~?
うちの演出さん、微妙に“こだわりありすぎ”って言ってたし……」
「そのこだわりは制作チームのアドリブでぇぇぇ!!(たぶん)」
◆ ◆ ◆
そこへ、バンッと扉が開く。
「……あの、弘弥。ちょっと話があるんだけど?」
現れたのは、すみれ、ルナ、りあ、あゆむ、ひより、瑠衣の6人。
全員が、ニコニコしているが――
目が笑っていない。
「なーんか、“声優さん”と盛り上がってたね?」
「“先生って若いんですね”って言われて照れてたね?」
「“パンツのこだわり”で盛り上がってたね?」
「“推しに会えて良かった”って、口から溢れかけてたね?」
「……ログ、残ってるから」
「逃げ場、ないよ?」
「俺、なんでこんなに囲まれてるのぉぉぉぉおおおお!!」
◆ ◆ ◆
その後――
控室は、“作品を愛する声優”と、“現実のヒロイン”たちによる、
静かなバチバチ修羅場と化した。
「せ、せんせいっ……ほんとにご自愛ください……っ!」
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