同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第三四五話 「勝手に次巻プロット会議!? ヒロインたちの暴走構想祭り」

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 ──日曜の午後、リビング。

 特に予定のない穏やかな時間。
 俺はラップトップを開いて、次巻の構想を考えていた。

(文化祭編のあと……どう進めるかなぁ……)

 そのときだった。

「はいっ、弘弥くん、これ見て!」

 すみれが手にしたのは――なんと、A4サイズのプロット用紙。

「……なにこれ?」

「私が考えた、“次巻の理想展開”です!」

「えっ、お前が!?」

 ◆ ◆ ◆

「第一章:“正妻内定!清楚系お姉さんヒロイン、朝ごはんで心をつかめ”」

「いや、タイトルで自分確定してるじゃん!!」

「第二章:恋の嵐、湯けむり温泉編――“湯上がりの肌に、ドキドキ”」

「出るなよ!? 肌出すなよすみれ!?!?!?」

「いや、あの……風呂シーンないと売れないかなって思って……」

「自覚してるうううう!!!」

 ◆ ◆ ◆

 そこへルナがドヤ顔で乱入。

「じゃじゃーん! 見て、あたしの“ルナルート構想”!」

「タイトル:『ギャルが嫁で何が悪い!? 世間体より、乳の正義!』」

「強烈すぎるんだよ内容が!!」

「第2話で、すみれと“おっぱいバトル”するから」

「どんな展開だよそれ!? しかも2話で早すぎるだろ!!」

「ちなみにラストは“ルナ妊娠エンド”で“お母さんになっちゃった♡”ってとこで終わるから!」

「その展開だけアニメ化できないやつ!!」

 ◆ ◆ ◆

「では……わたしも提案を」

 ひよりが静かにスケッチブックを差し出してくる。

「第一話:『観察ヒロイン、恋を学習する』」

「おっ……それは、なんか文学的でいいな?」

「第二話:“勃起の頻度と心理状態の相関関係”についての実験」

「即アウトだよ!!」

「第三話:“夢精の記録”により恋愛感情の統計分析を――」

「もっとアウトだったあああ!!」

 ◆ ◆ ◆

「私はこれ。タイトル、“主人公監禁ハーレム”」

 りあがさらりと提出。

「待って!? 監禁って!?」

「だって……誰かに取られるくらいなら……」

「やめて!? その目で言うな!?!?」

「最後は全員監禁、弘弥は毎日指名制……」

「おおおおい!! 警察案件一直線だよ!?」

 ◆ ◆ ◆

「じゃあ、私も~!」

 あゆむがカラフルなペンで書かれた紙を差し出してくる。

「“年下妹系ヒロイン、攻めの覚醒!”」

「タイトルからして地雷だ!!」

「第二章、“お兄ちゃんのパンツを奪え!”作戦開始」

「もっと地雷だったあああああ!!!」

「最終章、“発情期突入!”ってのがキモなんだ~」

「どこのエロ同人だあああ!!!」

 ◆ ◆ ◆

 そして最後、瑠衣が小声で呟いた。

「“異世界転生・夢精無双――射精するたびに魔力爆増”」

「やっぱり異世界に持ってったあああああ!!」

「主人公:マカベ・ヒロヤ。夢精が唯一の武器」

「そこだけ忠実にモデル化しないでください……」

 ◆ ◆ ◆

 最終的に、ヒロイン全員の案が一枚ずつ並べられたテーブルの上は、
 とてもじゃないが文芸部とは思えない混沌のプロット地獄となっていた。

「というわけで、弘弥くん。“正妻は私”って展開でよろしく!」

「いや俺が書くんだけど!?」

「でも一番“出た”の、私じゃない?」

「出た回数で決めるなああああああ!!」
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