同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第四一一話 「ネーム暴走事件──エッチすぎてボツ祭り!」

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 ──編集部、午前10時。

 ラブ・ラノ編集部に、一通の巨大なPDFファイルが届いた。

 件名:

【夢精勇者】第1話ネームver.3(いおり修正案)
 ※多分、R-15でいけると思います。よろしくお願いします♡

 担当・久遠美月はファイルを開いた瞬間、言葉を失った。

「……これ、いける? どころか、もう行ってるわね……」

 ◆ ◆ ◆

 ネーム1ページ目。

【タイトルカット】
『夢精で世界を救った少年、次は“愛”を知る。』

 主人公が、うっすら汗を滲ませた額に手を当て、ベッドで目を覚ます。
 その直後――

「……来たか、“夢精覚醒”……!」

 背景に神々しい光、布団からふわりと立ち上る“白い波動”。

 ネーム3~7ページ目:

 “魔力の暴発”としての描写が5連続。

 ・白く光る風のような何かが部屋中を包み込む
 ・神官ヒロインが「これは……神託!?」と叫ぶ
 ・布団の中央に**“白く盛り上がったエフェクト”がズームで描かれる
 ・背景、擬音、集中線すべてが水飛沫系演出**

 美月、思わず口元を押さえる。

「これ……これ……下品じゃないのにエロすぎるって、どういうこと!?」

 弘弥も、ページをめくる手が震える。

「ちょ、先生!? なんで“夢精結界”って新単語が出てくるんですか!?
 “濡れ布団から生成される魔法障壁”ってどこの異世界設定!?」

 ◆ ◆ ◆

 ネーム中盤:

 布団を捧げ持つ神官ヒロイン。

「この夜の証……聖なる始まりの印を、
 いま、王国の魔法陣へ──!」

 → なんと、夢精布団を神殿中央に据えて起動する魔法陣描写が全3ページに。

 → 背景には**“乳白色の奔流”が天井へ突き抜ける**神聖(?)な光景。

 ◆ ◆ ◆

 編集会議。

 編集長「……これ、宗教画かな?」

 美月「全ページ、“何か”が舞ってるんですよ。白くてふわふわしてて……」

 若手編集「アレにしか見えません……いや、比喩だと信じたい……」

 弘弥(原作者)「俺……こんな壮大な物語、書いた覚えない……!」

 ◆ ◆ ◆

 その夜。
 弘弥のスマホに、いおり先生からメッセージが届く。

 📩『感想どうだった?ちょっと攻めすぎたかも♡
 でも“精の力”って、希望そのものだと思うの。』

 添付ファイル名:

『夢精エフェクト案ver.7(カラー入り・光量調整済み)』

 弘弥「光量調整しても、根本的にダメなやつだってあるんですよぉぉぉ!!」

 ◆ ◆ ◆

 結論:
 ネームver.3、全ページ修正指示。

 だが、その芸術性と執念には、誰もが震えていた。

 美月(心の声):
「……この女、“夢精”を革命にする気だわ……」
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