同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第四一六話 「“夢精は文化だ”キャンペーン、まさかの海外展示へ」

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 ──ヨーロッパ某国、首都ミュージアム・オブ・モダンラブ。

 その日、歴史は動いた。

 館内中央のホールに鎮座するのは、
 再現・夢精布団。

 真ん中にしっとりと染みが残り、光を浴びて柔らかく波打つその“跡”は――
 まるで、人間の心の痕跡そのものだった。

 ◆ ◆ ◆

【企画展】
 “The Night Bloomed” Exhibition
 ~A Japanese Journey of Youth, Love, and MUSEI~

 主催:現地の人気出版社「Rêves Editions」
 協力:月刊ラブ・ラノ編集部

 展示内容:

 神名寺いおり先生による原画ネーム・カラー原稿

 ことねによる夢精哲学配信の字幕アート映像

 そして“実物大、夢精布団再現モデル(香り付き)”

 ◆ ◆ ◆

 初日来場者、9万1482人。

 中には涙を流しながら見上げる若者たちの姿も。

「これは、俺の話だ……」
「僕も、黙ってただけで……」
「今夜、あの頃の自分を許そうと思えた」

 展示の横には、“体験型”コーナーとして
「君の初めての夜を、ここに」記入ブースが用意されており、
 壁一面に綴られる少年少女たちの「夜の記憶」が展示とともに時を刻んでいた。

 ◆ ◆ ◆

 欧州最大の文化紙「La Vérité」には、こう書かれた。

『日本の少年たちは、夜に恋をする。
 それは罪ではない。文化なのだ。』

 そして現地の評論家が放った一言が、文壇を震わせる。

「“夜間発露”は、時代の青春比喩である。」

 ◆ ◆ ◆

 日本の編集部――。

 パソコンのモニター越しに展示会の様子を見た久遠美月は、
 湯呑を片手に呟いた。

「もう……止まらないのね。
 弘弥くんは……夢精革命家なのよ……」

 主人公・真壁弘弥、ソファに沈みながら首を振った。

「革命なんて起こした覚えないんですけどおおおおおおお!!!」

 ◆ ◆ ◆

 一方、SNSではトレンドが爆誕。

【#夢精布団に祈る会】
【#夜の青春巡礼】
【#ThisIsNotPornThisIsMe】

 ことねの配信も全世界同時字幕で視聴され、
 コメント欄は英語・フランス語・スペイン語・ハングルが入り乱れながら、なぜか統一された結論に達していた。

 “We are all MUSEI.”
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