同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第四一九話 「世界で最もピュアな夜──そして、次なる物語へ」

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 ──それは、あまりにも不思議な現実だった。

 一人の高校生が、
 自分の“夢精”を小説に書いただけ。

 それだけだったはずなのに。

 ◆ ◆ ◆

【受賞速報】

 ・青春文学賞(Youth Literature Prize)受賞
 ・思春期文学大賞(Puberty Literary Award)ダブル受賞

【授賞理由】
「思春期における性と心の揺らぎを、繊細かつ真摯に描いた。
 “恥”を“希望”へと変えた新たな純文学のかたち。」

 世界中のニュースが報じた。

「MUSEI IS HOPE」
「夜の涙が、文学になった」
「爆発しながらも、清らかだった少年の物語」

 ◆ ◆ ◆

 午後。
 主人公・真壁弘弥は、静かにパソコンの前に座っていた。

 キーボードの上で、まだ手が止まっている。

「……書こう」

「今度は、もっと……誰かの背中を押せる物語を」

 彼の瞳には、迷いはなかった。

 かつての“爆発の夜”も、
 もう、恥ではなく、始まりだったのだから。

 ◆ ◆ ◆

 ノートの片隅に、彼が書いた新作のタイトル案。

『夜の鼓動に耳をすませば、恋はまだ夢の中』

 ページの余白には、こう添えられていた。

「これは“君”のために書く物語」

 ◆ ◆ ◆

 夜。

 リビングには、ヒロインたちが集まっていた。

 ことね:「ねぇ、次の作品ってどんなの?」

 すみれ:「今度は……夢精じゃなくて、恋?」

 ルナ:「いやいや!やっぱちょっとぐらい“あふれて”なきゃ弘弥じゃないっしょ♡」

 碧純:「……でも、わたしは知ってるよ。弘弥が、どれだけ真剣に“誰か”を想ってるか」

 あゆむ:「“好き”って気持ちが、夜に溶けてく……それって、すごく綺麗だと思うんだ」

 ヒロインたちは静かに、主人公の横に並んで座る。

 ぬくもりが、肩先に、背中に、頬に。

 ◆ ◆ ◆

 そして、ことねがぽつりと。

「じゃあ今夜も――夢の続きを、見にいこう?」

 弘弥は、笑って頷いた。

「うん。
 今度は、“みんな”の夢を書くよ」

 ──青春は、終わらない。
 “夢精”を超えて、“物語”が、また動き始める。
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