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第四一八話 「世界が恋する物語──“夢精作家”への手紙」
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──夢精。
恥ずかしい言葉。
誰にも言えないこと。
でも、誰しもが“通ってきた”こと。
それを物語にしただけだった。
自分では、ほんの少し勇気を出したつもりだった。
だが。
それは、世界を変え始めていた。
◆ ◆ ◆
週末の昼下がり。
主人公・真壁弘弥のもとに、編集者・久遠美月が大きな段ボールを届けてきた。
「はい、弘弥くん。世界からの“恋文”だよ」
「……え?」
中に詰まっていたのは、手紙。手紙。手紙。
──それは、海外の読者から送られてきた、“感謝の声”。
一通、手にとって開く。
「Dear Musei Writer,
I’m 15.
I had my first wet dream two months ago. I was scared. I thought I was broken.
But then I read your story. And I cried.
Thank you for saying it’s okay.
Thank you for being brave.
Now, I think... I’m okay, too.
From, Leo.」
指先が、震えた。
◆ ◆ ◆
別の手紙。
「“夢精”なんて、男の子のことだって思ってた。
でも、私も似たような気持ちを経験していたのかもしれない。
“誰かを好きになって、夜に泣いて、夢に見た”ってことを──
あなたの物語で、私は自分を肯定できた。」
「涙が止まりませんでした。
私は、これからも生きてみようと思います。」
◆ ◆ ◆
美月が呟く。
「“夜の秘密”を描いたあなたの言葉が、
いま……“生きてていい”という希望になってるの」
弘弥は、言葉が出なかった。
ただ、ひとつ、ぽつりと。
「……夢精って、恥じゃないんだな……」
◆ ◆ ◆
その夜。
リビングに集まったヒロインたちは、布団を囲んで、手紙の山を見つめていた。
ことねは静かに呟く。
「……うん。あなたの夢精は、ちゃんと世界に届いたんだよ」
すみれ:「誇っていい。これは……あなたが誰かの夜を、救った証」
ルナ:「ってか、弘弥ほんとすごいって!マジで地球代表の夢精野郎!」
碧純:「……ほんと、誇らしいよ……バカ兄……」
あゆむ:「“最初”が弘弥くんでよかったって……世界中の“誰か”が思ってるんだよ」
◆ ◆ ◆
弘弥は、ゆっくりと笑った。
「なら……もうちょっとだけ、恥ずかしくても……
この物語の続きを、書いてみようかな」
その言葉に、ヒロインたちは――
誰よりも嬉しそうに、にっこりと微笑んだ。
恥ずかしい言葉。
誰にも言えないこと。
でも、誰しもが“通ってきた”こと。
それを物語にしただけだった。
自分では、ほんの少し勇気を出したつもりだった。
だが。
それは、世界を変え始めていた。
◆ ◆ ◆
週末の昼下がり。
主人公・真壁弘弥のもとに、編集者・久遠美月が大きな段ボールを届けてきた。
「はい、弘弥くん。世界からの“恋文”だよ」
「……え?」
中に詰まっていたのは、手紙。手紙。手紙。
──それは、海外の読者から送られてきた、“感謝の声”。
一通、手にとって開く。
「Dear Musei Writer,
I’m 15.
I had my first wet dream two months ago. I was scared. I thought I was broken.
But then I read your story. And I cried.
Thank you for saying it’s okay.
Thank you for being brave.
Now, I think... I’m okay, too.
From, Leo.」
指先が、震えた。
◆ ◆ ◆
別の手紙。
「“夢精”なんて、男の子のことだって思ってた。
でも、私も似たような気持ちを経験していたのかもしれない。
“誰かを好きになって、夜に泣いて、夢に見た”ってことを──
あなたの物語で、私は自分を肯定できた。」
「涙が止まりませんでした。
私は、これからも生きてみようと思います。」
◆ ◆ ◆
美月が呟く。
「“夜の秘密”を描いたあなたの言葉が、
いま……“生きてていい”という希望になってるの」
弘弥は、言葉が出なかった。
ただ、ひとつ、ぽつりと。
「……夢精って、恥じゃないんだな……」
◆ ◆ ◆
その夜。
リビングに集まったヒロインたちは、布団を囲んで、手紙の山を見つめていた。
ことねは静かに呟く。
「……うん。あなたの夢精は、ちゃんと世界に届いたんだよ」
すみれ:「誇っていい。これは……あなたが誰かの夜を、救った証」
ルナ:「ってか、弘弥ほんとすごいって!マジで地球代表の夢精野郎!」
碧純:「……ほんと、誇らしいよ……バカ兄……」
あゆむ:「“最初”が弘弥くんでよかったって……世界中の“誰か”が思ってるんだよ」
◆ ◆ ◆
弘弥は、ゆっくりと笑った。
「なら……もうちょっとだけ、恥ずかしくても……
この物語の続きを、書いてみようかな」
その言葉に、ヒロインたちは――
誰よりも嬉しそうに、にっこりと微笑んだ。
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