同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第四六一話『検証! ノーパン生活は人類を救うのか』

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 ノーパン派の主張により、我が家の道徳と理性が危機に瀕してから一夜明けた。

 リビングでは、なぜか真剣な空気が流れていた。

「……というわけで、今朝から“検証フェーズ”に入ります」

 眼鏡を押し上げながら言ったのは、観察系ヒロイン・ひよりである。

「いや、何を勝手にプロジェクト始動させてんの!? 俺は許可してないからね!? 一応家主だからな!?」

 だが、ひよりはすでに黙々と“実験装置”を設置していた。
 マネキンにセンサー、温湿度計、赤外線カメラまである。

「……マネキンには布パンツ、レース、シルク、そして“何も履かせていない状態”を用意しました。通気性・皮膚表面温度・湿度の経時変化を測定します」

「いやこれどこで買った!? ていうか、赤外線カメラって何に使うの!? お巡りさん呼ぶぞ!?」

 しかし、すでにすみれまで真剣にノートを取り始めていた。

「確かに……ノーパンが体に悪いと決めつけるのは、科学的根拠に乏しいかも」

「おいおいおい!? すみれさん!? あなたまでこっち側に!?」

 そこに、ことねが静かに割って入った。

「私は……履かないことを、信仰としている」

「信仰!?」

「かの地には“布で隠すことは、魂を閉じ込めること”とされている。私はその教えに従っているの」

「何それ!? どこの民族!? なんでうちに“宗教戦争”持ち込まれてんの!?」

 ことねはソファに正座し、懐からなぜか巻物を取り出す。

「“下着無用経”の写し。信仰の証」

「やめて!? その経文、どんな出版社が刷ってんの!? 怖すぎるから!!」

 一方その頃――碧純は、食卓に頭を抱えていた。

「……お願いだから、履いて。せめて家の中では、履いて」

 その声は、限界を超えた者の祈りだった。

「だって、お兄ちゃんが……その、死ぬでしょ!? 視線のやり場なくて!!」

「私たち、気にしてないけど?」とルナ。
「むしろ“見られる自由”までがノーパンよ」と、すみれ。

「お願いだから!!!」

 碧純、半泣きで叫ぶ。

 その時だった。

「ピーピーピー」

 ひよりのセンサーが鳴った。

「異常です。ノーパンマネキンの通気性が他を圧倒しています。これは……」

「だからって、実生活に取り入れんなよ!? 科学の暴走ってこういうことだからな!? 実装すなぁぁぁ!!」

 こうして、ノーパン生活における健康効果と“人間社会の限界”が同時に議論される、
 とんでもない一日が幕を開けた。

 そして夜――ことねの部屋から、怪しげな香が焚かれ、祝詞が響いた。

 信仰は、今日も元気である。
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