同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第四九七話『ヒロインズ、修羅場会議勃発!』

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 夕方。

 撮影現場近くにある小さなカフェの個室。

 そこに集まったのは──

 ルナ、碧純、すみれ、ひより、ミレーヌ。

 弘弥本人、もちろん不在。

 そして、議題はただひとつだった。

「──幼なじみとか、反則じゃね!?」

 ルナが、テーブルをバンと叩いた。

「ほんと、それな!」

 碧純も、珍しくルナに賛同していた。

「冷静になろうよ……でも、うん、確かに反則」
 すみれが苦笑し、

「観察対象、幼なじみ補正、極めて強力」
 ひよりが真顔でメモを取り、

「黄金の絆、宿命の因縁──」
 ことね(合流済)がポエムモードに突入していた。

 ミレーヌは、膝の上で手をぎゅっと握りしめたまま、
 必死に涙を堪えている。

「でも、でも……!
 諦めるわけにはいきません!」

 ミレーヌが、小さな声で叫んだ。

「わたくしも、弘弥様が……大好き、ですから……!」

 その言葉に、場の空気がぴしりと引き締まった。

「……作戦会議、開始だね」

 すみれが眼鏡を押し上げ、

「失ったら、もう二度と、手に入らないかもしれない」

 ひよりが淡々と告げ、

「黄金の戦、今、始まる」

 ことねが最後の合図を送った。

 全員が、頷いた。

 正妻戦争、正式開幕である。

 それぞれが、作戦を提案し始める。

「まず、弘弥を幼なじみモードから引き剥がす!」
 ルナが元気に提案し、

「兄の好み、全部押さえる!」
 碧純がメモ帳を広げ、

「タイミングを見て、一気に距離を詰めるべき」
 すみれが冷静に指示を出し、

「観察対象、ドキドキイベント投入推奨」
 ひよりが分析結果を出す。

 そして、

「勝つためには……手段を、選びません!」

 ミレーヌが、真っ赤な顔で拳を握った。

 その頃、別の場所。

 ホテルのロビーにいた紗凪も、

 こっそりと、拳を握り締めていた。

「──負けない」

 呟く声は、小さいけれど、確かだった。

 弘弥を巡る、

 本格的な戦いの火蓋が、

 いま、切って落とされた。
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