同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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【第五五七話】 『パンツ見たいなら、見ればいいでしょ!!』

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 部屋の空気が、確実におかしかった。

 目の前には、睨みつけるヒロインズ。
 俺は正座のまま固まっている。

(な、なんだこの緊張感……)

 ルナが、腕を組み、にやりと笑った。

「じゃあさ、兄」

「そんなにパンツ見たかったんなら──」

「見せてやるよ!」

 パァン!

 勢いよく、自分のスカートをめくり上げた。

「うわあああああああ!!!??」

 視界に飛び込んできたのは、
 鮮やかなターコイズブルーの、レース付きショーツ。

 一瞬で、脳が焼き切れる音がした。

「ふふ、見た?」

 ルナがドヤ顔で腰に手を当てる。

「どーだ、リアルの破壊力、思い知ったか?」

「し、ししししし、知らんわあああああ!!!」

 顔を真っ赤にして全力でそっぽを向いた。

 ◆

 だが、それは序章にすぎなかった。

「だったら、私だって!」

 碧純が、頬を膨らませながら前に出た。

「兄は昔から、私のこと子供扱いしてたけど──」

「私だって、もうちゃんと……女なんだから!!」

 バッ!

 勢いよくスカートをたくし上げる。

 パステルピンクの可愛いフリルショーツ。

「ぎゃあああああああ!!!」

 俺は頭を抱えた。

(見えた……見えたああああ!!)

 ◆

「弘弥くん」

 冷静な声。

 見ると、すみれが眼鏡を外し、すっと立ち上がっていた。

「比較検証は、正確に行うべきです」

「……えっ?」

「ならば、私も」

 優雅にスカートを摘み、
 ゆっくりと、めくり上げる。

 純白の、シンプルなショーツ。

「ふわああああああああああああああああ!!!」

 理性の防波堤が、バリンと砕けた音がした。

 ◆

「なら、私も観察対象として──」

 ひよりが、無表情で無言のまま、
 すとんとスカートを持ち上げた。

 淡いミントグリーンの、飾り気のない下着。

「青春記録、更新完了」
 彼女は淡々とメモを取った。

「……く、く、狂ってる……!」

 俺は部屋の隅に追い込まれ、膝を抱えた。

「み、みんな……正気か!?」

「だって、兄が悪いんでしょ?」

 碧純がむくれる。

「パンツ見てにやにやしてた兄が、全部悪いんでしょ?」

「兄のために、リアルで示してあげてるんだよ?」
 ルナが悪戯っぽくウィンクする。

「検証サンプル、無償提供中です。」
 ひよりは真顔でメモ帳を掲げた。

「わたくしも……わたくしも……!」

 ミレーヌが、タタタッと近づいてきて──

 バサァ!!

 スカートをめくった。

 ──次の瞬間。

 世界が静止した。

 ◆

 そこにあったのは。

 何も、なかった。

 パンツも、なにも。

 素肌、だった。

「……ノーパン……?」

 思わず呟いていた。

 ミレーヌは、無邪気に微笑んだ。

「ですの!」

「洗濯中だったので、ノーパンですの!」

 部屋中に、悲鳴が響き渡った。

「ノーパンじゃダメだろぉぉぉぉぉ!!!!」

「青春違う!それ違う!!」

「記録記録記録記録!!!!!」
 ひよりが鬼のようにシャッターを切る。

「先生、わたくし、素直ですから!」
 ミレーヌは胸を張る。

「ぎゃあああああああああ!!!!」

 俺は、
 再び床に突っ伏した。

 青春は、
 どこまでも予想外だった。

【続く】
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