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本能寺から始める常陸之介寛浩

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【動画配信者・一人芝居台本】 『ヤンデレ妹、スパリゾートハワイアンズに沈む──「兄さんだけを見て、兄さんだけに見てほしい夏」』

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【動画配信者・一人芝居台本】
『ヤンデレ妹、スパリゾートハワイアンズに沈む──「兄さんだけを見て、兄さんだけに見てほしい夏」』

 ■設定:
 ・舞台はスパリゾートハワイアンズ。
 ・ヤンデレ妹が配信者として兄とのウォータースライダー体験を実況している。
 ・視聴者への語りかけの裏に、兄への強烈な執着と独占欲が潜む。
 ・兄と二人きりになれないもどかしさや、他者への嫉妬を圧し殺しながらも、最終的には兄への“無言の愛情強要”が滲む構成。







(配信開始。水の音、館内のBGMが遠くに流れている)

「こんにちは、みなさん。
 今日の配信は、ちょっと特別な場所からお届けしています……スパリゾートハワイアンズ。
 あたしが今いるのは……そう、ウォータースライダーの入り口です」

「うふふっ……水着? ……えっと、それは……見せない、かな。
 今日は“兄さん”と一緒だから……他の人には、見せたくないの。
 せっかくこうして、二人で出かけてるのに、配信中でも、誰かに見られてると思うと……なんだか……嫌だから」

「え? 兄さんはどこかって……。
 ふふ、ちょっとだけ離れたところにいるよ。
 でも、すぐ近く。だから……見ててくれてる。あたしのこと……ちゃんと、見ててくれる」

「……あのね。
 あたし、今日のこの配信、ほんとは兄さんにだけ見せたかったんだよ?
 だって……初めてなんだもん、こういう場所。
 水着も、遊園地も、スライダーも……全部、あたしにとっては“初めての夏”だから……
 できれば、兄さんだけに、見ててほしかった……」

(コメントを読む)

「“がんばってー”……うん、ありがとう。
 “彼氏と来てるの?”……ふふ、兄さん、彼氏じゃないよ。
 でも……それよりも、大事な人。
 ……だから、他の人には渡せない」

「このウォータースライダー、“ドラゴンリバー”って名前なんだって。
 すごいでしょ? 全長120メートル、カーブが多くて、スピードも出る。
 兄さんが選んでくれたコース。……だから、あたし、絶対に楽しむって決めたんだ」

「怖い? ……ちょっとだけ、かな。
 でもね……兄さんが“楽しいよ”って言ったから。
 “お前ならできる”って、微笑んでくれたから。
 それだけで、あたしには充分すぎるくらい、勇気になったの」

(深呼吸)

「……兄さん、見ててね。
 あたし、いまから、滑るから。
 どんなふうに叫んでも、どんな顔してても……ちゃんと見届けて。
 目、逸らさないでね? 他の人なんて見ないで。あたしだけを、ちゃんと……」

(スタッフの指示で出発)

「──いきます……っ!!」

(滑る音、水を切る音、叫び)

「きゃあああああああっっ……っ!!!
 うそ、はやっ……なにこれ、無理っ……でも、兄さん……兄さん、見てて……!!」

(暗転ゾーン)

「……っひゃ!? ……まっくら……やだ……でも……兄さんの声、聞こえる……気がする……っ」

(フィニッシュ。水の音、沈む音)

「っぷはっっっ……っ……はぁ……っ……っく……!」

(立ち上がる音)

「……見てた? 兄さん……。
 あたし、ちゃんと、できたよ。
 兄さんが見てくれてると思ったら、どんな怖さも、どんな不安も……全部、流れていった」

「……コメント、見てるよ。
 “すごい楽しそう!”
 “かわいい反応!”
 “他の人とも行ってみたいな~”……。
 ……ねえ、それ、本気で言ってるの?」

「他の人と?
 ……違うでしょ? 今日、この夏、この瞬間……あたしと兄さんだけのものだよ。
 他の誰にも、渡したくない。
 ……全部、兄さんの記憶に残したい。あたしの声も、顔も、髪も、汗も……笑顔も」

(少し沈黙。深呼吸)

「……なんか、ズルいよね。
 兄さんは、誰にでも優しい。
 笑いかけて、褒めて、話して……
 あたしは、それが嬉しいのに、……本当はすっごく、苦しくなるんだよ……」

「だから……兄さんに伝えるね。
 あたし、兄さんが好き。
 妹として? ……ううん、それだけじゃ足りない。
 もっと、もっとずっと……深くて、重たい、どうしようもないくらいの気持ち。
 ……でも、それは今は言わない。今は、まだ」

(配信カメラに向き直る)

「見てくれてたみなさん……ありがとう。
 でも、ごめんなさい。
 ……あたしのこの笑顔は、兄さんのためだけに作ったものだから」

「この配信が終わったら……兄さんと、手をつないで帰るんだ。
 アイスを買って、ベンチに座って、少しだけ、夏の風に当たりながら……ふたりで笑う。
 ……それが、今日のあたしの、いちばんの目標だから」

「じゃあ、配信、そろそろ終わるね。
 みんなには、ありがとうって言うけど……
 兄さんには、あとで……小さな“ありがとう”と、“だいすき”を、こっそり伝えます」

「──バイバイ。またね」

(配信終了音。静かに、妹のつぶやきが残る)

「兄さんだけの、夏。
 ……誰にも、邪魔させない」
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