奴隷亜人の転生旅路〜転生先はやられ役の神獣でした〜

神月るあ

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19話 束の間

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『ぁ、えっ?いいのか?』
「ええ、いいですよ。今更貴族の方が増えた程度、王族の方々と食事している今の私には何の問題も
ありません」

正直言えば、こういうのは"王道いじめのフラグ"という奴だろう。現代社会ではカッターキャーやら
なんやらとバリエーションがあったが、この中世
ヨーロッパ風の世界観ではどうなるのか気になる。あと今は死ぬ事がないから王道いじめってのを
見てみたい!漫画でしか見た事なかったものが
この目で見れるかも!

『ほ、本当にいいのか?』
「構いませんよ、皇太子殿下。…あ、そしたら、
一つ頼み事をよろしいでしょうか?」
『あ、ああ!何でも言ってくれ!』

ほほう、何でも、ねえ…。なら…!

「この城の魔法書を読む権利と、メイド達に様々な魔法を教える権利を与えては頂けませんか?」
『え?そ、そんなものでいいのか?』
「はい。…問題はないでしょうか?」
『ああ、問題ない。私が保証する。丁度、メイド達にも護身できるレベルの魔法は教えたいと思って
いたのだ』

この国にも魔導士は少なからず居るはずだけど、
皇帝の話からして直接教えられる人は
少ないのか。

「でしたら、明日から開始いたしますね。今夜、
またここで」

出来てるのかも合ってるのかもわからないお辞儀をして、私はドア付近で待機してきたクォーツと一緒に部屋に戻った。

ー移動後ー

部屋に戻り、私は置きっぱなしにしていたバッグを開けた。

『(( _ _ ))..zzzZZ』
「…ふふ」

鳥の状態でも、ジャスパーは可愛いなあ…。
今日は結構魔法使ったし、寝てもいいかも。

『んぁ…?主様…?』
「あっ、起こしてごめんね。寝てていいよ?」
『ううん。僕、主様と寝る』

ジャスパーはバックから出て、ポンッと変身し獣人になった。そして、私の手を掴みベッドに連れて行った。

「あ、ちょっと!引っ張らなくても行けるから!」
『でも、魔力少ない。少なくなったら、身動きが
取りにくくなるんじゃないの?』

痛いところをつかれた…。まあ寝るだけだし、
大丈夫か…?

「…。おやすみ」
『うん。おやすみ…』

どれだけ寝ても疲れはなかなか取れないらしく、
すぐにまた眠ってしまった。かく言う私も魔力が
少ないので眠気がする。

ーークォーツ視点ーー

「~~♪ ~~~~♪」
『クォーツさん!ペリドット様って、どんな方なのですか?』
「んえ?」

そう私に聞いてきたのは料理担当で今日特訓を
受けていたコーラルとお庭の整備を担当している
マリンだった。

「何か、気になることでも?」
『それが、私の勘違いならいいのですが…』
「いいから、言ってみてください」
『はい…。あの方は、恐らく亜人でも人間でもない種族なのではないかと…思ったのです』

亜人でも、人間でもない…?異種族ってこと?

「それでは、彼女はどういう存在なのです?」
『前に、神獣様の気配を感じた事がありましたよね。それも二回。ペリドット様は、どう仰ったのですか?』
「確か、空を飛ぶタイプの神獣様が来たのではないかと…」
『…その話、詳しく聞かせてもらってもいい?』
「お、皇子殿下…?」

いつの間にか、私達の後ろには皇子殿下が立って
いた。兄の皇太子殿下もいるようだ。隠すことなどできないので、包み隠さず、私達は話した。
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