奴隷亜人の転生旅路〜転生先はやられ役の神獣でした〜

２７話 神との会話

『そんなぁ…僕、今日は一緒に寝れないの？』
「そうなの…神獣からの言伝でね…」
『それでペリドット様は僕に見てて欲しいと頼んできたのか…』

わざわざセレス殿下に聞くのは勇気いったけど、
さすがに神の声を無視するのは出来ないし、
仕方ない。

「ジャスパー、色々と加護はつけとくからさ、
今日だけ！お願い…」
『わかった…。その代わり、明日はずっと僕と
一緒ね』
「勿論！それじゃあ、お願いね」
『うん』
『では、ペリドット様。また明日』
「はい」

ドアを閉め、念の為色々と結界を貼る。そして、ベッドに潜り込んだ。

「…？」

さっきまで眠くなかった筈なのに、眠気が襲って
きた。まあ嫌がる理由はないのでそれに身を任せる事にした。

ーー？？？ーー

「…？ん？」
『おはよ～、ペリドットちゃん！元気？』
「ええ…貴方が居なければ、元気でしたね」
『わあ辛辣。やっぱ人間として生きると変わるもん
だねえ』

なんだこの世界…。ふと目が覚めたら草むらに
いて…何故かフォルフィア様がいて？うん何も
わかんない。

『ちょっと伝えたいことがあったんだよ。転生者である元の"翠"にも関係がある』
「！！　なんでっ…？」
『まあ、君はあの時の記憶を思い出したんでしょ？私が人間界に落として、君はこの世界に来た。
でも、手違いが起こった』
「…」
『まあ君、奴隷になってたでしょ？その時に体に
強い衝撃があって、一時的に君は死んでたの。
仮死ってところかなぁ』
「え？」

仮死…？え？まって頭が追いつかないな…。

『その時、何故か君の魂は"この世界がゲームで
ある世界"に転生した。しかもペリドットとして
封印していた記憶は全部消された状態で』
「は、はぁ…？」
『私が気付いた時は君はもう人間として暮らして
いた。今から戻す事は出来ないからもう死ぬ時まで
は人間として生きて貰って、元いるはずだったこの
世界は時を止めて、君が死んだらその肉体に転生
させるってしてたんだ』
「…で？」
『人間といえどそんな早く死なないだろって思ってたら、あっさりと屋上から落ちて落下死してて…
でも、死んだらこっちに魂を持って来るって決めて
たから、もう急ぎで元の肉体に戻してある程度
治療して、削除された記憶を復元して。で、今！』

はあ、つまり…？私は翠であり、この世界におけるペリドットでもあると？

「…じゃあ、あの夢は…私の記憶？」
『そう。この世界は人間だった時にやってるゲーム
とよく似てる。でも、違う。そういうの、
知ってるでしょ？』

確かに、アニメとかの中にはゲームの世界と似てる
けど違う、別の異世界ってのはよくある設定だ。
ここもそうだと…。

「えっと…考えを整理したいんですけど、端的に
言うと？」
『君は元々この世界で私の神獣として働いてた。
そして試練としてこの世界の人間界で暮らしてた
けど、事故で別の世界に転生し、そしてまたこの
世界に転生して戻ってきた』

…今まで、ペリドットの中に入ったようなもの
だからあの記憶を見たのはおかしいと思っていた。
それは、私がそもそもペリドットだったから…？

『で、折角会えたんだし、少し質問いい？』
「…どうぞ？」
『君は、今でも私の眷属として生きたいかい？』