【完結】追放された聖女は隣国で…神王に愛され求婚される

第３章

ストロベリーウィッチ

マリッサの魔法グッズを販売するお店がアーライの城下町に開店したのですわ。

私も…変装してちょっとお手伝いするのです！

ラハルト様からは心配されましたが…

私！やれば出来る女ですわよ？

店員はストロベリーブロンドのウイッグにお揃いの魔女衣装でお客様をお出迎えするのです！

今日は店長であるマリッサの恋のおまじないが受けられる日なので開店前から予約しようと並んでいる女性達が凄いんです！

今日は寒いのでお客様達が風邪をひかないようにお茶を配ってきますわ！

私…頑張りますの！

ヒルダは、猫獣人のチャルと一緒にジンジャーティーを笑顔で配っていく。

チャルはストロベリーウィッチの使い魔を人化したイメージとピッタリだから面接で合格したらしい。

黒くてふわふわな毛並みと金色の瞳と長くてふさふさな尻尾が美しい猫獣人である。

お客様からも、チャルの可愛さは大人気で…

撫でてもよいかしら？とか、このお菓子食べて！とか…言われて恥ずかしそうにしている。

私も初対面の時に存分に撫でさせてもらいましたよ！

チャルはきっとストロベリーウィッチの看板娘になりますよ！

私…チャルに会うために毎日通いそうですもの…

魔法グッズ以外で人気なのは、美容グッズみたいですよ？

マリッサのママは美魔女としても人気で紅の魔女シリーズというメイクグッズをアーライで扱っているのがこの店だけなんですって！

ジンジャーティーを配っていたら、このお店で働きたいのだけれど…と見るからに高位貴族のご令嬢から声をかけられましたが…

お付きの侍女から止められていましたので、お家の方からアルバイトしてもよいと言われたら面接に来て下さいと断っておいたよ。

接客するの無理そうだもの…

◇◇◇◇

マリッサ店長は…

恋のおまじないの予約の列を見てビックリしていた。

３０人限定なんだけど…

仕方ない…

限定グッズを販売して帰ってもらおう。

恋が叶うお守りの新作を店頭に並べ、本日限定になります！

恋のおまじないの抽選にもれた方が優先です！とアルバイトの可愛らしいウィッチ達が伝えるとお嬢様方は先にお守りを確保してから店内を何周もしてお目当ての魔法グッズや美容グッズを大量に買い漁っていた。

朝のうちに店内の在庫が切れるというまさかの事態にマリッサは嬉しい悲鳴であった。

ストロベリーウィッチは、アーライの女性達から恋する乙女の聖地と呼ばれるようになるのだ。