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閑話◇愛する君へ

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アイリス…

君と僕の可愛いミディが結婚する事になったよ。

きっと君はもう知っているだろうけど…

相手は倭国の貴族なんだが、ちょっと変わり者らしくて後継ぎにならずに冒険者になり、その後は菓子職人になった未来ある若者なんだよ。

彼の作る和菓子は最高に美味しくて…

君にも食べてもらいたいな。

食いしん坊のミディにピッタリな旦那様なんだよ?

しかも…凄腕の冒険者だから!

使い魔が青龍様って言えばわかるよね?

倭国の王族の血筋だから守り神がついているんだよ。

家柄も、変わり者具合もミディと合ってるだろ?

しかも…イケメンだから…

女共にキャーキャー言われそうなんだが…

めちゃくちゃクールなんだよ…彼…

そんな彼なんだが、最初からミディには優しく接してくれたみたいだよ?

ミディの屈託の無い無邪気なところが良かったらしい。

流石は私達の娘だな!

ミディとその彼であるデイブくんが結婚するんだよ…

あの小さくて可愛かったミディが…

君にもミディの結婚式見てもらいたいけど…

そっちから見えるのかな?

きっと見てるだろうな…

私はまだ君の側には行けないけれど…

心はいつも君のモノだよ。

君が僕の隣にいなくても…

ずっと…

君は私がいなくなったら、私の事は忘れて違う誰かと結ばれて下さいって言ってたけれど…

僕にはずっと君だけだから…

どんな美女に言い寄られても、この気持ちは変わらないと神に誓えるよ。

そんな馬鹿な事は言わないで残りの人生を誰かと共にして欲しいとか言うのは無しだからね!

君と僕は…

ずっとずっと…

続いてくんだよ?

死が二人を分かつ時までじゃなくて…

死んだからと言って君と離れ離れにはならないから!

君の魂が今何処を彷徨ってるのか、僕には見えないけれど…

いつも僕の隣に君がいてくれると思ってるからさみしくなんかないよ?

時々泣いてるでしょ?って…

確かに泣いているけれど…

あれは幸せな涙だから…

君を想って泣くのは…

僕の幸せな時間だよ。

僕が君の元へ旅立つその日まで

どうか僕達家族の事を見守っていてくれよ。

僕の君への愛は枯れる事なく、ずっとずっと溢れ出しているから…

君を忘れる未来なんて来ないよ?

誰かを好きになれなんて…

そっちから魔法使っても無理だからね?

ミディからは、父様も誰かお好きな方を探してはどうか?って言われたけれど…

アイリス以上に愛せる人はいないって伝えたからね!

私の本気の恋は一生に一度だけ。

君に捧げたから…

誰かにあげる愛情など…

残っていないんだよ?

たとえ君が僕の事を忘れてしまっても…

僕は生涯君だけを愛そう。

僕は聖女アイリスを護る騎士だからね。

僕の中では君はちょっと遠くに旅行に行っている位に思ってるんだよ。

しばらく、会えないだけ!

そう思ってるから…

これからもずっと君を愛しているよ。
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