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番外編 ノティス家の内情

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ここはアーライの某公爵家。

少し前に、一人娘が家出した公爵家と言えばお分かりになりますか?

社会見学をすると書き置きをして、突然いなくなった箱入り娘ミルティーヌ。

春からアーライ国立魔法学園に入学が決まっていたのに…

入学式が近づいても帰ってくる様子がないのだ。

専属侍女であるユリアは、責任を取って辞めたいと申し出てきたのだがユリアに非があるわけではないので引き止めている。

ミルティーヌが家出を決行した日に非番だった専属執事のレオンは、お嬢様を探しに行くので休みを下さいと公爵に直訴してきた。

「あの娘は一体何処にいるの?

あなたは知っているんでしょ?

お養父様とコソコソ相談していたの知っているのよ?

私にだけ教えてくれないのなら、私…実家に帰らせて頂きますから!」

使用人だけでなく、妻からも迫られた公爵は…

「みんな好きにしたらいい!

私もしばらくは王宮に泊まる事にするから!

ミルティーヌについては、探さなくともよい。

行先は分かっているからな。」

ミルティーヌが家出した事で公爵家の内部は崩壊しつつある。

仮面夫婦だった公爵夫妻は別居する事になったようだ。

使用人たちも公爵夫人の実家の伯爵家から着いてきた者は夫人と一緒に出ていく準備をしている。

元々、ノティス家に仕えていた者たちは主がいなくなった屋敷で戸惑っていた。

公爵は王宮へ行ってしまうし、公爵夫人は実家に帰っていくというのだから…

執事長のジェイムスは、慌てて先代であるディオンに連絡するのだった。

(バカ息子とバカ嫁は放っておけ!

ジェイムスお前達はしばらくノティス家を離れて、ジュビアにある別荘に行ってもらう。

ミルティーヌは、ミディのところに預けているから安心しなさい。

ユリアとレオン、それとミルティーヌの家庭教師になれそうな者を選りすぐって連れて行きなさい。)

『わかりました!

早速、準備致します!

ノティス家の方はお任せします』

(任せておきなさい。

アイツに家督を譲ったのは失敗だったよ。

ミルティーヌが成人したら、ミルティーヌを次期公爵にする事も考えなくてはな…

ジュビアの別荘の責任者はお前だから後はまかせたぞ。)

『ディオン様!

お任せ下さい!

ミルティーヌお嬢様を迎える準備が整い次第、連絡致します』

(頼んだぞ、ジェイムス!)

ディオンと念話を終えたジェイムスは最低限の留守番役だけを残し、ジュビアに旅立つのだった。






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