なぜか私だけ、前世の記憶がありません!

紺野想太

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お兄様は優しいのかも?

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私の婚約者…という、フロリアン様が部屋を出て、私は混乱する脳内をそのままに、もう一度眠りについてしまった。


再び起きたのは、空が赤くなり始めた頃。

寝てばかりもいられないし、お腹も空いてきた。とりあえず起きなくちゃいけないわね。

いつもは乳母さ…乳母が用意してくれる冷たい水で目を覚まし、自分で着替えて部屋の前に置かれているご飯を食べるのだけど、今日は水もないし乳母の姿もみていない。そういえば、さっきみんなが集まっていた時にも姿がなかった。
どこで水を汲んでいるのか分からないし、私には水がはいった桶を運ぶ力なんてないから…顔を洗うのは諦めるしかないわね。
クローゼットの中には、着回して古くなってきたシンプルなドレスが5着。乳母がいないならご飯も扉の前にないだろうし、人に会うならできるだけ繕いが少ない綺麗なものを着ないと。

薄緑色のドレスを掴んで着替える。
これなら派手でもないし、目立つこともないわ。
昔から着ているから少しだけ丈が短いけれど、このくらいは許してくださるわよね。

着替えが終わったら髪をひとつにまとめて、扉に手をかける。
そういえば、ここを開けてご飯を取る事はあっても、ここから外に出るのはとても久しぶりな気がする。
たまに、どうしようもなく寂しくなったらお母様が使っていた部屋に行ってお母様のベッドで眠ることはあったけど…。そうだ、私がお母様の部屋に入る度にお母様の物が無くなってしまって、立ち入りを禁止されたんだ。

お母様がいた頃は揃って食事をしていたから、なんとなく場所は覚えているけど…少しだけ、緊張する。自分の家なのに変だわ。

できるだけ物音を立てないように歩く。
綺麗に掃除されている石の床は裸足には冷たい。それでも廊下の中心に敷かれているふかふかの高級そうな絨毯は踏まないように気を付けて歩いた。
絨毯を踏むと乳母に怒られたからだ。私にはもったいない、ここはお父様やお兄様、乳母のような偉い人だけが踏んでいいもので、私のように汚い裸足では決して乗ってはいけないと。

おぼろげな記憶を頼りに食堂に到着した。
確か、ここの扉を抜けた奥にお食事を作っている場所があったから、そこに行って頼めば何かいただけるかもしれない。

「……ガリアナ。」

扉を開けようとした時、後ろから名前を呼ばれて声が出ないほど驚いた。足音なんてなかったのに…

「お、お兄様…」

「どうした?」

「あ、いえ…その、少しだけご飯をいただけないかと思いまして……」

「…ついてこい。」

お兄様が私の手首を掴んで先を歩く。強引で、歩幅があわないから半ば引きずられるように歩いた。
何か気にさわることをしてしまったかしら…やっぱりドレスが派手だった?それとも裸足は汚かった?でも私、靴はもっていないし…

「…ほら。ここに座れ。」

「え……」

怒られると思っていた私をよそに、お兄様は食堂に並ぶテーブルまで連れてきてくれた。
…いつか、私が座っていた席だ。

「ここがお前の席だろう。」

「そ、そう…でしたが……。」

お母様が亡くなってから、私が顔を出すとお父様たちの機嫌が悪くなると乳母に言われ、ここに来ることはなくなった。だからもうここは私の席ではないと思っていたのに。

戸惑っていると、お兄様がため息をついた。
そして、私の体が宙に浮く。

「……え!?お兄様!?」

「暴れるな。座らせてやるだけだ。この椅子はお前には高いから。」

その言葉通り、すぐに私の体は椅子の上に置かれた。

「…軽いな。俺が10歳の頃はとっくにひとりで座れていたが。」

お兄様は私を抱えた手を見つめながら、独り言のように呟いた。

「…すみません。お兄様の手を煩わせてしまって…あの、私、奥で食べ物をいただいたら部屋で食べます。」

「どうして?」

「ど、どうして…と言われましても…。私がここにいると、お兄様たちを不快にさせてしまうでしょう?」

「誰がそんなことを言った?あの女か?」

お兄様が目を細めて眉間に皺を寄せて…まるで怒っている時のお父様にそっくりな顔で、私の肩を掴む。

「お、女…えぇ、乳母様…あ、いえ乳母が。」

「…たった4歳だったお前に、そんなことを?」

「……お母様が亡くなったのは、私のせいですから。お父様やお兄様が私なんかの顔は見たくないでしょう。」

「…俺も、父上も、母上の死がお前のせいだなんて思ったことは無い。ただ…お前は母上にとても懐いていたから、食堂に来れないほどショックだったのだろうと思っていた。でもそれ以降ここには姿を見せなくなって…部屋の方が良いのかと思っていたんだ。」

「そんな…だってお母様は私を産んでからお体の調子が優れなくて…!いつも、乳母が部屋の前に食事を置いてくださるから、私は食堂まで行かなかったんです。」

「部屋の前に置いていたのか?お前の食べ物を?中まで持っていくのではなく。」

「えぇ。扉を開けたところに、朝晩。」

「昼は?お前の分も俺たちと同じものを3食作っていただろう。…お前は食が細いから、ほとんど残されていたが…」

「い、いえ。ご飯は朝晩でした。それに、私、いただいたご飯を残したことなんて一度も…」

「なんだと?スープとパンとほんの少しの野菜しか手をつけていなかったじゃないか。料理長がどう工夫しても駄目だといつも悩んで…」

「…そ、それ以外にご飯があったのですか?」

私の言葉にお兄様の動きが止まる。

「…お前がこんなに小さいのも、全部あいつのせいだったんだな。」

お兄様が肩を掴む力を緩めた。
代わりに、私の腕をさする。

「待っていろ。いま食事を用意させる。……お前は何が好きだ?」

「あ…えっと、コーンのスープが好きです。あとパンは丸くてジャムが入っているやつが…」

咄嗟に答えてしまったけど、こんなわがままを急に言ったら困らせてしまうかもしれない。もう夜ご飯の用意は始まっているだろうし…。

「……心配しなくていい。すぐにできる。」

そんな私の不安を見透かしたように、お兄様が声をかけてくれる。どこか遠慮しているように、私の頭に軽く触れた。
私は頷くしかできなかったけれど、お兄様はほんの少しだけ口角をあげて奥へ向かっていった。



「ほら。すぐだって言ったろ?」

お兄様が戻ってきたのは、僅か数分後。
料理長…だったと思うおじいさんも一緒だ。

「わ…!」

目の前に置かれたのは、温かそうなコーンのスープとジャムのパン。それに、ドレッシングのかかったサラダとハム。

「お嬢様。話は聞きました。お嬢様のために作っていた食事は…おそらく、お嬢様の乳母が運ぶ途中でどこかに隠していたのでしょう。手がつかないまま戻ってきていたので、わしはてっきり料理がお嬢様の口に合わないのだとばかり…。……普段あまり食べていらっしゃらなかったようですので、軽いものを用意させていただきました。少しづつ量を増やしていきますので、都度お嬢様のお好きなものや苦手なものを教えてくださいませ。」

「…ありがとうございます。こんなに温かいご飯を用意してくれて…。それと、今まで他に作ってくれていたものに気付けなくてごめんなさい。せっかく考えてくださっていたのに…」

「そんな!お嬢様は何も…!わしが、あれこれ悩む前にお嬢様に直接お伺いしていればもっと早くに気付けましたのに…。申し訳ございません。」

それから私とおじいさんがお互い謝りあって、収集がつかなくなったところをお兄様に止められた。
そしてようやく私は用意してもらったご飯に手をつけた。スープもパンも、温かいのは久しぶり。冷たくても美味しかったけど、温かいともっと美味しい。

「美味しいです!とっても!」

きっと、温かいからだけじゃない。
ひとりで食べるご飯は作業のようだった。でもいまは、お兄様とおじいさんが横にいてくれる。誰かと一緒のご飯は美味しいんだ。そうだ、ここで食べていた頃はご飯がとても楽しみで……

「ガリアナ?」

「あ…私……」

気付けば涙が出ていた。
私、本当はずっと寂しかったんだ。
私のせいだからって、ひとりでも大丈夫だって強がっていたけど、本当はずっとずっと、お兄様たちとここでご飯を食べたかった。

「だ、大丈夫か?えっと…」

お兄様が慌てたように、手を私の目元と空中で動かしている。涙を拭うのを躊躇っているみたい。
私は涙が止まらないけどどこか冷静なままで、おじいさんがお兄様に何か耳打ちしているのもちゃんと見えていた。

「お、お兄、様…」

お兄様は私に向き直り、手を大きく広げて私を抱き締めた。
力が強くて、少しだけ痛い。でも、とってもとっても、あたたかい。

「……ごめんな。もっと…もっと早く、お前にこうしてやれていれば……」

噛み締めるような、悔しそうな声。でも怒っているわけではないのは分かった。

久しぶりに人の温もりに触れ、私の涙はますます止まらない。
鼻の奥がツンと痛くて、喉がキュッとしまる。
お兄様の肩に涙が滲んで、濡らしてしまったけれど、お兄様は変わらず強い力で抱き締めていてくれた。

しばらくして涙が止まると、お兄様の腕の力がゆっくりとゆるんで、温もりが離れていく。
それでもなぜか、私の体はぽかぽかと温かいままな気がした。

「……落ち着いたか?」

「はい…。ごめんなさいお兄様、お洋服を汚してしまって…。」

「気にするな。こんなことどうでもいいんだ。…父上のところに行く前に着替えるが…お前もその服だと夜は冷えるだろ。一緒に行くか?」

お兄様から差し出された手を、思わずとってしまう。
けれど私には着替える服も羽織るものもないことを思い出した。

「あ、あの、お兄様。私…これ以外の服は、その、お見せできるようなものではなくて…」

「……いま着てるのは寝間着じゃないのか?」

「ど、ドレスです……」

「…話は後で聞こう。とりあえず俺の部屋に行って、お前でも羽織れそうなものを見繕う。…そういえば……」

お兄様がなにか呟きながら、私を抱き抱えて椅子から下ろしてくれる。

おじいさんにお礼を言って、これからはここで食べてもいいですかと伝えた。おじいさんは嬉しそうに頷いてくれた。

そして……なぜかお兄様に抱えられたまま、私は食堂を後にした。

「お、お兄様!下ろしてください…!」

「嫌か?」

「嫌というわけでは…でも私、重いですし、もう10歳ですから!」

「お前が重いわけないだろう。軽すぎる。…それに、好きで裸足なわけじゃないんだろ?体を冷やすのは良くない。」

「あ…靴は、もう大きさが合わなくなってしまって…」

「…お前が服をねだる度に俺や父上が送っていただろう?…とはいえ、あのクソ女のせいでお前には届いていなかったんだろうな。」

「私、お兄様たちに服をねだるなんて……」

「……そこからか……。まぁ、たしか俺の部屋にまだ届けていなかった服があったからとりあえずそれを着るといい。」

あっという間にお兄様の部屋についた。お兄様の部屋に入るのは初めてかもしれない。

「…ほら、これ。趣味に合うかは分からないが、少なくとも寒くはないだろ。」

手早く上着を変えたお兄様は、クローゼットの中にあった箱からドレスを出して渡してくれた。
下が紫のようなピンクのような色で、上になるにつれ濃い藍色になる、夜明け前のようなドレス。キラキラした小さなラメと宝石が散りばめられていてとても綺麗だ。

「わぁ…!綺麗です!」

「……そうか。ほら、着替えだ。手伝おうか?」

お兄様が目を逸らしながら言う。…もしかして、綺麗という言葉を喜んでくれたのだろうか。

「服は一人で着れます!…み、見ないでくださいね!」

「見るわけないだろ。」

お兄様が部屋の隅に向かって立ってくれたのを確認して、服を着替える。

お兄様が用意してくださったドレスに比べたら、私が今着ているものが寝間着だと思われても納得だわ。

……と、いうか……このドレス、いつも着ているものと比べて重いし、フリルが多くてどこに頭をいれたらいいのか……

「……まだ終わらないのか?」

「す、すみませんお兄様…ちょっと手間取って……」

「…はぁ。怒るなよ。」

「え?」

お兄様が私のほうに歩いてくる。

「え、え!?お兄様!」

「…なんでそんなとこから頭をいれようとしてるんだ?後ろのファスナーを腰まで下げて、そこから足を入れるんだ。」

不可解、という様子のお兄様が私の手からドレスを取って、ほら、と渡してくれる。

「あ、ありがとうございます…」

足を通して、腕も袖に通す。

「後ろしめるぞ。」

お兄様にファスナーをしめてもらった。
すると、そのまま肩に温かいものが掛けられる。

「……これは…?」

「そのドレスに合うと思って。」

白いレースのボレロ。どう見てもお兄様のものではないし、これも合わせて買ってくれていたんだろう。

……それなら、お兄様がこれまで私のために買ってくれていた服は、どこにいってしまったの?

もしかして乳母が…

……そういえば、お兄様に寝間着だと言われたドレスも、元はもっとキラキラしていた。
けれど乳母が装飾やレースを取ったのだ。私には勿体無いものだから、装飾品が好きだったお母様のお墓に供える飾りにすると言って。
ドレスが届かなくなったのも、その頃からだった。


「…ガリアナ。父上のところに行こうか?」

「あ……はい。お兄様。」

「靴は…流石にサイズが分からなくて用意できなかったから、明日にでも仕立てよう。それまで我慢させて悪いが…」

「いえ我慢なんて…えっ」

再びお兄様に抱えられる。これは、さっきまでの抱っことは違くて……前に本で読んだ、お姫様抱っこだ。

「こ、これっ…!」

「なんだ?こっちの方が安定するだろ。そのドレスでさっきみたいに抱えるのは難しいからな。……俺が嫌なら、少し目を閉じてろ。」



私を掴むお兄様の手に力がこもって、少し震えているような気がした。
私はそれ以上なにも言わず、ただお兄様の肩に手を回して顔をうずめた。



もしかしたら、お兄様は私が思っていたよりずっと優しい人なのかもしれない。

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