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12.パーティー②

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「武器を構えろ!!」

 目の前にいるのは30年前に見た事があった魔物、スケルトンに似ている魔物だが、剣を二本持っており速度も力も比にならない

「あいつには勝てない!!逃げるぞ!」

 サザベルが引き返すように言うが、奴は俺たちの逃げ道を塞いでいた

「戦うしかない!挟み撃ちでいくぞ!!」

 見ただけで分かるのは、尋常じゃない強さということ、サザベルと協力して倒すしかない

「【風刃】!」

 俺の方に素早く近づいてくる魔物に魔法を打つ

「くっ…!」

「ルーク!!」

 軽々と避けた魔物にサザベルが剣を降り出す

「助かった…」

 あの魔法を使うしかない

「【ゴーレム生成】!!」 

 サザベルの前では使わなかった【ゴーレム生成】を使い、3体のゴーレムを創り出した

「これは…召喚魔法か!?」

「そうだ」

 話していると魔物はまた距離を詰めてくる

「俺とゴーレムが引き寄せている内に、やつの魔石を破壊してくれ!」

「分かった!!」

 俺とゴーレムは魔物を囲み攻撃を仕掛けた

「【石砲】!」

 当たらないが誤魔化しにはちょうどいい、とにかく魔法を打つ

「【ゴーレム生成】!」

 今ある魔力を使って周りの岩をゴーレムにし、魔物への攻撃をさせる

「今だ!」

「うおおおお!」

 俺が魔物を抑えているうちに、サザベルは魔石を一刀両断した

「なんだったんだこいつは…」

「恐ろしく強いな…ルークの召喚魔法がなければ倒せなかったぜ」

 サザベルに疑問を投げかけられる

「あの魔法はなんだ?何十体も魔物を召喚するなんて不可能に近いが…」

 ここであのことを話しても良かったが、俺のことを知ってた以上話すことは出来ない

「訳あってな、秘密にしていてくれよ」

「そうか…悪かった」

 口止めした後、魔物の死骸を見てみる

「なんだか不気味だな、骨が異様に重い」

 普通の魔物の骨とは思えないほどの重さだ

「鑑定してみる」

 俺がスキル【鑑定】を使ってみるが、【???】としか出てこない

「俺も見た事のない魔物だ、念の為ギルドに持っていくか」

 なにか異変が起きているのならギルドに確認してもらう必要がある、特にこの様なスケルトン型の魔物は極めて出現しずらい

「そうだな、全部は持てないから一部持っていこう」

 そうして俺達は頭蓋骨を持ちコスタルのギルドへ行った


 ~冒険者ギルド~


「突然すまない、見てもらいたい物がある」

 ギルドへ着き、先程倒した魔物の頭蓋骨を見せる

「え、ええと、これはスケルトンですか?」

「いや、恐らく違う、鑑定してみても【???】としか表示されなかった」

 ギルドの職員に渡すも、摩訶不思議そうな顔で見ている

「確かにスケルトンではありませんね…念の為ギルド長を呼んで来ます」

 職員は受付の奥に行った

「ギルド長!!」

 ギルドの奥からギルド長らしき人物が出てきた

「君達か、不思議な魔物を倒したというのは」

 ギルド長が持ち帰った頭蓋骨を見ている

「【鑑定】してみたけど…これは恐らくアンデットだ」

「アンデット!?」

 アンデットはたくさんの憎悪心によって生まれた特異な存在だ

「うん…この街に出てくるとは思わなかったよ」

 アンデットが出てくるのは非常に稀で、俺も実物を生で見たことがなかった

「けど…よく倒せたね、二人のランクはいくつ?」

「俺はBだ」

「Dだ」

 ギルド長は驚いた表情で話す

「本来ならAランクの強さだから…Dランクか、君はすぐにでもCランクに昇格させることもできるよ」

「本当か!?」

 めんどくさかったランク上げを思わぬ所で出来てしまったようだ

「強い冒険者はランクが上がらないともったいないからね、もう一人の君はAランクには上げられないと思う、ごめんね」

「大丈夫だ」

 さすがにサザベルがBからAに上がるということは無さそうだな

「買取主がいないだろうから買取は出来ないけど…こちらで保存してもいいかな、アンデットとは非常に興味深くてね」

「ああ、いいぞ、なぁサザベル?」

 ギルド長は頭蓋骨を保存したいということなので、直ぐに許諾した

「もちろんだ」

「ありがとう、二人はこの街の冒険者では無いようだけど…何しにここへ?」

「このコスタルのビックボアの討伐依頼を受けに来てたんだ、そしたらこんな魔物にあっちまったんだ」

 そういえば俺たちは依頼で来ていたんだ…忘れていた

「じゃあ俺たちは帰るな、また何かあったら来る」

 依頼を終えたの帰ることにした、飯でも食べたかったがそんな気力は無かった



 ~リフガ~


「着いたな~」

 Aランクの魔物とやりあったので二人ともほとんど喋らずに帰ってきた

「あとは冒険者ギルドに行くだけだな」

「じゃあ俺とルークで金貨2枚づつでいいか?」

「いや…金貨1枚で良い」

 依頼の報酬金の話になったが、俺は金貨1枚で十分だった

「本当にいいのか…?」

「ああ、ランクが上がっただけで十分だ」

 今回思わぬことでランクが上がった、面倒なランク上げが省かれたんだ、サザベルにはお礼として金貨1枚譲ることにした


「はい!依頼は達成になります!報酬金をどうぞ!」

「じゃあこれで金貨1枚だ、ルーク今日は助かった、これからもよろしくな」

 依頼の報告を済ませたので、サザベルと別れることにした

「飯でも食いに行くかー」



――ー――――――――――――



「ここは…どこ…?」
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