厄介払いされたハーフエルフの王女は嫁ぎ先の人間至上主義国で男装して国王になる

転定妙用

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人間至上主義を改革します

私のことがわかりません?

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 サラスは、国王代理、男装して国王を装っている時に顔を隠しているベールを頭から取って、素顔を晒した。それは、夜の女王との2人だけの茶会の席、これで10回目の時だった。彼女が嫁いできた1年近くの日々が過ぎていた。
「私は、女王様は既に薄々ご存じだったかと思いますが、国王ガマリエルではありません。ルーガム王国より、嫁いでまいりましたサラスです。この国、ナルシス王国の人間の慣習ということで、度々男装して女であることを、ハーフエルフであることを隠して、国王を装ってきました。今日は、素顔を晒し、慣習に反することは重々存じでおりますが、今宵は女王様と胸襟を開いて、この国の未来について、お話をしたいと思い、素顔を晒させていただきました。これから話すことは、夫のガマリエルは知らぬことでございます。」
と、頭を下げて一気にサラスは言い立てた。これまで、ほとんどは差しさわりのない、とは言いつつも国のことに関することが大半ではあったが会話で終始していた。それでも、遠回しにこの国の在り方を変えるべきことを彼女に伝えたが、彼女の反応はサラスが今日、彼女の計画を話すに相応しい相手であると確信が持てるものだった。100%ではないが、彼女はその可能性に賭けることにしたのである。

 この前に、夜の女王は2人の男女、一人は人間の若い男、もう一人は若いハイエルフの女だった。
 サラスと夜の女王が、テーブルを挟んで座る席の側まで来て、2人は深々の頭を下げた。
「あの時は、父がお見苦しいところを見せ、申し訳ありませんでした。」
と男は言った。
"確かに、侯爵とあろう者がみっともなかったわね。"
 事前の申し入れもなく王宮に参内して、国王に拝謁を願ったのである。本来なら、追い返すのが当然ではあったが、調度枢密院の会議が終わり、途中から彼女の後ろにいたガマリエルが姿を消し、彼女だけで議事を進めていたこともあって、
「終わって部屋を出て奥に戻るが、その途中に侯爵がいれば、挨拶がてら声をかけてやろう。」
と、侯爵のことを伝えに来た者に言ってやった。

 部屋を出て廊下を歩いていると、かの侯爵が跪いていた。彼女は、彼に声かけた。彼の目的は、自分の息子、長男である、が国法を犯し、奴隷に落とされることになったことについて、何とか救済を嘆願しにきたのだった。国法違反というのは、彼がハイエルフの女性と結婚するということだった。エルフだけでなく、人間と亜人との結婚は、国法で禁止されている。それを犯した以上、高位の貴族と言っても、いや、高位の貴族であるが故にも、厳しく法律を適用するのが当然である。二人は奴隷となり、夜の女王の管轄に入ることになる、高等法院最高府の判決は、正にそうなった。

「あのエルフ女は、あくまでも奴隷・・・決して正式な妻ではなく、ペットのようなものであって・・・ということで。」
と悲痛な声で嘆願してきた。流石に、気に障ったサウスだが、息子が奴隷、跡取り息子が、ということに同情してやる必要もあると思い直し、
「国法を違えることはできない。それに、決定がでたことである。しかし、夜の女王には、侯爵家の跡取りとして相応しい待遇を与えられるように伝えておこう。」
と言ってやった。
 その程度では満足できない侯爵ではあったが、一応言ったことですっきりした、というところか、連れて行こうとする衛兵達に抵抗はせずに従って行ってしまった。亜人との結婚禁止は、国王については対象外となっている、サラスはあくまで人間という建前になっているが。

 二人は手を握り幸福そうだった。
「かの侯爵家には、この罪で領地、家財の一部を没収となりましたが、全てこの2人のものとし、奴隷ではありますが、侯爵という位と待遇を認められております。そのことは、国王陛下よりも認められております。身分と能力、実績に相応しい役職も与え、手腕を発揮してもらっています。」
と夜の女王が説明すれば、
「やりがいのある日々を送っておりますし、彼女を正式な妻として迎え、幸せに暮らしております。」
「私も幸せです。」
と幸せ報告をする2人だった。装いも肌艶もとてもよかった。サラスが気にかけているからということでの、夜の女王の配慮だった。
 実際、彼の父侯爵が言ったようなやり方で、もちろん他国の奴隷のような立場におくのではなく名目ではある、夜の女王の保護下にあるので。また、あくまで人間であるということで、という手段をとる場合もある。大抵は、周囲も見て見ぬふりをする。例は多くないが、そのような方法はある。だが、この二人の場合、男の方が彼女の尊厳を重視し、あくまで正式な妻として、ということに拘ったことから始まるものだった。
 待遇はちゃんとされるものの、父侯爵としては、息子がナルシス王国での地位を失う、夜の女王の管轄に入るということで、ということをどうしても避けたかったのだろう。それも、当然のことであったろう、やはり異なるのである。
"そういう婚姻禁止の制度はない方がいいのよ。"
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