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正体をばらされたくないならば、と脅迫されてもねえ・・・
脅迫は続く
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「ほう、タン・キ殿か。わざわざ私のところにまでやってきた、正式な手続きを踏まずに、教えてもらおうかね?」
ガマリエルが、訊ねた。彼は、夜の女王の装いをする前だった。彼の前に、エルフの騎士、大斧を構えたオーガ、短銃を構える奴隷達が、数人の女を従えた中年の小柄な男に対峙していた。
「ナルシス王国国王陛下。ご警戒することはありません。少しばかりお話をしたいだけです。」
シユウ帝国からの使者であり、帝国摂政であるタン・キは、幾重にも固められた警備を無視したように、夜の女王の領域に入ったばかりの区画に彼は現れた。
「陛下。奴は実体ではありません。魔法で投影しているものです。女達は、精神体です。少し注意して下さい。」
エルフの女魔導士が耳元で囁いた。どこが危険なのかは、ガマリエルにはよくは分からなかったが、とにかく頷いた。今はとにかくタンの相手をすることだし、彼らの魔法投影を切断することだった。
「陛下のお気持ちはわかりますよ。夜の女王から、この国を取り戻そうとしているのでしょう。夜の女王は、王妃と手を組んで国政を壟断していることは分かっておりますよ。陛下は、ナルシス王国を取り戻すため、夜の女王やナルシス王国の同志を糾合して、国の実権を回復しようとしておられる。我が国としては、それに協力してもよろしいと考えております。」
と相手を圧するような視線を向けて、厳かな調子で言った。
「内政のことに外国の協力はいらぬ、と断ったらどうするつもりか?」
と伺うように彼が切り返すと、
「我が国の協力は不可欠かと。王妃様が国王を装っているのは貴族や宰相達も、軍幹部も共謀してのこと、外国であろうと、協力者がいなければ反撃は難しいと思慮します。それに、このことが・・・国王が奴隷達を集めて行動しようとしていることを知られては困るのは、陛下ではありませんか?」
「それで、貴国の望みは?」
「それは、陛下が我々の提案を受け入れてくれれば、話し合いの席でお話しましょう。」
足下を見るような口調だった。
「わかった。しばらく考えさせてもらおう。ただし、このような形で現れることは今後は許さないから、そのつもりでいてもらおう。他の正式な手順で私の前にきたまえ。この提案のことは秘密として守るから心配しないでほしい。」
「それはお約束できませんな。我々にも奥の手が必要ですからな。それでは今宵はこれで。」
というと彼の姿は消えた。しばらくして、女達の姿も消えた。
「わかったか?投影は女達がやっている。女達は、どこかに設置した、多分奴らの宿舎だな、距離的に見ると、魔法石を介しているな。」
「お分りに?」
「何となく感じた。お前の意見は?」
「同意見です。ここまでが限界のようです。多分、夜の女王の管轄の、この先の結界は大丈夫かと。」
「多分な。しかし、再検討だ。さらにここまで入れないようにしろ、少なくとも。早急にだ。錬金術師たちの協力も仰げ。」
「はい。分かりました。」
奴隷の文官担当が四方に散った。
「取り合えず周囲の警戒。それから魔法領域での警戒。しばらくはここを動かない。」
夜の女王としての仕事があるが、今動いて夜の女王の正体が知られては困る。
"困るか?"と心の中で反問した。別に正体がわかってもいいではないか?堂々と我が国の制度なのだ、と言ってもかまわないのではないか?何故、秘密にしている?秘密にしているわけではない。積極的に語ってやることがないだけだ。どうして積極的に語らない?そういうことになっている、他国に言うべきことではない。外に向けて明らかにするナルシス王国との両義性の関係の夜の女王は内にこもり明らかにしない存在なのだ。それを考えると、ガマリエルは自分自身の回答に納得してしまう。ただし、少し迷う。現状では、この両義性を明らかにしないのは理があると思っている。結構人間至上主義の国は多い。それらの中には、必ずしもそうではない場合も多いが、そう言った国々との関係では人間至上主義が徹底したナルシス王国というのは好ましい。人間至上主義ではない国には、夜の女王の存在が重要である。彼らには、はっきりとは分からない方がいい。人間至上主義が抑えられているという印象さえあればいいからだ。
今現在は、現状がいいに決まっている。相手側がどの程度の情報をもっているか様子見ができるし、相手の誤解を利用して翻弄させたり、罠にかけられるかもしれないからだ。
ガマリエルが、訊ねた。彼は、夜の女王の装いをする前だった。彼の前に、エルフの騎士、大斧を構えたオーガ、短銃を構える奴隷達が、数人の女を従えた中年の小柄な男に対峙していた。
「ナルシス王国国王陛下。ご警戒することはありません。少しばかりお話をしたいだけです。」
シユウ帝国からの使者であり、帝国摂政であるタン・キは、幾重にも固められた警備を無視したように、夜の女王の領域に入ったばかりの区画に彼は現れた。
「陛下。奴は実体ではありません。魔法で投影しているものです。女達は、精神体です。少し注意して下さい。」
エルフの女魔導士が耳元で囁いた。どこが危険なのかは、ガマリエルにはよくは分からなかったが、とにかく頷いた。今はとにかくタンの相手をすることだし、彼らの魔法投影を切断することだった。
「陛下のお気持ちはわかりますよ。夜の女王から、この国を取り戻そうとしているのでしょう。夜の女王は、王妃と手を組んで国政を壟断していることは分かっておりますよ。陛下は、ナルシス王国を取り戻すため、夜の女王やナルシス王国の同志を糾合して、国の実権を回復しようとしておられる。我が国としては、それに協力してもよろしいと考えております。」
と相手を圧するような視線を向けて、厳かな調子で言った。
「内政のことに外国の協力はいらぬ、と断ったらどうするつもりか?」
と伺うように彼が切り返すと、
「我が国の協力は不可欠かと。王妃様が国王を装っているのは貴族や宰相達も、軍幹部も共謀してのこと、外国であろうと、協力者がいなければ反撃は難しいと思慮します。それに、このことが・・・国王が奴隷達を集めて行動しようとしていることを知られては困るのは、陛下ではありませんか?」
「それで、貴国の望みは?」
「それは、陛下が我々の提案を受け入れてくれれば、話し合いの席でお話しましょう。」
足下を見るような口調だった。
「わかった。しばらく考えさせてもらおう。ただし、このような形で現れることは今後は許さないから、そのつもりでいてもらおう。他の正式な手順で私の前にきたまえ。この提案のことは秘密として守るから心配しないでほしい。」
「それはお約束できませんな。我々にも奥の手が必要ですからな。それでは今宵はこれで。」
というと彼の姿は消えた。しばらくして、女達の姿も消えた。
「わかったか?投影は女達がやっている。女達は、どこかに設置した、多分奴らの宿舎だな、距離的に見ると、魔法石を介しているな。」
「お分りに?」
「何となく感じた。お前の意見は?」
「同意見です。ここまでが限界のようです。多分、夜の女王の管轄の、この先の結界は大丈夫かと。」
「多分な。しかし、再検討だ。さらにここまで入れないようにしろ、少なくとも。早急にだ。錬金術師たちの協力も仰げ。」
「はい。分かりました。」
奴隷の文官担当が四方に散った。
「取り合えず周囲の警戒。それから魔法領域での警戒。しばらくはここを動かない。」
夜の女王としての仕事があるが、今動いて夜の女王の正体が知られては困る。
"困るか?"と心の中で反問した。別に正体がわかってもいいではないか?堂々と我が国の制度なのだ、と言ってもかまわないのではないか?何故、秘密にしている?秘密にしているわけではない。積極的に語ってやることがないだけだ。どうして積極的に語らない?そういうことになっている、他国に言うべきことではない。外に向けて明らかにするナルシス王国との両義性の関係の夜の女王は内にこもり明らかにしない存在なのだ。それを考えると、ガマリエルは自分自身の回答に納得してしまう。ただし、少し迷う。現状では、この両義性を明らかにしないのは理があると思っている。結構人間至上主義の国は多い。それらの中には、必ずしもそうではない場合も多いが、そう言った国々との関係では人間至上主義が徹底したナルシス王国というのは好ましい。人間至上主義ではない国には、夜の女王の存在が重要である。彼らには、はっきりとは分からない方がいい。人間至上主義が抑えられているという印象さえあればいいからだ。
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