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我が正義である・・・っね・・・。
暗殺者達➁
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「大公閣下。同盟国であるナルシス王国国王暗殺未遂の疑いで逮捕いたします。」
ヒッタイト王国アッシ大公は、国王の使者の一行の前で、その整った顔は平静さを保ったまま、
「何を証拠に。」
暗殺組織は、絶対に依頼主のことは口は割らない。だから、自分がその依頼主であることは証拠などありえないと踏んだのである。
「残念ながら、ナルシス王国の錬金術者が実行犯の脳から直接の情報をとりだしました。それを使って組織を壊滅し、その幹部の脳から直接情報を取り出し、あなた様にたどり着きました。」
「そ、そんなことを・・・他国の卑しい錬金術師の言葉を、私の言葉よりも信じるというのか?」
舌がもつれだし、少し体が震えるのを感じた。
「申し開きは、国王陛下のもとでしてください。既にナルシス王国から、証拠と関係者の処罰要求がきていますから。」
「だ、誰か。狼藉ものだ。衛兵はどうした?」
彼の叫びに呼応する者はでてこなかった。
「残念ながら、既に館は我が隊が制圧しております。誰も、助けにはこれません。」
「ま、待て。私は、国王を幽閉し国王に成りすませたハーフエルフの王妃の暗殺を依頼しただけだ。ナルシス王国のためにしたのだ。ナルシス王国の民に真実を公表すれば・・・。」
「ナルシス王国では、王妃が男装して国王の代理をすることがあり、それが国の慣習で国民に周知のことだそうです。弁明は陛下の前でなさってください。」
項垂れて、動けなくなった小柄の大公を二人の屈強な兵士が運んでいった。
「しかし、大公は何を得るつもりだったのでしようね?」
「さあな・・・。」
当の大公は、ナルシス王国の国王の座が約束されたということを証言したが、それ以上は自分自身でもわからなくなっていた。そして、ナルシス王国から、錬金術師が派遣されることになった。
「ナルシス王国から、抗議の手紙がきた?我が国が夜の女王の暗殺を謀った?暗殺組織に依頼した?その証拠も?ふん、そういうものは無視すればいいのよ。もうすぐ、各国がナルシス王国への侵攻を始めるわ。あの国は、もうどうすることもできない状態になる。我が国をどうこうできる余裕はないわ。」
バビル市の最高執政官、ニケルはヒステリックになりかける自分を抑えて、ナルシス王国からの手紙を伝える行政官を黙らせた。商業国家であり、共和制をとる都市国家バビル市は、富が集積するとともに、色々な種族が入り込んでいた。多様な面を見せる都市と言われてきた。ナルシス王国に近く、持ちつ持たれつの関係のはずであった。同盟関係もある。ただ、エルフの聖樹関係の物品やドアーフの特殊な武器・道具・装飾品の輸出で競合関係にあった。交渉で調整できることではあったが、市内のエルフやドアーフが猛反対、人間もオーガも同調した。そこにきて、ナルシス王国の王妃が男装して国王を偽っているとの情報があり、確認したところ事実だと判明した。今、ナルシス王国は混乱状態にあると判断した、バビル市の幹部達はそれに乗じて、夜の女王を暗殺して、エルフもドアーフもその保護を失えば、一気に人間至上主義が優位に立ち、エルフ、ドアーフは抑圧され、その産物を生産するどころでなくなり・・・と考えたのである。
「たしか・・・そのはずだが・・・ニケルという女性最高執政官なんていた?なんで私は反対しなかった?」
彼女の副官は、頭の中の肝心なところに靄がかかるのを感じながら、彼女の指示を伝えるべく足を速めていた。
「なんだ?この匂い?」
何かの香料か、香木の香りかと思われた。
「いい匂いだ。」
つい口に出して、それを吸い込み、その香りを楽しもうとした。すると、何か急に頭の霧が失せていくような気がした。そして、ㇵッとした。元来た道を駆けだした。そして、最高執政官室のドアを荒々しく開けた。
「どうしたの?急に戻って来て、その態度は?」
いつものはきはきした厳しいが美しいはずの声が、今はそうは聞えなかった。そして、目の前のニケル最高執政官は、最高執政官という役職などないことが突然思い出すことができた、やや年増とはいえそれを感じさせない金髪の美しい知性が香っているような美人ではなかった。
「何をしているの?」
だみ声の異様な雌?でしかなかった、そこにいたのは。
「ば、化け物め。」
その臭いは、ナルシス王国の使節が持参した香木からの香りだった。ナルシス王国の錬金術師達が暗殺者達の記憶を追って、解析した結果、何か人を惑わす存在を把握、その性格、その幻惑を打ち消す香りを持つ香木を開発し、もちこんだのだ。特殊な性格ゆえに、いくつかの場所に置いたのだが、市内全土にその匂いは広がり、いたるところで異様な存在が見つかり死闘が繰り広げられたものの、その化け物としかいいえない存在は全て殺された、例外なしに。
ヒッタイト王国アッシ大公は、国王の使者の一行の前で、その整った顔は平静さを保ったまま、
「何を証拠に。」
暗殺組織は、絶対に依頼主のことは口は割らない。だから、自分がその依頼主であることは証拠などありえないと踏んだのである。
「残念ながら、ナルシス王国の錬金術者が実行犯の脳から直接の情報をとりだしました。それを使って組織を壊滅し、その幹部の脳から直接情報を取り出し、あなた様にたどり着きました。」
「そ、そんなことを・・・他国の卑しい錬金術師の言葉を、私の言葉よりも信じるというのか?」
舌がもつれだし、少し体が震えるのを感じた。
「申し開きは、国王陛下のもとでしてください。既にナルシス王国から、証拠と関係者の処罰要求がきていますから。」
「だ、誰か。狼藉ものだ。衛兵はどうした?」
彼の叫びに呼応する者はでてこなかった。
「残念ながら、既に館は我が隊が制圧しております。誰も、助けにはこれません。」
「ま、待て。私は、国王を幽閉し国王に成りすませたハーフエルフの王妃の暗殺を依頼しただけだ。ナルシス王国のためにしたのだ。ナルシス王国の民に真実を公表すれば・・・。」
「ナルシス王国では、王妃が男装して国王の代理をすることがあり、それが国の慣習で国民に周知のことだそうです。弁明は陛下の前でなさってください。」
項垂れて、動けなくなった小柄の大公を二人の屈強な兵士が運んでいった。
「しかし、大公は何を得るつもりだったのでしようね?」
「さあな・・・。」
当の大公は、ナルシス王国の国王の座が約束されたということを証言したが、それ以上は自分自身でもわからなくなっていた。そして、ナルシス王国から、錬金術師が派遣されることになった。
「ナルシス王国から、抗議の手紙がきた?我が国が夜の女王の暗殺を謀った?暗殺組織に依頼した?その証拠も?ふん、そういうものは無視すればいいのよ。もうすぐ、各国がナルシス王国への侵攻を始めるわ。あの国は、もうどうすることもできない状態になる。我が国をどうこうできる余裕はないわ。」
バビル市の最高執政官、ニケルはヒステリックになりかける自分を抑えて、ナルシス王国からの手紙を伝える行政官を黙らせた。商業国家であり、共和制をとる都市国家バビル市は、富が集積するとともに、色々な種族が入り込んでいた。多様な面を見せる都市と言われてきた。ナルシス王国に近く、持ちつ持たれつの関係のはずであった。同盟関係もある。ただ、エルフの聖樹関係の物品やドアーフの特殊な武器・道具・装飾品の輸出で競合関係にあった。交渉で調整できることではあったが、市内のエルフやドアーフが猛反対、人間もオーガも同調した。そこにきて、ナルシス王国の王妃が男装して国王を偽っているとの情報があり、確認したところ事実だと判明した。今、ナルシス王国は混乱状態にあると判断した、バビル市の幹部達はそれに乗じて、夜の女王を暗殺して、エルフもドアーフもその保護を失えば、一気に人間至上主義が優位に立ち、エルフ、ドアーフは抑圧され、その産物を生産するどころでなくなり・・・と考えたのである。
「たしか・・・そのはずだが・・・ニケルという女性最高執政官なんていた?なんで私は反対しなかった?」
彼女の副官は、頭の中の肝心なところに靄がかかるのを感じながら、彼女の指示を伝えるべく足を速めていた。
「なんだ?この匂い?」
何かの香料か、香木の香りかと思われた。
「いい匂いだ。」
つい口に出して、それを吸い込み、その香りを楽しもうとした。すると、何か急に頭の霧が失せていくような気がした。そして、ㇵッとした。元来た道を駆けだした。そして、最高執政官室のドアを荒々しく開けた。
「どうしたの?急に戻って来て、その態度は?」
いつものはきはきした厳しいが美しいはずの声が、今はそうは聞えなかった。そして、目の前のニケル最高執政官は、最高執政官という役職などないことが突然思い出すことができた、やや年増とはいえそれを感じさせない金髪の美しい知性が香っているような美人ではなかった。
「何をしているの?」
だみ声の異様な雌?でしかなかった、そこにいたのは。
「ば、化け物め。」
その臭いは、ナルシス王国の使節が持参した香木からの香りだった。ナルシス王国の錬金術師達が暗殺者達の記憶を追って、解析した結果、何か人を惑わす存在を把握、その性格、その幻惑を打ち消す香りを持つ香木を開発し、もちこんだのだ。特殊な性格ゆえに、いくつかの場所に置いたのだが、市内全土にその匂いは広がり、いたるところで異様な存在が見つかり死闘が繰り広げられたものの、その化け物としかいいえない存在は全て殺された、例外なしに。
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