厄介払いされたハーフエルフの王女は嫁ぎ先の人間至上主義国で男装して国王になる

転定妙用

文字の大きさ
39 / 42
戦争勃発しました

戦いの進展

しおりを挟む
 状況は、防戦に徹するという当初の方針とは異なり、各国に援軍を派遣することにならざるを得なかくなってしまった。ナルシス王国にとっては、兵力の分散ということになり、慣れない地での戦、準備不足、物資の普及、補給線の伸びと言う問題が出てしまった。援軍にいった同盟国との連合軍との調整も、現地の住民との関係の問題もでた。どんなに必要であり、自分達の危機を救うために来たと言っても、外国軍、外国人が来ることはどうしても反発してしまうのが常である。

 シユウ王国の攻撃に瀕しているヤロウ王国に対して、ここでは、ヤロウ王国の受け入れ態勢が整っていることもあり、何とか防衛線を構築して、防戦に徹することで何とか兵力差、レムス王国軍の数は連合軍の三倍近くに上っていた、を耐えて何度も撃退には成功したが、侵攻をあきらめさせるところまで行かず、戦いは長引きそうだった。

 他方、レムス王国に侵攻されたディオ王国にガマリエルはサラスと共に軍を率いて援軍に駆け付けることになった。危機に瀕した王都の救援が第一ではあるものの、直接向かっても待ち伏せられる可能性も高くリスクが高いため、他の地域のディオ王国軍とともに遊撃戦を展開したり、王都への補給路の確保のため戦い、各地に城塞を築城して王都への救援への布石、レムス軍の後方の攪乱などを図ることとなった。王都が少しでも長くというよりも、高価が出るまで、王都救援の攻勢ができるまで持ちこたえてほしいというところであり、王都がどれだけ持つかという他人の奮戦に期待を持たざるを得ない苦しい状態に落ち込むこととなった。王都への物資補給には何度か成功し、王都へのレムス軍の圧力も後方かく乱で減らすことはできたとは言え・・・だった。シユウ王国の戦線が何とか早く終結して、レムス王国の戦線に加わってほしいというところだった。
 彼自身、
「あまりに都合がいい考えだが・・・。」
という状況だった。

 ショク軍の方はというと、ナルシス王国との間の国を攻略、というより内部にクーデターを起こさせて混乱させ、だまし討ちの形で王都を陥落させて、ナルシス王国に一気に侵攻してきてしまった。ただし、国境線のナルシス王国の防衛線が準備完了という状態だったため、そこで食い止めることができた。そして、乗っ取った形のリョウ王国の残党の軍が各地で決起、ショク軍と戦闘を開始、ナルシス王国の支援も受けて、ショク軍を苦しめることになった。コウメイ考案の攻城兵器で攻撃するものの、ナルシス王国の錬金術師達が作った防御策、銃砲等が一歩優れていたため、攻め落とすことができないでいた。何とかそのまま保ってほしいと願望するガマリエルだった。

 突然、戦局が動いた。ショク軍がシユウ王国に侵入したのである。両国の間には、2つの国があった。だから、少なくとも当面は、互いに脅威を感じてはいなかった。かえって、その2国の分割について極秘裏での交渉すらしていたほどだった。ただ、それぞれ国境を接する時大きな脅威となることと分割案が食い違いが大きく、あまり進展はしていなかった。だが、少なくともシユウ王国にとっては、両国関係は良好なものだと考えていた。
 が、突然の侵攻だった。破竹の進撃でショク軍はシユウ王国王都に迫った。
 その2か国は、宰相がコウメイの誘いに乗り、両国の友好条約、3国間の友好条約締結として己が国王を送り出したのである。宰相達は、自分達の国王がショク王国に捕らえられ、幽閉されることを知っての上での行動だった。そして、ショク軍を積極的に引き入れた。
 コウメイは、ナルシス王国方面は一転して守勢にまわし、兵力をシユウ王国の侵攻にまわした。進まないナルシス王国への侵攻よりも、突然に進んだシユウ王国方面を兵をまわした方がいいと判断したのた。ただし、これは彼の考えではなく、彼とショク王国で両翼とされるもう一人の軍師の提言とも言われているが。

 シユウ王国のタンは、この状況を見てナルシス王国・ヤロウ王国との停戦交渉を開始した。これを予知していたコウメイは、サウスあてに夫であるショク王国国王ゲントクに協力して、シユウ王国軍を追撃するように要請した。要請の使者には、コウメイの妻があてられた。
「なに?この醜女。」
 サウスの第一印象というか、その場全員の感想だった。顔は悪いが、実はそうではないとか体が大きい美女だあるためそう言う話となっているとも噂されていたが、皆が真実を見た、という思いだった。しかも、そのかわり聡明だという話でもあったが、彼女の口からでるのはそういうものはなにもなかった。
「ショク王国の使者殿。我が国は、シユウ王国との停戦、いや和平に応ずるつもりだ。何かの要請があるのであれば、我が国に向けた軍を引き上げ、停戦、和平を約束してからにしてほしい。」
とガマリエルが告げた。ここでは、ガマリエルは国王としてでていた。
 それに彼女は全くひるむことなく、立ち上がり、
「お前になど話してはおらぬ。私が話しているのは、聖人であるショク王国国王陛下の妻であり、ナルシス王国国王サラス様だ。国王の真似はするでない、下れ下郎。サラス様ね夫の要請にこたえるのが妻の勤め。さあ、ご命令なされ。」
 どうして聡明なコウメイが、希代の謀略家であり、名宰相、優れた軍師である彼がここまでトンデモナイ考え違いをしているのか、サラスには、その場にいたナルシス王国の者全員が驚くほどだった。しかし、コウメイの妻のただならぬ様子に、誰もが自分の武器を手にし、構えた。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~

ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」 魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。 ――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。 「ここ……どこ?」 現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。 救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。 「ほら、食え」 「……いいの?」 焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。 行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。 旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。 「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」 「ウチの子は天才か!?」 ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。 これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。 ※若干の百合風味を含みます。

僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です1~またクビになったけど、親代わりのメイドが慰めてくれるので悲しくなんてない!!~

あきくん☆ひろくん
ファンタジー
仕事を失い、居場所をなくした青年。 彼に仕えるのは――世界を救った英雄たちだった。 剣も魔法も得意ではない主人公は、 最強のメイドたちに守られながら生きている。 だが彼自身は、 「守られるだけの存在」でいることを良しとしなかった。 自分にできることは何か。 この世界で、どう生きていくべきか。 最強の力を持つ者たちと、 何者でもない一人の青年。 その主従関係は、やがて世界の歪みと過去へと繋がっていく。 本作は、 圧倒的な安心感のある日常パートと、 必要なときには本格的に描かれる戦い、 そして「守られる側の成長」を軸にした 完結済み長編ファンタジーです。 シリーズ作品の一編ですが、本作単体でもお楽しみいただけます。 最後まで安心して、一気読みしていただければ幸いです。

異世界転生した元開発担当、チート農業スキルで最高級米を作って「恵方巻」を流行らせます!没落令嬢と組んでライバル商会をざまぁする

黒崎隼人
ファンタジー
コンビニ弁当の開発担当だった俺は、過労の果てに異世界へ転生した。 手に入れたのは、触れるだけで作物を育て、品種改良までできる農業チートスキル『豊穣の指先』。 でも、俺が作りたいのは普通の野菜じゃない。 前世で最後に食べ損ねた、あの「恵方巻」だ! 流れ着いた先は、パンとスープが主食の田舎町。 そこで出会ったのは、経営難で倒産寸前の商会を切り盛りする、腹ペコお嬢様のリリアナだった。 「黒くて太い棒を、無言で丸かじりするんですか……? そんな野蛮な料理、売れるわけがありません!」 最初はドン引きしていた彼女も、一口食べればその美味さに陥落寸前? 異世界の住人に「今年の吉方位を向いて無言で願い事をする」という謎の風習を定着させろ! 米作りから海苔の養殖、さらにはライバル商会とのバトルまで。 チート農家と没落令嬢がタッグを組んで挑む、おいしくておかしなグルメ・サクセスストーリー、開店!

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」 「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」  私は思わずそう言った。  だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。  ***  私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。  お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。  だから父からも煙たがられているのは自覚があった。  しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。  「必ず仕返ししてやろう」って。  そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

処理中です...