同一性の彼方に、さよならを探して

2120年8月31日

私の22歳の誕生日

――その日に相沢一澄は死んだ。

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【Second Self Protocol】


 Second Self Protocol(通称:第二自己制度)は、2040年に日本で施行され、人格・能力および社会的役割の継承を通じて労働力の安定確保と人間の喪失解消により精神安定を目的とした制度である。

 本制度の対象となる新生児は、生まれた直後より視覚・聴覚・感情・脳波などを記録する専用装置を装着し、15歳までの間に取得された情報を人工知能が学習・模倣することで、学習元と99.9%同一とされる複製体「セカンド」を生成する。
 セカンドは機関管理の独立専用施設にて隔離・訓練され、学習元本人との接触は厳格に制限されている。15歳以降の記録は随時共有されることはなく、学習元の死亡時に一括して記憶が注入される。

 移行時には記憶再構成および認知調整が施され、セカンドは自己を学習元本人と認識することとなる。
 制度には例外規定が設けられ、政治家、司法関係者、国家関連職等の重要職種においては、生活移行が制限されている。

 セカンドの身体的成長は20歳で停止するが、生活移行後は学習元と同様の加齢が許可される。

 また、学習元が80歳を迎える年にセカンドは制度により機能停止されることが定められており、これが制度上の最終的な死とされている。


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私はただ、ちゃんとさよならをしたかった。


『 同一性の彼方に、さよならを探して 』

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