13 / 16
第十二話 切り開いた道
しおりを挟む
騎士たちは勝鬨の声を上げ、互いに抱き合い、魔王の消滅を喜びあった。
その中をプリメラは「行くわよ」とロードに声をかけ、颯爽とその場から姿を消した。
そうしてブリジットのいる場所へと戻り、魔王がいなくなったことを報告した。
晴れ晴れとした顔で姉妹は抱き合い、それから騎士たちよりも先にと岩山を出た。
そのままイザベラの元へとブリジットを送り届けると、久しぶりの三姉妹の再会もそこそこにプリメラは王都へと向かう馬車に乗り込んだ。
いなくなったプリメラをエドワードが心配しているだろう。
疲れ切ったらしいプリメラはがたごと揺れる馬車のなかでくうくうとかわいらしいいびきを立てている。
それを一人眺めながら、ロードはずっと考え込んでいた。
切り開かれたこの先を。
プリメラの「滅び去れ魔王!」とかわいらしくはない寝言に思考を邪魔されながら。
魔王が消えると、多くの魔物は人間に恐れをなしたのか、大手を振って闊歩することはなくなり、森に隠れ住むようになったようだ。
それだけで人間への被害は各段に減るだろう。
この国も少しずつ平和を取り戻していくにちがいない。
城に戻ると、中庭でエドワードに行き会い、プリメラは約束通りしっぺ十回をその細い腕に受けた。
剣で鍛えた腕にしては、エドワードのしっぺは優しく撫でるようなものでしかなかった。
プリメラがブラコンになるわけだ。
「反省しているのか?」
「……」
そこは嘘でもハイだろう。
「わかっているのか? 私の大事な妹の身を危険に晒すのではない!」
そう言ってエドワードはプリメラをがばりと抱きしめた。
一瞬ロードに言われたのかと全身に冷や汗をかいたが、「ごめんなさい」と呟いたプリメラの肩越しにじっとこちらを見られていたということは勘違いでもなかったようだ。
「お兄様に救っていただいた命です。私もお兄様のように、王女として今後魔王の被害に遭う人がいなくなるよう全身全霊をもって努めねばならないと邁進しただけのことです」
「おまえがいきなり魔王に斬りかかったときは心臓が破裂するかと思った」
それはロードも思った。
「魔王に跳ね飛ばされながらもまた向かって行った時にはもうやめてくれと思った」
それも思った。
「最後に一刀を背後の騎士に譲ったのは、心から安堵した」
本当にそう。
「だが結果としてプリメラは無事帰った。だから言わねばならない。この国のため、よく働いてくれた」
「はい!」
目に涙を浮かべ抱き合うプリメラを見て、ロードはその場をそっと離れようとした。
しかしすぐにバレて「君がロードだな」と王太子に声をかけられた。
「プリメラ。母上が心配してずっとおろおろ歩き回って憔悴しているよ。無事な顔を見せて止めてあげて」
「はっ! そうでした。すぐ向かいます」
プリメラは思い出したように王太子からがばりと離れ、中庭から小走りに駆け去って行った。
その後ろ姿を見送り、くるりとロードに向き直った王太子エドワードは、にこりと笑顔を浮かべた。
「プリメラが強引で悪かったね」
「いえ。命を救われた大事な兄弟を失いたくないと思う気持ちは理解できますから」
「ああ、そっちの話か。だが生贄なんて無意味だと私が直訴したのは、きっかけはプリメラだったんだよ」
どういうことかとロードがエドワードに目を向けると、思い出すようにふっと笑った。
「父から『次の生贄はお前だ。覚悟しておくように』と告げられたまだ幼いプリメラは首を傾げて言ったんだ。『何故生贄は王女でなければならないのですか?』とね」
幼い、しかし純粋な疑問に、国王は『魔王への捧げものなのだから、若い女でなくてはならないだろう』と答えた。
だがプリメラはさらに首を傾げた。
『魔王の好みをご存じなほど意思の疎通がはかれているのですか? それなら、交渉により平和の糸口を探り根本解決に努めたほうがよろしいのでは?』
それを聞いた国王陛下は閉口しつつも『魔王の好みなど知らん』と突っぱねた。
それに対しプリメラは反対側に首を傾げ、にこっと笑った。
『なら渋みがかったおじさまが好みかもしれませんね。試してみられては?』と。
鶏肉も雛鳥が好きな人もいればしっかりした親鳥が好きな人もいる。脂肪の多い雌鶏が好きな人もいれば、筋肉質な雄鶏が好きな人もいる。
魔王の好みにあえば、満足して生贄を求める間隔も長くなるかもしれず、そうなれば犠牲者の数も少なく済む。
それがプリメラの主張だった。
「しかし国民に代わって王家が犠牲を払うという慣習が続いてきた背景からすれば、プリメラが言っているのは『父上が行けばいいんじゃないですか?』ということになる。父もそう捉えて、『私には国を守り、導く役目がある』と腹立たしげに返したんだけど。プリメラは全然納得していなかったんだよね」
『私が将来お父様よりも国民に必要とされる立派な人間になる可能性もあります。私はまだ子どもで、この先どのように成長するのかわからないのですから、早々に決断されるのはリスクではありませんか?』
――ですが今、お父様の代わりをできる方はいますよね?
暗にそう問われた国王は顔を真っ青にするやら真っ赤にするやら、そのまま立ち上がって部屋を出て行ってしまったそうだ。
実の娘にそんなことを言われて平静でいられるわけがない。
しかし国王こそが同じことを先に実の娘に告げたのだ。
「その会話を聞いていた者たちは、なんと非情な娘だと言ったけれど、父は既に姉と妹たちを生贄として送り出している。なぜ父親はだめなのに娘はいいのか。私も初めてそう思ったよ」
それがきっかけとなり、生贄を捧げることに疑問を持ち、膨大な情報を集計し、意味などないと立証して見せたのだ。
プリメラも、エドワードも、イザベラも、ブリジットも。
生贄を送り出す国王の子供たちは、『生』へ向かう道を辿ったのだ。
「そんなプリメラだから、君のことを放っておけなかったのだろうね。私に呪いなどないと証明してみせると豪語したのは、それだけじゃないんだろうけど」
そう言ってエドワードは笑みを浮かべると、プリメラの後を追うように中庭を去っていった。
プリメラも、ロードも、生まれた時から背負ってきたものをやっと追いやることができた。
だがどんな立場の人間であれ、何かに縛られている。
どんな望みも叶えられるわけではなく、そのためには――。
その中をプリメラは「行くわよ」とロードに声をかけ、颯爽とその場から姿を消した。
そうしてブリジットのいる場所へと戻り、魔王がいなくなったことを報告した。
晴れ晴れとした顔で姉妹は抱き合い、それから騎士たちよりも先にと岩山を出た。
そのままイザベラの元へとブリジットを送り届けると、久しぶりの三姉妹の再会もそこそこにプリメラは王都へと向かう馬車に乗り込んだ。
いなくなったプリメラをエドワードが心配しているだろう。
疲れ切ったらしいプリメラはがたごと揺れる馬車のなかでくうくうとかわいらしいいびきを立てている。
それを一人眺めながら、ロードはずっと考え込んでいた。
切り開かれたこの先を。
プリメラの「滅び去れ魔王!」とかわいらしくはない寝言に思考を邪魔されながら。
魔王が消えると、多くの魔物は人間に恐れをなしたのか、大手を振って闊歩することはなくなり、森に隠れ住むようになったようだ。
それだけで人間への被害は各段に減るだろう。
この国も少しずつ平和を取り戻していくにちがいない。
城に戻ると、中庭でエドワードに行き会い、プリメラは約束通りしっぺ十回をその細い腕に受けた。
剣で鍛えた腕にしては、エドワードのしっぺは優しく撫でるようなものでしかなかった。
プリメラがブラコンになるわけだ。
「反省しているのか?」
「……」
そこは嘘でもハイだろう。
「わかっているのか? 私の大事な妹の身を危険に晒すのではない!」
そう言ってエドワードはプリメラをがばりと抱きしめた。
一瞬ロードに言われたのかと全身に冷や汗をかいたが、「ごめんなさい」と呟いたプリメラの肩越しにじっとこちらを見られていたということは勘違いでもなかったようだ。
「お兄様に救っていただいた命です。私もお兄様のように、王女として今後魔王の被害に遭う人がいなくなるよう全身全霊をもって努めねばならないと邁進しただけのことです」
「おまえがいきなり魔王に斬りかかったときは心臓が破裂するかと思った」
それはロードも思った。
「魔王に跳ね飛ばされながらもまた向かって行った時にはもうやめてくれと思った」
それも思った。
「最後に一刀を背後の騎士に譲ったのは、心から安堵した」
本当にそう。
「だが結果としてプリメラは無事帰った。だから言わねばならない。この国のため、よく働いてくれた」
「はい!」
目に涙を浮かべ抱き合うプリメラを見て、ロードはその場をそっと離れようとした。
しかしすぐにバレて「君がロードだな」と王太子に声をかけられた。
「プリメラ。母上が心配してずっとおろおろ歩き回って憔悴しているよ。無事な顔を見せて止めてあげて」
「はっ! そうでした。すぐ向かいます」
プリメラは思い出したように王太子からがばりと離れ、中庭から小走りに駆け去って行った。
その後ろ姿を見送り、くるりとロードに向き直った王太子エドワードは、にこりと笑顔を浮かべた。
「プリメラが強引で悪かったね」
「いえ。命を救われた大事な兄弟を失いたくないと思う気持ちは理解できますから」
「ああ、そっちの話か。だが生贄なんて無意味だと私が直訴したのは、きっかけはプリメラだったんだよ」
どういうことかとロードがエドワードに目を向けると、思い出すようにふっと笑った。
「父から『次の生贄はお前だ。覚悟しておくように』と告げられたまだ幼いプリメラは首を傾げて言ったんだ。『何故生贄は王女でなければならないのですか?』とね」
幼い、しかし純粋な疑問に、国王は『魔王への捧げものなのだから、若い女でなくてはならないだろう』と答えた。
だがプリメラはさらに首を傾げた。
『魔王の好みをご存じなほど意思の疎通がはかれているのですか? それなら、交渉により平和の糸口を探り根本解決に努めたほうがよろしいのでは?』
それを聞いた国王陛下は閉口しつつも『魔王の好みなど知らん』と突っぱねた。
それに対しプリメラは反対側に首を傾げ、にこっと笑った。
『なら渋みがかったおじさまが好みかもしれませんね。試してみられては?』と。
鶏肉も雛鳥が好きな人もいればしっかりした親鳥が好きな人もいる。脂肪の多い雌鶏が好きな人もいれば、筋肉質な雄鶏が好きな人もいる。
魔王の好みにあえば、満足して生贄を求める間隔も長くなるかもしれず、そうなれば犠牲者の数も少なく済む。
それがプリメラの主張だった。
「しかし国民に代わって王家が犠牲を払うという慣習が続いてきた背景からすれば、プリメラが言っているのは『父上が行けばいいんじゃないですか?』ということになる。父もそう捉えて、『私には国を守り、導く役目がある』と腹立たしげに返したんだけど。プリメラは全然納得していなかったんだよね」
『私が将来お父様よりも国民に必要とされる立派な人間になる可能性もあります。私はまだ子どもで、この先どのように成長するのかわからないのですから、早々に決断されるのはリスクではありませんか?』
――ですが今、お父様の代わりをできる方はいますよね?
暗にそう問われた国王は顔を真っ青にするやら真っ赤にするやら、そのまま立ち上がって部屋を出て行ってしまったそうだ。
実の娘にそんなことを言われて平静でいられるわけがない。
しかし国王こそが同じことを先に実の娘に告げたのだ。
「その会話を聞いていた者たちは、なんと非情な娘だと言ったけれど、父は既に姉と妹たちを生贄として送り出している。なぜ父親はだめなのに娘はいいのか。私も初めてそう思ったよ」
それがきっかけとなり、生贄を捧げることに疑問を持ち、膨大な情報を集計し、意味などないと立証して見せたのだ。
プリメラも、エドワードも、イザベラも、ブリジットも。
生贄を送り出す国王の子供たちは、『生』へ向かう道を辿ったのだ。
「そんなプリメラだから、君のことを放っておけなかったのだろうね。私に呪いなどないと証明してみせると豪語したのは、それだけじゃないんだろうけど」
そう言ってエドワードは笑みを浮かべると、プリメラの後を追うように中庭を去っていった。
プリメラも、ロードも、生まれた時から背負ってきたものをやっと追いやることができた。
だがどんな立場の人間であれ、何かに縛られている。
どんな望みも叶えられるわけではなく、そのためには――。
15
あなたにおすすめの小説
白狼王の贄姫のはずが黒狼王子の番となって愛されることになりました
鳥花風星
恋愛
白狼王の生贄としてささげられた人間族の第二王女ライラは、白狼王から「生贄はいらない、第三王子のものになれ」と言われる。
第三王子レリウスは、手はボロボロでやせ細ったライラを見て王女ではなく偽物だと疑うが、ライラは正真正銘第二王女で、側妃の娘ということで正妃とその子供たちから酷い扱いを受けていたのだった。真相を知ったレリウスはライラを自分の屋敷に住まわせる。
いつも笑顔を絶やさず周囲の人間と馴染もうと努力するライラをレリウスもいつの間にか大切に思うようになるが、ライラが番かもしれないと分かるとなぜか黙り込んでしまう。
自分が人間だからレリウスは嫌なのだろうと思ったライラは、身を引く決心をして……。
両片思いからのハッピーエンドです。
【完結】裏切られ婚約破棄した聖女ですが、騎士団長様に求婚されすぎそれどころではありません!
綺咲 潔
恋愛
クリスタ・ウィルキンスは魔導士として、魔塔で働いている。そんなある日、彼女は8000年前に聖女・オフィーリア様のみが成功した、生贄の試練を受けないかと打診される。
本来なら受けようと思わない。しかし、クリスタは身分差を理由に反対されていた魔導士であり婚約者のレアードとの結婚を認めてもらうため、試練を受けることを決意する。
しかし、この試練の裏で、レアードはクリスタの血の繋がっていない妹のアイラととんでもないことを画策していて……。
試練に出発する直前、クリスタは見送りに来てくれた騎士団長の1人から、とあるお守りをもらう。そして、このお守りと試練が後のクリスタの運命を大きく変えることになる。
◇ ◇ ◇
「ずっとお慕いしておりました。どうか私と結婚してください」
「お断りいたします」
恋愛なんてもう懲り懲り……!
そう思っている私が、なぜプロポーズされているの!?
果たして、クリスタの恋の行方は……!?
溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~
紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。
ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。
邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。
「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」
そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。
狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。
汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。
元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。
与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。
本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。
人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。
そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。
「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」
戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。
誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。
やわらかな人肌と、眠れない心。
静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。
[こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]
あなたのそばにいられるなら、卒業試験に落ちても構いません! そう思っていたのに、いきなり永久就職決定からの溺愛って、そんなのありですか?
石河 翠
恋愛
騎士を養成する騎士訓練校の卒業試験で、不合格になり続けている少女カレン。彼女が卒業試験でわざと失敗するのには、理由があった。 彼女は、教官である美貌の騎士フィリップに恋をしているのだ。
本当は料理が得意な彼女だが、「料理音痴」と笑われてもフィリップのそばにいたいと願っている。
ところがカレンはフィリップから、次の卒業試験で不合格になったら、騎士になる資格を永久に失うと告げられる。このままでは見知らぬ男に嫁がされてしまうと慌てる彼女。
本来の実力を発揮したカレンはだが、卒業試験当日、思いもよらない事実を知らされることになる。毛嫌いしていた見知らぬ婚約者の正体は実は……。
大好きなひとのために突き進むちょっと思い込みの激しい主人公と、なぜか主人公に思いが伝わらないまま外堀を必死で埋め続けるヒーロー。両片想いですれ違うふたりの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
冷徹と噂の辺境伯令嬢ですが、幼なじみ騎士の溺愛が重すぎます
藤原遊
恋愛
冷徹と噂される辺境伯令嬢リシェル。
彼女の隣には、幼い頃から護衛として仕えてきた幼なじみの騎士カイがいた。
直系の“身代わり”として鍛えられたはずの彼は、誰よりも彼女を想い、ただ一途に追い続けてきた。
だが政略婚約、旧婚約者の再来、そして魔物の大規模侵攻――。
責務と愛情、嫉妬と罪悪感が交錯する中で、二人の絆は試される。
「縛られるんじゃない。俺が望んでここにいることを選んでいるんだ」
これは、冷徹と呼ばれた令嬢と、影と呼ばれた騎士が、互いを選び抜く物語。
生贄は囚われの愛を乞う~棄てられ令嬢と狼将軍~
マチバリ
恋愛
美しい見た目ゆえ、領主の養女となったレナ。
有用な道具に仕立てとする厳しい教育や義兄の異常な執着にうんざりしながらも何もかもを諦めて生きていた。
だが、その運命は悪政を働く領主一家を捕えに来た<狼将軍>と呼ばれる男の登場により激変する。
離婚を望む悪女は、冷酷夫の執愛から逃げられない
柴田はつみ
恋愛
目が覚めた瞬間、そこは自分が読み終えたばかりの恋愛小説の世界だった——しかも転生したのは、後に夫カルロスに殺される悪女・アイリス。
バッドエンドを避けるため、アイリスは結婚早々に離婚を申し出る。だが、冷たく突き放すカルロスの真意は読めず、街では彼と寄り添う美貌の令嬢カミラの姿が頻繁に目撃され、噂は瞬く間に広まる。
カミラは男心を弄ぶ意地悪な女。わざと二人の関係を深い仲であるかのように吹聴し、アイリスの心をかき乱す。
そんな中、幼馴染クリスが現れ、アイリスを庇い続ける。だがその優しさは、カルロスの嫉妬と誤解を一層深めていき……。
愛しているのに素直になれない夫と、彼を信じられない妻。三角関係が燃え上がる中、アイリスは自分の運命を書き換えるため、最後の選択を迫られる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる