タブー的幻想録

ももいろ珊瑚

文字の大きさ
上 下
8 / 99
第二章 扉をひらく鍵穴を探して

彼と同い年の弟、裕也

しおりを挟む

(皆どうやって情報集めるんだろう? この世界に精通してる人は周りにいるかしら? いるなら聞いてみたいけど……。 知り合いに片っ端から尋ねて回る? そういう訳にもいかないわよね)


 ネットで検索してみると色々書籍は出ているみたいだ。
 でも配送先が自宅となると……私の留守中に届いたら困る。
 最悪の場合、居合わせた裕也ゆうやが開けて見ないとも限らない。
 絶対に無理!

とおると同じ歳だと思えないよ、まったく。)

 正味しょうみで、全く頼りない奴。
 毎晩、同じ研究室の遊び仲間たちと遊びほうけている。
 友達を家に呼び、と紹介する行動も理解不能だが、アヤツ、大学院で何を研究してることやら分かったもんじゃぁ無い!
 うちの親って本当に弟に甘いんだからぁ。 バイトもしないでフラフラしている割に金に困らないのは、母から小遣いせびってるからだ。
 甘え上手なのもあるけど、事ある毎に何やら母の痛いところ_を突いてはをせしめている。
 裕也ゆうやがもし、このこと知ったなら私にまでそれを要求してきそうだもの。 アブナイアブナイ。

(はぁー明日はとおると会う約束をしているのに……)

 そこに彼からのメールが来た。 今日はこれで六通目。


 彼はあれからというもの、日に何度もメールを送ってきた。
 それらは何処で何をしているという内容が殆どで 『急にどうしたの?』 と理由を問えば 『いつも自分の行動を知っていて欲しいから、ダメかい?』 と逆に問い返してくる。
 そんなとおるを私は愛しく感じていた。

 メールには 『明日の待ち合わせ場所に車で来て欲しい』 と書いてあった。
 普段は、車の匂いに酔うから、と私の車にも乗りたがらない彼が、こんなこと言ってくるのは珍しい事だった。



======

――後書きとして――

書店の店頭で受けとり、という方法もあるが、ここでは挙げない。


毎話を読んでいただけている方もいらっしゃる様で、
作者にはたいへん励みになっております。

ありがとうございます<(_ _*)> 
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

あなたならどう生きますか?両想いを確認した直後の「余命半年」宣告

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:1,491pt お気に入り:37

トラブルに愛された夫婦!三時間で三度死ぬところやったそうです!

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:1,143pt お気に入り:34

最短4ヶ月でトウハン合格するってマジか?

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

処理中です...