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第二章 扉をひらく鍵穴を探して
彼と同い年の弟、裕也
しおりを挟む(皆どうやって情報集めるんだろう? この世界に精通してる人は周りにいるかしら? いるなら聞いてみたいけど……。 知り合いに片っ端から尋ねて回る? そういう訳にもいかないわよね)
ネットで検索してみると色々書籍は出ているみたいだ。
でも配送先が自宅となると……私の留守中に届いたら困る。
最悪の場合、居合わせた裕也が開けて見ないとも限らない。
絶対に無理!
(透と同じ歳だと思えないよ、まったく。)
正味で、全く頼りない奴。
毎晩、同じ研究室の遊び仲間たちと遊び惚けている。
友達を家に呼び、女好きな奴らと紹介する行動も理解不能だが、アヤツ、大学院で何を研究してることやら分かったもんじゃぁ無い!
うちの親って本当に弟に甘いんだからぁ。 バイトもしないでフラフラしている割に金に困らないのは、母から小遣いせびってるからだ。
甘え上手なのもあるけど、事ある毎に何やら母の痛いところ_を突いては口止め料をせしめている。
裕也がもし、このこと知ったなら私にまでそれを要求してきそうだもの。 アブナイアブナイ。
(はぁー明日は透と会う約束をしているのに……)
そこに彼からのメールが来た。 今日はこれで六通目。
彼はあれからというもの、日に何度もメールを送ってきた。
それらは何処で何をしているという内容が殆どで 『急にどうしたの?』 と理由を問えば 『いつも自分の行動を知っていて欲しいから、ダメかい?』 と逆に問い返してくる。
そんな透を私は愛しく感じていた。
メールには 『明日の待ち合わせ場所に車で来て欲しい』 と書いてあった。
普段は、車の匂いに酔うから、と私の車にも乗りたがらない彼が、こんなこと言ってくるのは珍しい事だった。
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――後書きとして――
書店の店頭で受けとり、という方法もあるが、ここでは挙げない。
毎話を読んでいただけている方もいらっしゃる様で、
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