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第7章
第82話 採取と新たな脅威
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治療薬第一号の成功は、港町に小さな光を灯した。薄暗い絶望の中に、ようやく一筋の希望が差し込んだ瞬間だった。そのニュースは瞬く間に診療所から広まり、人々の間で口から口へと伝わっていく。広場の片隅で沈んでいた人々の表情にもわずかな笑みが戻る。だが喜びは束の間、現実は容赦なく迫っていた。
一人の成功例だけでは、港町全体を救うことはできない。治療法は確立されたが、量産化という新たな課題が立ちはだかっている。そして病気は待ってくれない。
「先生、感染者が南地区でも増えています」
衛生兵が診療所に駆け込んできた。息を切らせた彼の手には、急造の感染マップが握られている。赤く塗られた範囲は、港町の半分を覆い始めていた。感染の拡大速度は予想を上回っており、対策の遅れが深刻な結果を招いている。
地図を見つめながら、俺は事態の深刻さを改めて実感した。これまで比較的安全だった南地区まで感染が広がっているということは、もはや港町全体が危険にさらされていることを意味する。
俺は顎に手を当て、現実的な課題を並べる。医者として冷静に状況を分析し、最適な対応策を考える必要がある。
「まずは重症患者を優先して投与だ。だが薬の量はまだ限られている」
トリアージの原則に従い、救える可能性の高い患者から治療を開始する。限られた薬剤を最も効果的に使用するための、苦渋の選択だった。
リィナが机の上の瓶を指差す。透明なガラス瓶の中には、緑がかった治療薬がわずかに残っているだけだった。
「この量だと三十人分が限界。原料の薬草と触媒が足りないわ」
一本の瓶が一人の命を救う。その重みを考えると、この少ない量では焼け石に水だ。感染者数は既に百人を超えており、薬剤の不足は深刻な問題となっている。
つまり――採集班を外に出さねばならない。だが港町の外は、黒羽同盟の残党が潜んでいる可能性が高い。影の港を破壊したとはいえ、敵の全勢力を壊滅させたわけではない。むしろ報復を狙って、港町周辺に潜伏している可能性すらある。
「でも、必要な薬草は山間部にしか自生してないのよね」
リィナの表情が曇る。治療に必要な薬草は希少種で、港町周辺では採取できない。危険を承知で山奥まで足を延ばす必要があった。
◆
夕刻、バルグが診療所に戻ってきた。普段の豪快な笑顔は影を潜め、警戒心に満ちた表情を浮かべている。鎧には泥と血がこびりつき、肩には浅い切り傷が走っている。明らかに何らかの戦闘に巻き込まれた痕跡だった。
「西の丘で妙な連中を見た。黒羽の紋を外してたが、動きが兵士そのものだ」
バルグの報告に、診療所内の空気が一瞬で緊張に包まれる。彼の戦闘経験と観察眼は信頼できるものだ。もし彼が「兵士の動き」と判断したなら、それは間違いなく訓練された戦闘員だろう。
つまり、港町の外縁で偵察が始まっているということだ。敵は既に次の作戦に移行し、港町の周辺に配置を完了している可能性が高い。
俺の胸に嫌な確信が広がる。これまでの経験から、敵の行動パターンは予測できる。
(やはり来る……治療薬を完成させる前に)
敵の狙いは明確だ。治療法が完成し、大量生産が軌道に乗る前に、港町を壊滅させるか、薬剤の生産を阻止する計画だろう。時間的猶予はほとんど残されていない。
「採集班は武装させる。俺も行く」
俺の提案に、バルグが眉をひそめる。心配そうな表情で、俺の安全を気遣ってくれているのが分かった。
「おいおい、あんたは薬の番だろう」
「それは分かってる。だが俺の特殊能力なら、危険地帯でも薬草の位置を早く探せる」
特殊能力による植物の成分分析は、薬草の迅速な発見において圧倒的な優位性を持つ。通常なら数時間かかる採集作業を、大幅に短縮できるはずだ。危険地帯での滞在時間を最小限に抑えることで、リスクも軽減できる。
言い争いをしている間にも、診療所の奥から患者のうめき声が響いた。症状の悪化した患者たちの苦痛の声が、俺たちの議論を現実に引き戻す。
時間はない。敵より先に原料を集め、薬を量産しなければならない。一刻の猶予もない状況で、最適解を見つけ出す必要があった。
リィナが口を開いた。
「私は薬草の知識があるから、本来なら私が行くべきなんだけど……」
「君は薬の精製作業で手一杯だ。俺の能力なら、君の知識を補完できる」
役割分担を明確にし、最も効率的な体制を構築する。医療チームとしての連携が、この困難な状況を乗り越える鍵となる。
「……分かったわ。でも絶対に無茶はしないで」
リィナの心配そうな表情に、俺は小さく頷いた。
◆
翌朝、採集班は出発する。朝霧がまだ残る港町を後にし、北の山間部へ向かった。リィナは町に残り、既存の薬草を使った薬の抽出工程を進める。彼女の薬学知識により、抽出効率の向上が期待できる。
俺とバルグは丘陵地帯を目指すが、その途中――風向きが変わった瞬間、異様な匂いが鼻を突いた。
風の中に、あの化学的な刺激臭が紛れた。影の港で嗅いだ汚染液の匂いだ。鷲としての鋭敏な嗅覚が、微量の化学物質を検出している。この匂いがここにあるということは、敵が既に行動を開始している証拠だった。
足を止め、耳を澄ますと、低い金属音が丘の向こうから響いてくる。機械的で規則正しい音は、何らかの装置が稼働していることを示している。
「……罠かもしれねぇな」
バルグが斧の柄を握りしめる。彼の戦闘本能が危険を察知し、警戒態勢に入っている。長年の戦闘経験により培われた勘が、俺たちに警告を発していた。
次の瞬間、霧の向こうから黒ずくめの影が数人現れた。全員が統一された装備を身に着け、明らかに組織的な行動を取っている。そして全員、手に細長い筒を持っている――汚染液散布装置だ。
その瞬間、敵の真の狙いが理解できた。
(こいつら、町に直接まくつもりか!)
薬草採集の阻止ではなく、港町への直接攻撃が目的だったのだ。汚染液を大量散布することで、感染を一気に拡大させ、治療薬の効果を無力化する作戦だろう。
原料採集のはずが、戦闘に発展するのはほぼ確実だった。しかし、ここで敵を止めなければ、港町は壊滅的な被害を受ける。
俺は背負っていた薬草袋を地面に置き、翼を広げて一歩前に出た。医者ではなく、港町の守護者としての顔に変わる瞬間だった。
「バルグ、薬草は守れ。こいつらは俺が止める」
この薬草袋には、多くの患者の命がかかっている。絶対に守り抜かなければならない。
丘陵の風が吹き抜け、俺と敵の距離を一気に縮めていく。戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
しかし、俺の心には迷いはない。港町の人々と仲間たちを守るために、どんな敵とも戦い抜く覚悟ができている。治療薬の完成まで、絶対に時間を稼いでみせる。
風が強まり、敵の黒い外套が翻る。その向こうに見える冷酷な眼差しが、俺たちの決意を試そうとしているかのようだった。
一人の成功例だけでは、港町全体を救うことはできない。治療法は確立されたが、量産化という新たな課題が立ちはだかっている。そして病気は待ってくれない。
「先生、感染者が南地区でも増えています」
衛生兵が診療所に駆け込んできた。息を切らせた彼の手には、急造の感染マップが握られている。赤く塗られた範囲は、港町の半分を覆い始めていた。感染の拡大速度は予想を上回っており、対策の遅れが深刻な結果を招いている。
地図を見つめながら、俺は事態の深刻さを改めて実感した。これまで比較的安全だった南地区まで感染が広がっているということは、もはや港町全体が危険にさらされていることを意味する。
俺は顎に手を当て、現実的な課題を並べる。医者として冷静に状況を分析し、最適な対応策を考える必要がある。
「まずは重症患者を優先して投与だ。だが薬の量はまだ限られている」
トリアージの原則に従い、救える可能性の高い患者から治療を開始する。限られた薬剤を最も効果的に使用するための、苦渋の選択だった。
リィナが机の上の瓶を指差す。透明なガラス瓶の中には、緑がかった治療薬がわずかに残っているだけだった。
「この量だと三十人分が限界。原料の薬草と触媒が足りないわ」
一本の瓶が一人の命を救う。その重みを考えると、この少ない量では焼け石に水だ。感染者数は既に百人を超えており、薬剤の不足は深刻な問題となっている。
つまり――採集班を外に出さねばならない。だが港町の外は、黒羽同盟の残党が潜んでいる可能性が高い。影の港を破壊したとはいえ、敵の全勢力を壊滅させたわけではない。むしろ報復を狙って、港町周辺に潜伏している可能性すらある。
「でも、必要な薬草は山間部にしか自生してないのよね」
リィナの表情が曇る。治療に必要な薬草は希少種で、港町周辺では採取できない。危険を承知で山奥まで足を延ばす必要があった。
◆
夕刻、バルグが診療所に戻ってきた。普段の豪快な笑顔は影を潜め、警戒心に満ちた表情を浮かべている。鎧には泥と血がこびりつき、肩には浅い切り傷が走っている。明らかに何らかの戦闘に巻き込まれた痕跡だった。
「西の丘で妙な連中を見た。黒羽の紋を外してたが、動きが兵士そのものだ」
バルグの報告に、診療所内の空気が一瞬で緊張に包まれる。彼の戦闘経験と観察眼は信頼できるものだ。もし彼が「兵士の動き」と判断したなら、それは間違いなく訓練された戦闘員だろう。
つまり、港町の外縁で偵察が始まっているということだ。敵は既に次の作戦に移行し、港町の周辺に配置を完了している可能性が高い。
俺の胸に嫌な確信が広がる。これまでの経験から、敵の行動パターンは予測できる。
(やはり来る……治療薬を完成させる前に)
敵の狙いは明確だ。治療法が完成し、大量生産が軌道に乗る前に、港町を壊滅させるか、薬剤の生産を阻止する計画だろう。時間的猶予はほとんど残されていない。
「採集班は武装させる。俺も行く」
俺の提案に、バルグが眉をひそめる。心配そうな表情で、俺の安全を気遣ってくれているのが分かった。
「おいおい、あんたは薬の番だろう」
「それは分かってる。だが俺の特殊能力なら、危険地帯でも薬草の位置を早く探せる」
特殊能力による植物の成分分析は、薬草の迅速な発見において圧倒的な優位性を持つ。通常なら数時間かかる採集作業を、大幅に短縮できるはずだ。危険地帯での滞在時間を最小限に抑えることで、リスクも軽減できる。
言い争いをしている間にも、診療所の奥から患者のうめき声が響いた。症状の悪化した患者たちの苦痛の声が、俺たちの議論を現実に引き戻す。
時間はない。敵より先に原料を集め、薬を量産しなければならない。一刻の猶予もない状況で、最適解を見つけ出す必要があった。
リィナが口を開いた。
「私は薬草の知識があるから、本来なら私が行くべきなんだけど……」
「君は薬の精製作業で手一杯だ。俺の能力なら、君の知識を補完できる」
役割分担を明確にし、最も効率的な体制を構築する。医療チームとしての連携が、この困難な状況を乗り越える鍵となる。
「……分かったわ。でも絶対に無茶はしないで」
リィナの心配そうな表情に、俺は小さく頷いた。
◆
翌朝、採集班は出発する。朝霧がまだ残る港町を後にし、北の山間部へ向かった。リィナは町に残り、既存の薬草を使った薬の抽出工程を進める。彼女の薬学知識により、抽出効率の向上が期待できる。
俺とバルグは丘陵地帯を目指すが、その途中――風向きが変わった瞬間、異様な匂いが鼻を突いた。
風の中に、あの化学的な刺激臭が紛れた。影の港で嗅いだ汚染液の匂いだ。鷲としての鋭敏な嗅覚が、微量の化学物質を検出している。この匂いがここにあるということは、敵が既に行動を開始している証拠だった。
足を止め、耳を澄ますと、低い金属音が丘の向こうから響いてくる。機械的で規則正しい音は、何らかの装置が稼働していることを示している。
「……罠かもしれねぇな」
バルグが斧の柄を握りしめる。彼の戦闘本能が危険を察知し、警戒態勢に入っている。長年の戦闘経験により培われた勘が、俺たちに警告を発していた。
次の瞬間、霧の向こうから黒ずくめの影が数人現れた。全員が統一された装備を身に着け、明らかに組織的な行動を取っている。そして全員、手に細長い筒を持っている――汚染液散布装置だ。
その瞬間、敵の真の狙いが理解できた。
(こいつら、町に直接まくつもりか!)
薬草採集の阻止ではなく、港町への直接攻撃が目的だったのだ。汚染液を大量散布することで、感染を一気に拡大させ、治療薬の効果を無力化する作戦だろう。
原料採集のはずが、戦闘に発展するのはほぼ確実だった。しかし、ここで敵を止めなければ、港町は壊滅的な被害を受ける。
俺は背負っていた薬草袋を地面に置き、翼を広げて一歩前に出た。医者ではなく、港町の守護者としての顔に変わる瞬間だった。
「バルグ、薬草は守れ。こいつらは俺が止める」
この薬草袋には、多くの患者の命がかかっている。絶対に守り抜かなければならない。
丘陵の風が吹き抜け、俺と敵の距離を一気に縮めていく。戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
しかし、俺の心には迷いはない。港町の人々と仲間たちを守るために、どんな敵とも戦い抜く覚悟ができている。治療薬の完成まで、絶対に時間を稼いでみせる。
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