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人の姿になったユキ
第82話 ドワイライフ国王 クロン
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ユキとナンニャさんが買い物出てしばらくした後、2階に降りた。
「誠明きたの~王を紹介するからちょっとこっちに来い」
謁見の間とか城じゃなくてここで紹介ってのもどうなんだろうか?
ジルさんの後について行くと、若いドワーフの青年の前に連れてこられた。
普通に国民とお喋りしている青年だな。この国って王は敬う対象じゃないのかな?
「クロン、さっき話していた医者だ」
「は~君が誠明君か」
「初めまして伊東誠明です」
念のため跪いて対応した。
「そんなことしなくていい、この場はプライベートだからな普通に友にでも接するつもりで接してくれ、私はクロンだ一応この国の王をやっている」
王を一応でやっているのか。
「誠明よ、明日から病院の方で働いてもらうが、医療費はとらんでいいぞ」
「無料なんですか?」
「あぁ、国民の税金で賄ってるからな」
日本みたいに3割負担じゃなくて、ドイツみたいに自己負担額0……。
「もしかして税金が高かったり?」
「いや、収入がある者からは取るが、貧困層からはとらんぞ」
プロズ王国に居た時税金なんて払った記憶ないけど脱税してたかな?なんて思った。
「そうなんですね、給与天引きとかですか?」
「あぁそうだ、ちなみにだ、このシステムを考えたのは君と同じ迷い人の聖女様なんだよ」
なるほど、
「で、ここで何故その話を?」
普通そういう話は1対1とかで話する気がする。
「うむ、君に関してはザックから聞いているが体を切って人を治す事が出来るんだろ?」
「そうですね」
「でだ、1人1人によって違うのは理解している。それを理解したうえで契約しないか?」
手術の内容や件数で契約じゃなくて、固定給なのかな?
個人的に色々持ちこんでいるからそんなに高給じゃなくても構わないと思っているけど、国と契約?
「それは構わないんですが、国と契約するんですか?」
「そうじゃ、病院は国営だからのぉ」
「ジルの言う通りだ、詳しい話は明日するが、それでも良いか?」
「あぁまぁどうぞ」
よっぽどのことが無ければ別に構わないと思っているが、どこぞの誰かみたいに24時間稼働休みなしとかそういう条件じゃなければね。
「そうか、なら明日私もジルと一緒に病院にいこう」
国王がそんなにほいほい外出していいのだろうか?
本来ここに来るのもあり得ないと思うが。
「わかりました」
「うむ、ところで誠明よユキは一緒じゃないのか?」
これは人化しているのを知らないな、本人が帰って来てから知ってもらえればいいか。
「ユキは、ナンニャさんと一緒にお出かけ中ですね、そのうち帰って来るんじゃないですかね」
「珍しいのぉ、いつもお主にべったりだったのにのぉ」
傍から見てもそう思われていたのか、実際に出会ってからいつも一緒だったが。
「ちょっと訳アリでして」
「そうか、まぁよい、さっそく酒を頼む!」
「そうだな、異界の酒が飲めると聞いて楽しみだったのだ」
あなたもか、ドワーフは本当に酒好きだな。
「はいはい、んじゃ一通り並べていきますね~」
「あぁ、頼む、クロン、誠明の出す純米大吟醸酒が美味いぞワシのおすすめじゃ!」
ジルさんは純米大吟醸が好みだったのか、芋焼酎を結構飲んでた気がしたが。
「ほぉ、ジルのすすめならそれを貰おうか、誠明よ頼む」
「はいはい」
アイテムボックスより、純米大吟醸を取り出し王の持つコップに注ぐと、一気に飲んでいた。日本酒を一気飲みする人初めて見た。
「んっ……」
「クロン、それはエールみたい一気に飲むものではないぞ、つまみを食べながらちびちび飲むんじゃ」
「そう言うものなのか、もう少し早く教えてくれ」
ごもっともである。説明しなかったジルさんが悪い気がする。
「一気飲みするならこっちビールじゃな」
ジルさんが、2本缶ビールを手に取り、1本をクロンに渡した。
「こーやってなあけるんじゃ」
初缶ビールのクロンに開け方を説明し、そのまま一気飲みしていた。
「ほぉ、ところでこの金属は以前ザックが言ってたやつか」
「そうじゃ、アルミとか言うらしいの?」
ジルさんがこっちを見て聞いてきた。
「そうですね、アルミニウムって金属です」
「ほぉ、ジルは柔くて武器には向かんとかいってたが、何に使ってるんだ?」
「なにか……」
ぱっと思い浮かぶのは、1円玉と車のボディとか……?
「硬貨とか、車とかですかね?」
「硬貨はわかるが、車ってなんだ?」
車ね持ってないんだよね、都心に住んでたしなくて不便に思ったことないからな、車が乗っている本なんてあったかな?
ん~ないな……。
「人が乗る乗り物と言えばいいですかね?」
「ほぉ、馬車みたいなのか?」
「そうですが、動力は馬じゃないですね」
「ほぉ馬じゃなければなんだ?興味あるな」
「ガソリンという燃料を使いエンジンが動いて、その動力でって感じですね」
「ほぉガソリンだのエンジンだの聞きなれないな、作り方は?」
でしょうね、ガソリン車が生まれたのって地球でも1870年だからな。
「すいません、しらないんですよ」
「そうか、他に何か面白い話はないか?」
この世界に来てから一度も使ってないが自転車位ならある。
アイテムボックスから自転車を出し説明することにした。
「これは、人力ですけど、結構楽ですよ」
「ほぉ、どうやって使うんだ?」
「外で乗る物なんですが、こうやって回すと~」
後輪を浮かした状態でペダルを回してみた。
「ほぉ~面白い仕組みだな、乗ってみたいな」
短足のドワーフには乗れないと思うが……。
「自分の背丈に会ったものなので、ドワーフの皆さんにはサイズ的に難しいかと……」
「そうか、明日で良いから乗ってるところを見せてくれ、場合によっては暇を持て余しているザックの仕事になるだろう」
ザックが量産することになるのかな?
「わかりました。それじゃあ明日の朝乗ってるの見せますよ」
「おぅ楽しみにしてる」
「それよりも販売会なんだからそんな話せんで飲むぞ!」
「おぅそうだな」
ジルさんとクロンさんは料理のある机に向かっていった。
王自身があまり威圧感とかない人で良かった。良き隣人として付き合えそうだと安心した。
ザックの姿がいまだに見えないんだが、何かあったのかな?
「誠明きたの~王を紹介するからちょっとこっちに来い」
謁見の間とか城じゃなくてここで紹介ってのもどうなんだろうか?
ジルさんの後について行くと、若いドワーフの青年の前に連れてこられた。
普通に国民とお喋りしている青年だな。この国って王は敬う対象じゃないのかな?
「クロン、さっき話していた医者だ」
「は~君が誠明君か」
「初めまして伊東誠明です」
念のため跪いて対応した。
「そんなことしなくていい、この場はプライベートだからな普通に友にでも接するつもりで接してくれ、私はクロンだ一応この国の王をやっている」
王を一応でやっているのか。
「誠明よ、明日から病院の方で働いてもらうが、医療費はとらんでいいぞ」
「無料なんですか?」
「あぁ、国民の税金で賄ってるからな」
日本みたいに3割負担じゃなくて、ドイツみたいに自己負担額0……。
「もしかして税金が高かったり?」
「いや、収入がある者からは取るが、貧困層からはとらんぞ」
プロズ王国に居た時税金なんて払った記憶ないけど脱税してたかな?なんて思った。
「そうなんですね、給与天引きとかですか?」
「あぁそうだ、ちなみにだ、このシステムを考えたのは君と同じ迷い人の聖女様なんだよ」
なるほど、
「で、ここで何故その話を?」
普通そういう話は1対1とかで話する気がする。
「うむ、君に関してはザックから聞いているが体を切って人を治す事が出来るんだろ?」
「そうですね」
「でだ、1人1人によって違うのは理解している。それを理解したうえで契約しないか?」
手術の内容や件数で契約じゃなくて、固定給なのかな?
個人的に色々持ちこんでいるからそんなに高給じゃなくても構わないと思っているけど、国と契約?
「それは構わないんですが、国と契約するんですか?」
「そうじゃ、病院は国営だからのぉ」
「ジルの言う通りだ、詳しい話は明日するが、それでも良いか?」
「あぁまぁどうぞ」
よっぽどのことが無ければ別に構わないと思っているが、どこぞの誰かみたいに24時間稼働休みなしとかそういう条件じゃなければね。
「そうか、なら明日私もジルと一緒に病院にいこう」
国王がそんなにほいほい外出していいのだろうか?
本来ここに来るのもあり得ないと思うが。
「わかりました」
「うむ、ところで誠明よユキは一緒じゃないのか?」
これは人化しているのを知らないな、本人が帰って来てから知ってもらえればいいか。
「ユキは、ナンニャさんと一緒にお出かけ中ですね、そのうち帰って来るんじゃないですかね」
「珍しいのぉ、いつもお主にべったりだったのにのぉ」
傍から見てもそう思われていたのか、実際に出会ってからいつも一緒だったが。
「ちょっと訳アリでして」
「そうか、まぁよい、さっそく酒を頼む!」
「そうだな、異界の酒が飲めると聞いて楽しみだったのだ」
あなたもか、ドワーフは本当に酒好きだな。
「はいはい、んじゃ一通り並べていきますね~」
「あぁ、頼む、クロン、誠明の出す純米大吟醸酒が美味いぞワシのおすすめじゃ!」
ジルさんは純米大吟醸が好みだったのか、芋焼酎を結構飲んでた気がしたが。
「ほぉ、ジルのすすめならそれを貰おうか、誠明よ頼む」
「はいはい」
アイテムボックスより、純米大吟醸を取り出し王の持つコップに注ぐと、一気に飲んでいた。日本酒を一気飲みする人初めて見た。
「んっ……」
「クロン、それはエールみたい一気に飲むものではないぞ、つまみを食べながらちびちび飲むんじゃ」
「そう言うものなのか、もう少し早く教えてくれ」
ごもっともである。説明しなかったジルさんが悪い気がする。
「一気飲みするならこっちビールじゃな」
ジルさんが、2本缶ビールを手に取り、1本をクロンに渡した。
「こーやってなあけるんじゃ」
初缶ビールのクロンに開け方を説明し、そのまま一気飲みしていた。
「ほぉ、ところでこの金属は以前ザックが言ってたやつか」
「そうじゃ、アルミとか言うらしいの?」
ジルさんがこっちを見て聞いてきた。
「そうですね、アルミニウムって金属です」
「ほぉ、ジルは柔くて武器には向かんとかいってたが、何に使ってるんだ?」
「なにか……」
ぱっと思い浮かぶのは、1円玉と車のボディとか……?
「硬貨とか、車とかですかね?」
「硬貨はわかるが、車ってなんだ?」
車ね持ってないんだよね、都心に住んでたしなくて不便に思ったことないからな、車が乗っている本なんてあったかな?
ん~ないな……。
「人が乗る乗り物と言えばいいですかね?」
「ほぉ、馬車みたいなのか?」
「そうですが、動力は馬じゃないですね」
「ほぉ馬じゃなければなんだ?興味あるな」
「ガソリンという燃料を使いエンジンが動いて、その動力でって感じですね」
「ほぉガソリンだのエンジンだの聞きなれないな、作り方は?」
でしょうね、ガソリン車が生まれたのって地球でも1870年だからな。
「すいません、しらないんですよ」
「そうか、他に何か面白い話はないか?」
この世界に来てから一度も使ってないが自転車位ならある。
アイテムボックスから自転車を出し説明することにした。
「これは、人力ですけど、結構楽ですよ」
「ほぉ、どうやって使うんだ?」
「外で乗る物なんですが、こうやって回すと~」
後輪を浮かした状態でペダルを回してみた。
「ほぉ~面白い仕組みだな、乗ってみたいな」
短足のドワーフには乗れないと思うが……。
「自分の背丈に会ったものなので、ドワーフの皆さんにはサイズ的に難しいかと……」
「そうか、明日で良いから乗ってるところを見せてくれ、場合によっては暇を持て余しているザックの仕事になるだろう」
ザックが量産することになるのかな?
「わかりました。それじゃあ明日の朝乗ってるの見せますよ」
「おぅ楽しみにしてる」
「それよりも販売会なんだからそんな話せんで飲むぞ!」
「おぅそうだな」
ジルさんとクロンさんは料理のある机に向かっていった。
王自身があまり威圧感とかない人で良かった。良き隣人として付き合えそうだと安心した。
ザックの姿がいまだに見えないんだが、何かあったのかな?
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