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人の姿になったユキ
第88話 母代わりとして
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初日勤務が終わった後
ユキといっしょに自宅に戻ると既に2階の明かりが漏れていた。
診療所入り口から入り、2階に行った。
「おう、勤務初日はどうだった?」
2階にはいるなりザックが話しかけてきた。
「マバダザに居た頃よりは、仕事した感ありましたね」
マバダザに居た頃は基本午前中で午後は往診なければ釣りだったからな。
「そうか、ユキはどうだったんだ?その姿になって初めての仕事だろ?」
「楽しかった~今まで見てる事しかできなかったけど、今日はいっぱい誠明のお手伝いしたよ~」
いままで診療所の受付とかカルテ持ってきてくれたりしてたけどと思いつつ、こっちも言わなくてもやる事解っている人が1人でもいるだけで負担はかなり軽くなる。実際に今日は1人でやってる感じはしなかった。
「ほぉそいつは良かったな」
「うん!」
「誠明よ、今まで販売会みたいな形だったが会員制にしようかって話が出ているんだが、ジルから聞いてるか?」
「いや何も」
「そうか、一応な毎日毎日2人のこの時間に必ず参加させるのもあれだと話があってな、会費の6割はお主で、残り4割をおつまみなんかの費用にしようという話があるんだがどうだ?」
どうだ?と言われてもって感じなんだが、ただ毎日最初から最後までここに縛られなくていいというのはありがたい、夕食分だけ食べて自宅に戻れるならそれはそれで助かる。
「自分はどうすればいいんです?」
「あらかじめ大量の酒を出しておいてくれればいい、余ったら翌日以降に回せばいいしな」
それなら普通に会員制のバーでも居酒屋作ればいいのになんて思った。
「まぁ楽になるなら何でもいいですよ」
「そうか、たすかる、ナンニャが一番気にしてたからな」
なんでナンニャさんが気にしてたんだろうか?
ザックに言われた通り、いつも出る酒+αを部屋の端に並べていった。
並べていると、クロンさん、ジルさん、ナンニャさんがきた。
「ん、ザックから話を聞いたのか?」
ジルさんは来るなり並べられている酒を見て聞いてきた。
「会員制って話なら聞きましたよ」
「そうかそうか、お主は良いのか?」
「最後まで居なくてもいいって部分は楽ですからね」
「そうじゃのぉ」
「誠明君、今日はいけなくてすまなかった」
クロンさんがいきなり誤ってきたけど何の事か分からなかった。
「なんかありましたっけ?」
「今日そっち行く予定だったんだが、やる事が多くてな……」
そう言えば自転車がとかそんな話をしていたのを思い出した。
王がやること多くて大変そうなときに、宰相のジルさんはずっとこっちに居たけど良かったのか?
「別にいいですよ、自転車出して何かやる暇なかったですし」
「らしいな、私も君の手術とやらを見て見たかったが」
「この先いくらでも機会あると思いますよ」
「そうだな」
気づけばユキとナンニャさんが居なくなっていた。
どこ行ったんだろうと思いながらビールを片手にテーブルに並んでいるサラダとり食べていると。
「先生ちょっといいですか?」
ナンニャさんから声かけられた。ユキは?と思っていると、いつも通りザック達の所に行っていた。
「はぁ、なんでしょ?」
「ここじゃ何だから少し外に出ましょうか」
なんだろ?ここでは話しにくい内容なのかな?
ナンニャさんの後について診療所に降りた。
「せんせい、あなたはユキちゃんの事避けてるんですか?」
言っている意味が分からなかった。
「避けるってなんでです?」
「夕べユキちゃんが家を抜け出した事は知っています。その時の事を話してくれたからねぇ、一緒に寝ていたら離れたところで寝てたとか、大人の事情と言われたと言っていました」
一緒に寝てたというか、着替えてると思ってたら先に寝てたんだが?
それはまぁ事実だけど避けたって事になるのかな?
「それは事実ですよ」
「大人の事情というのはだいたい察しますが、あの子の気持ちはわかっているのでしょ?」
好意を向けられているのは分かっているが、今まで彼女が居た事のないヘタレな自分にアイドルと言われてもおかしく無いレベルの可愛くドストライクの女の子と一緒になんて……。
「まぁユキの気持ちはわかりますよ、向き合わないといけないというのも分かってるんですが心の準備というか心構えが……」
「そうですか、分かっているなら良いんです。先生に嫌われたかも、捨てられちゃうかもって朝方泣いて戻ってきたんですよ」
あのユキが泣いてってのは想像できないが、一緒に寝てもユキの方を向かなかったから傷つけたのかな?
「嫌うとかは絶対にありえないです」
「でしょうね、あなたがユキちゃんを可愛がっているのは誰もが知っています。あの子もいきなり人の姿になってその姿があなたに受け入れられるか不安なんですよ。そこは分かってあげてくださいね」
「わかりました」
自分から動かないと駄目かな?
「わかってくれたなら良いです。この後ユキちゃんと一緒に上がりなさい」
「ぇ?」
「そのために私は会員制という提案をしたんですよ。ユキちゃんは可能な限りあなたに甘えたいみたいですからね、昨日みたいに人前で甘えるのは本人なりに抵抗あるようなんですよ」
そうなんだ、みんなの前で飛びついてきたり膝枕してきたりしていたからてっきり抵抗ないのかと思っていたけど、お酒が入ってたから出来た事ってやつなのかな?
まぁでも、狐姿の時に人前でそこまで甘えてこなかったかな?
ユキと2人っきりの時間を作る為の会員制、それでナンニャさんが一番気にかけていたのか、ユキと自分の為にというのが理解できた。
「そうなんですか、自分たちの為にありがとうございます」
「いいえ、私はユキちゃんを実の娘のように思ってますからね、我が子の為なら親として出来るだけの事をしてあげたいんですよ。さぁ戻りましょうか」
「はい」
その後ナンニャさんと一緒に2階に戻った。
ユキといっしょに自宅に戻ると既に2階の明かりが漏れていた。
診療所入り口から入り、2階に行った。
「おう、勤務初日はどうだった?」
2階にはいるなりザックが話しかけてきた。
「マバダザに居た頃よりは、仕事した感ありましたね」
マバダザに居た頃は基本午前中で午後は往診なければ釣りだったからな。
「そうか、ユキはどうだったんだ?その姿になって初めての仕事だろ?」
「楽しかった~今まで見てる事しかできなかったけど、今日はいっぱい誠明のお手伝いしたよ~」
いままで診療所の受付とかカルテ持ってきてくれたりしてたけどと思いつつ、こっちも言わなくてもやる事解っている人が1人でもいるだけで負担はかなり軽くなる。実際に今日は1人でやってる感じはしなかった。
「ほぉそいつは良かったな」
「うん!」
「誠明よ、今まで販売会みたいな形だったが会員制にしようかって話が出ているんだが、ジルから聞いてるか?」
「いや何も」
「そうか、一応な毎日毎日2人のこの時間に必ず参加させるのもあれだと話があってな、会費の6割はお主で、残り4割をおつまみなんかの費用にしようという話があるんだがどうだ?」
どうだ?と言われてもって感じなんだが、ただ毎日最初から最後までここに縛られなくていいというのはありがたい、夕食分だけ食べて自宅に戻れるならそれはそれで助かる。
「自分はどうすればいいんです?」
「あらかじめ大量の酒を出しておいてくれればいい、余ったら翌日以降に回せばいいしな」
それなら普通に会員制のバーでも居酒屋作ればいいのになんて思った。
「まぁ楽になるなら何でもいいですよ」
「そうか、たすかる、ナンニャが一番気にしてたからな」
なんでナンニャさんが気にしてたんだろうか?
ザックに言われた通り、いつも出る酒+αを部屋の端に並べていった。
並べていると、クロンさん、ジルさん、ナンニャさんがきた。
「ん、ザックから話を聞いたのか?」
ジルさんは来るなり並べられている酒を見て聞いてきた。
「会員制って話なら聞きましたよ」
「そうかそうか、お主は良いのか?」
「最後まで居なくてもいいって部分は楽ですからね」
「そうじゃのぉ」
「誠明君、今日はいけなくてすまなかった」
クロンさんがいきなり誤ってきたけど何の事か分からなかった。
「なんかありましたっけ?」
「今日そっち行く予定だったんだが、やる事が多くてな……」
そう言えば自転車がとかそんな話をしていたのを思い出した。
王がやること多くて大変そうなときに、宰相のジルさんはずっとこっちに居たけど良かったのか?
「別にいいですよ、自転車出して何かやる暇なかったですし」
「らしいな、私も君の手術とやらを見て見たかったが」
「この先いくらでも機会あると思いますよ」
「そうだな」
気づけばユキとナンニャさんが居なくなっていた。
どこ行ったんだろうと思いながらビールを片手にテーブルに並んでいるサラダとり食べていると。
「先生ちょっといいですか?」
ナンニャさんから声かけられた。ユキは?と思っていると、いつも通りザック達の所に行っていた。
「はぁ、なんでしょ?」
「ここじゃ何だから少し外に出ましょうか」
なんだろ?ここでは話しにくい内容なのかな?
ナンニャさんの後について診療所に降りた。
「せんせい、あなたはユキちゃんの事避けてるんですか?」
言っている意味が分からなかった。
「避けるってなんでです?」
「夕べユキちゃんが家を抜け出した事は知っています。その時の事を話してくれたからねぇ、一緒に寝ていたら離れたところで寝てたとか、大人の事情と言われたと言っていました」
一緒に寝てたというか、着替えてると思ってたら先に寝てたんだが?
それはまぁ事実だけど避けたって事になるのかな?
「それは事実ですよ」
「大人の事情というのはだいたい察しますが、あの子の気持ちはわかっているのでしょ?」
好意を向けられているのは分かっているが、今まで彼女が居た事のないヘタレな自分にアイドルと言われてもおかしく無いレベルの可愛くドストライクの女の子と一緒になんて……。
「まぁユキの気持ちはわかりますよ、向き合わないといけないというのも分かってるんですが心の準備というか心構えが……」
「そうですか、分かっているなら良いんです。先生に嫌われたかも、捨てられちゃうかもって朝方泣いて戻ってきたんですよ」
あのユキが泣いてってのは想像できないが、一緒に寝てもユキの方を向かなかったから傷つけたのかな?
「嫌うとかは絶対にありえないです」
「でしょうね、あなたがユキちゃんを可愛がっているのは誰もが知っています。あの子もいきなり人の姿になってその姿があなたに受け入れられるか不安なんですよ。そこは分かってあげてくださいね」
「わかりました」
自分から動かないと駄目かな?
「わかってくれたなら良いです。この後ユキちゃんと一緒に上がりなさい」
「ぇ?」
「そのために私は会員制という提案をしたんですよ。ユキちゃんは可能な限りあなたに甘えたいみたいですからね、昨日みたいに人前で甘えるのは本人なりに抵抗あるようなんですよ」
そうなんだ、みんなの前で飛びついてきたり膝枕してきたりしていたからてっきり抵抗ないのかと思っていたけど、お酒が入ってたから出来た事ってやつなのかな?
まぁでも、狐姿の時に人前でそこまで甘えてこなかったかな?
ユキと2人っきりの時間を作る為の会員制、それでナンニャさんが一番気にかけていたのか、ユキと自分の為にというのが理解できた。
「そうなんですか、自分たちの為にありがとうございます」
「いいえ、私はユキちゃんを実の娘のように思ってますからね、我が子の為なら親として出来るだけの事をしてあげたいんですよ。さぁ戻りましょうか」
「はい」
その後ナンニャさんと一緒に2階に戻った。
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
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本当に、ありがとうございます。
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